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コレステロールの薬と男性更年期障害のジレンマ

◆薬のジレンマ

男性更年期障害はテストステロンというホルモンの低下が大きな原因です。
テストステロンは年齢やストレスによって低下しますが、
日ごろ飲んでいる薬の中に、テストステロンを減らすものがあります。

◆善玉コレステロールと悪玉コレステロール

コレステロールに善玉と悪玉があるのは有名です。
LDLコレステロールが悪玉、HDLコレステロールがが善玉です。

悪玉のLDLコレステロールが高いと、動脈硬化を起こし、
心筋梗塞や脳梗塞になる可能性が高くなります。
一方、善玉のHDLコレステロールは、
悪玉コレステロールをおさえる働きがあります。

肉や油をとりすぎると悪玉コレステロールが上がります。
また、運動によって善玉コレステロールが上がります。

善玉と悪玉の比が大切であり、悪玉/善玉が1.9以下が理想です。
肉や揚げ物は控えめにし、運動することによって適切なコレステロールを保ちましょう。

◆コレステロールもテストステロンも下げる薬

ここで問題なのは、コレステロールを下げる薬によって、テ
ストステロンが低下することがあることです。
テストステロンの原料はコレステロールなので、
コレステロールを下げる薬はもろ刃の剣と言えましょう。

コレステロールを下げる薬の「リポバス」と「リピトール」は、
テストステロン値を下げることが知られています。

テストステロンが少なくなると、悪玉コレステロールが増えるというパラドックスになります。
また、筋肉が減って内臓脂肪が増え、糖尿病になりやすくなります。

心筋梗塞や脳梗塞になりたくないため、コレステロールを下げる薬を飲むのですが、その結果、テストステロンが下がって、男性更年期障害になっては大変です。

コレステロールの薬を飲んでいる場合、男性更年期障害の症状である体重増加、性欲や朝立ちの低下に気をつけましょう。
主治医の先生に、遊離テストステロンの値を調べてもらうよう、
お願いするのもいいかもしれません。

くれぐれも、自己判断で薬を中止しないでください。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

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