赤ちゃんに会う日まで⑭〜出産〜

私はビビリなので、無痛分娩を選んだ。
それでも子宮口がある程度開くまでは陣痛を体験した。

陣痛は、私の場合例えるならば、打ち寄せては引いていく波のような感覚の痛み。

ぐーーーっと痛みが打ち寄せては引いていく。

最初は、これは赤ちゃんが産まれるエネルギーなんだ、と自分に言い聞かせ楽しみにしてくれている家族の顔を思い浮かべてなんとか自分を保った。
次第にその波が強く、間隔が短くなってくる。
だんだん疲れて、家族の顔を思い浮かべる余裕がなくなる。

苦しい、苦しい、苦しい、痛い、痛い、痛い、疲れた、うぅ…

叫んだりはしなかったが、お産は体力がいるとはこういうことかと思ったし、普通分娩の人はこれ以上の陣痛を耐えて出産したかと思うと
頭がおかしくなりそうなほどだった。信じられない。我慢強すぎる。

私は無痛分娩を選んでいたので、妊娠中も、陣痛の間も出産の恐怖に精神的にやられることはなかった。
美人の女医さんが私の目線と同じ高さにしゃがんで励ましてくれる。
こんな美人で、医者で、産婦人科を選ぶ貴い志を持つ美しい人にひざまづいて励ましてもらうなんて恐縮だと思ったりした。助産師さんもすごい。働く医療従事者の女性、みんなめちゃくちゃかっこいいと思った。存在が尊いし、感謝だ。

麻酔を入れてしばらくして、痛みがかなり軽減され、リラックスしたのか子宮口は速やかに全開大となり、いきむと何かはさまっているような間隔。
でも誰も今の状況を伝えてくれないので、よくわからないが言われるままにとにかくいきんだ。

7回ほどいきんで、助産師さんが引っ張り出してくれたような感じで、赤ちゃん誕生。
少し泣きそうになったけど、涙はでなかった。
赤ちゃんはすぐ別室に連れていかれて、胎盤を出され、会陰切開の縫合をされ、そのまま分娩台でしばらく休んだ。出血が多かったためか、しばらく動けなかった。
ちなみに会陰切開はいつされたのかわからなかった。
会陰切開はそんな感じなので、過度に怖がる必要はない。
縫合も心地良くはないし、産後痛むが、麻酔もあれば痛み止めも使えるから大丈夫。

安産だったと自分では感じているし、無痛分娩を選んで心から良かったと思っている。体外受精、無痛分娩と現代の医療なくしてこの子は産まれていないと思うと、今の時代に感謝だなと思う。


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