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カルイザワにサクラサク

軽井沢の我が家の庭で、桜が咲き始めました。今日は休日だったので、せっかくなのでカメラを持ち出して撮影しましたよ。もっとも、観賞用として有名なソメイヨシノや河津桜ではなく、小さな花が下向きに咲く野生種「チョウジザクラ」です。

チョウジザクラ

萼が長いことから、漢字の「丁」の字のようだということで「丁字桜」です。長い萼の奥に花蜜があり、マルハナバチ類やメジロなどが、長い口吻を差し込むことで花粉が運ばれます。

赤味が差したチョウジザクラ

桜の花は、咲いて日にちが経つと赤味が強くなります。これは老化によりアントシアニンという赤い色素が蓄積するからだそうです。でもこっちの方が好きだなぁ。

軽井沢の野山では、このチョウジザクラを皮切りに、オオヤマザクラ、ヤマザクラ、カスミザクラ…と桜のリレーが続きます。他に植栽されたソメイヨシノなどもありますね。例年なら、オオヤマザクラとソメイヨシノがゴールデンウィークに満開となるのですが、最近は開花が早まっている年が多いです。今年もゴールデンウィーク前に散ってしまいそうですね。

我が家の庭では、他にも花が咲き始めています。

ミヤマウグイスカグラ

漢字で書くと「深山鶯神楽」。ウグイスが実を食べる様子が御神楽を舞っているようだ…という由来を持つ「ウグイスカグラ」と比較して、表面に毛が多く、山地に多いので名前に「深山」が付きました。

縦画でもう一枚

この花も下向きで、長い漏斗状をしています。やはり口吻が長いマルハナバチ類が訪花します。

真下から曇り空バックでハイキーに

5裂した花弁が、赤い五芒星のように見えます。体の大きなマルハナバチが、花にぶら下がる時に足を引っ掛けるのに都合よくできています。誰ですか?ヒトデみたいと言っている人は…。

こちらは数日前に撮影したダンコウバイ。

ダンコウバイ

今日もまだ咲いていましたが、そろそろ終わりを迎え、撮り頃を過ぎてしまいました。

スミレも咲き始めましたよ。

玄関脇に勝手に生えたタチツボスミレ

我が家にはこのタチツボスミレと「スミレ」という種類のスミレが咲きます。今日はまだスミレは咲いていませんでした(ややこしい)。

スミレ類の花には、花弁の一部が後方に袋状に伸びる「距(きょ)」と呼ばれる部位があります。画面左の横向きの花がわかりやすいですね。この奥に花蜜があり、やはり長い口吻を持つマルハナバチ類やビロードツリアブ、チョウ類などが訪れます。

地面にへばり付くように生えるこんな植物も花を咲かせています。

キジムシロ

あれ?F8まで絞ったのに、ピントが奥まで合っていない?
それでは地面スレスレから花をアップで…。

低い…

上向きに咲く黄色い花は、長い口吻を持たない虫や、花粉を好む虫もやってきます。黄色い色も、様々な虫から好まれる色なのだそうです。

さて、今回は撮り下ろしということで機材についても。カメラとレンズはこれを使いました。

NikonDf+ZUIKO90mmF2

カメラボディはNikonDf。今時動画が録れない稀有なカメラです。80年台の一眼レフブームで育った年寄りは、シャッタースピードダイヤルをかちゃかちゃ回したいのです。完全に趣味のカメラですね。生産終了とともに中古市場価格が暴落し(といっても高いが…)、衝動買いしてしまいました。
レンズはOLYMPUSのZUIKO90mmF2マクロ。当時最も明るい中望遠マクロレンズでした。大学生の頃、バイト代をもらったその日に千葉駅近くのカメラ店の中古の棚で出会い、気付いたらもらったはずのバイト代が無くなっているという恐怖体験をしました。30年も昔の話です。

カメラに詳しい方は気付きましたね。「マウントが違うじゃねーか!」。
そうです。カメラのボディとレンズを繋ぐ金具を「マウント」と呼びますが、カメラメーカーによって形状が異なり、他のメーカーのレンズはカメラに付かないようになっているのです。そりゃカメラメーカーとしては、自分のメーカーのレンズを買って欲しいですからね。

でも貧乏学生は考えます。「せっかく買った高かったレンズを、こっちのカメラにも付けたい。」そこで新宿の中古カメラ屋を巡り、両社の最も薄い接写リングを購入。分解してそれぞれのマウント金具を交換し、瞬間接着剤で接着します。するとあら不思議、マウント変換用接写リングの完成です。

OM→Fマウント変換用接写リング

接写リングなので無限遠は出ませんが、どうせ花や虫しか撮らないので問題ありません。絞りは連動しないので実絞りAEとなり、絞るとともにファインダーは暗く、ピントもあわせにくくなります。もちろんExif情報にも絞り値は正しく表示されません。でも写真は撮れる。

「何?」
無限遠位置で、ちょうど大型犬の顔がいっぱいに写ります(笑)

今回はさらに、レンズ専業メーカーTokinaのAT-X90mmF2.5マクロ用接写リングも、防湿庫の奥から引っ張り出しました。収差補正用レンズが入った接写リングで、他のレンズに付けても性能が良いという噂でした。すでに販売終了していましたが、新宿の中古カメラ店で出会ってしまったのです。しかし程なくデジタル化してしまったため、あまり使われないまま防湿庫の奥で眠っていたのを、今回十数年ぶりに外に出したのです。

接写リングはカメラとレンズの間に装着し、レンズの繰り出し量を増やすことで倍率を上げる。
ピントリングを繰り出すと、ここまで長く伸び〜る

これでさらに拡大撮影が可能となります。

同じミヤマウグイスカグラの花がここまでアップに
チョウジザクラも画面いっぱい

うんうん、私には悪いところが見つけられません。Dfのおかげで、あと10年は戦えますね。

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