見出し画像

第92話 伯母の旦那様とパニック発作

前の記事です▼

タカちゃんの話をした時に、私の家は本家であることを話したと思います。お盆とお正月には、父方の伯父と伯母の家族が来て下さるのが恒例でした。

父は5人兄妹の次男なのですが、自分勝手な所もあり経緯を経て本家を継いだのです。
長男ご家族と三男ご家族は、自転車で数分の近くに住んでおり、いつでも顔を見に行ける距離ですから、あえてお盆とお正月に来ることは稀でした。

4男ご家族と末の伯母ご家族が、毎年来てくれていました。
そんな恒例のある年から、伯母の旦那様が来なくなりました。私の知り得る限りですが伯母の旦那様は、眼鏡をかけた男前で穏やかで良い人で、それなのに体調が良くないとのこと。

コルジリネ
今の時期は下葉を少し取ってあげると良いです。
爽やかに見えます。

そんな年が数年続いた後、伯母の旦那様のお見舞いに行くことになったんです。
ベッドから起き上がることも出来なくて、私達を数年ぶりに見て驚いていました。
そして直ぐ隣で脚をさする旦那様の母の姿。

かなり悪いのが見て分かります。
ですが声には張りがあり、皆で安堵して部屋を出ると、伯母が骨転移もしていると辛そうに言いました。長く患っていたのは癌なのです。
伯母夫婦には子供は2人、長女のYちゃんと長男のHくんです。

もし、伯母が1人になってしまっても2人が居てくれます。これほど心強いものはありません。
ですが僅か数日後、旦那様は旅立ってしまいました。お散歩で車椅子に乗り、ベッドから離れていた時だったそうです。

葬儀に呼ばれました。
火葬場へ行って伯母は旦那様と最後の別れです。いざ火葬される直前、伯母は旦那様の棺桶に駆け寄り声をあげました。
無理もない。。本当に良い旦那様でした。

火葬が終了するまで2階の待合室へ上がった時です。
私は2度目の過呼吸を起こしました。
直ぐ隣にいた4男の伯父に倒れる直前に伝えられました。
「過呼吸」

私の心には負担が大きかったのです。
透析を拒否すれば2週間以内には死んでしまう、死といつでも隣り合わせで、いつでも崖っぷちな私です。
まだ若くもあり、精神科にも通っていて心を立て直し始めて、それほど年数も経ってなかった。

倒れ込む私を4男の伯父が
「過呼吸?!おいおいおい!!!」
咄嗟に助けてくれました。
伯父に抱き上げられ、座敷に降ろされました。
もちろん、耳は聞こえていても瞼も指も動かせない状態です。

私の涙が1粒流れ、それを伯母と思いますが、指ですくってくれました。
「生きているのよね?!」
伯母の声が聞こえました。伯母の悲しみの時間を掻き乱してしまいました。

どこがベテラン患者なのか。
自分の管理が全く出来ない私でした。




全てが聞こえているって、酷だよね。
局所麻酔の手術みたいだよね。
でも2度目で自分で分かって、伝えれて凄いよ。
守られてて幸せだね。

次の記事です▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?