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「わかってほしい」を辞めた話。

先日、仕事を辞めた。
理由はモラハラ上司と無視をする先輩と3人だけの空間に耐えられなくなったから。
(他にも人はいるが、3人だけの時間がほとんどだった。)

某アメリカ心理学者が行った、
24人にそれぞれ「看守」「囚人」と役割を与え、閉鎖空間で2週間過ごさせる。
すると1週間もせずとも看守役が囚人役に対し人と思えぬ扱いをするようになるという有名な監獄実験のように
閉鎖空間という環境は人間から人間性を奪い取りいじめが起きるのだ。
(私の前に勤めていた人もターゲットになり辞めた。常に獲物を探すサバンナの虎のようだな。)

退職しほとぼりさめた頃、菓子折りと共に挨拶に行った。(別部署への挨拶も含め滞在時間6分。記録的快挙だ。感染症対策としてもバッチリである。)

するとその日の夜、先輩から「お菓子頂きました。ありがとう😊」と連絡が来た。
(そういえばこの人は機嫌が良いときは話しかけてくる人だったな。と思い出した。)

私が浮気された彼女のような立場であれば退職したその日にでも「キーッ!もう二度と顔も見たくないわ!」とLINEをブロックし削除までしていたかもしれないが、あいにく連絡先はそのまま残しておいていたので「いえいえ、忙しい時間にすみません😅」と送り返した。

ちょうど挨拶に伺ったときは、時間的にもまだ少し仕事が立て込んでいるようだったからだ。

「タイミング悪かったな笑」
などという絶妙に腹の立つ返事が来たが、以前までの私なら
この時間に行く理由はちゃんとあるんだ、この人にわかってもらわないと、なんて思ったかもしれない。
だってそうしないと仕事ができないと思われるから。機嫌が悪くなるかもしれないから。

でも、久々に会い、連絡を取り、思ったのだ。

「ああ、別にこの人にわかってもらわなくていいや」と。


「申し訳ないです💦」
これだけ返し、今までに感じたことのない感情に少し驚いた。
他の人はもしかしたらこれを当たり前にしているかもしれないけれど。

正直私は、今まで小さなプライドを大事に守り、誰かにわかってもらいたい!という承認欲求が少なからずある人間だったので
以前の私だったら
「社長がいらっしゃる時間に合わせて来たんです〜」などと言ってたかもしれない。

上辺だけの言葉がどうの〜
表面上の付き合いがどうの〜だなんていう人もいるかもしれないけれど
私は初めて体感した。
『余計な体力を使わない』ということを。
この言葉だけ聞くと格好付けてるような、スカしてるような印象になるかもしれないけれど、ちっぽけなプライドを守るにはいちいち体力を使うのだ。

退職したあとにこんな便利なライフハックを見つけてしまうだなんて。
すごく得した気分だ。

補足で言っておくが
家族や恋人に自分の本音をぶつけ合うことと小さなプライドを守る一言は全く違う。
大切な人には言いたいことを言わないと、「自分が我慢すれば丸く収まる」なんて綺麗事じゃなく相手にまで我慢を強いるようになるからだ。
勿論、伝えるだけじゃなく伝え方も大事だけど。

小さなプライドで自分自身を苦しめている人は、是非諦めて欲しい。
どうでも良い人に理解してもらうということを。


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