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〔介護を学ぶ11〕身を削って稼いでくる父はスゴイ

◆超ポジティブシンキング

介護とは、「家族が幸せに向かって力を合わせる行為」と言えるでしょう。
親の介護は、お世話になった親に恩返しができる機会です

介護は確かに、「介護離職」「介護うつ」「介護殺人」などの暗い一面もあります。
決してきれいごとでは済まされないでしょう。
だからこそポジティブシンキング(前向き思考)が必要なのではないでしょうか。

経験上、薬を処方する時、「眠くなるかもしれません」と説明すると、
高率で眠くなります。
「よく効く薬です」と断言すると、予想以上によく効きます。
薬には暗い一面(副作用)と、明るい一面(効果)があり、
明るい側面に目を向けると健康になれます

介護についても同じことが言えるのではないでしょうか。
介護の目的は、「家族みんなが幸せになること」です。

「親への恩返し」というポジティブな側面に目を向けることで、
目的達成に近づけるのではないでしょうか。
(もちろん深刻な現実には、しっかりとした対策が必要です)

◆介護は恩返しの機会

私達は、これまで沢山の方々にお世話になってきました。
学校の先生、部活の監督、職場の先輩、取引先の人など。
それらの人のご恩に報いたいものです。

学校の先生には、「大学合格できました」「就職できました」と報告したいです。
部活の監督には試合に勝つことが恩返しでしょう。
職場の先輩や取引先の人に、お礼を言うことも大事でしょう。

それらの人と比べて、けた外れにご恩を受けているのが親であり、
その恩返しできる機会が介護です。
これ以上、大切で、素晴らしいことはないでしょう。

◆父の乳哺養育にゅうほよういくの恩

両親からどんなご恩を受けてきたのか、
数回にわたり古典に学んできました。
母からのご恩がクローズアップされ、
父からのご恩が陰になっているように思います。

今回は、父の乳哺養育にゅうほよういくの恩」にスポットを当てたいと思います。

「乳哺養育の恩」とは、乳を飲ませ、養い育ててくださるご恩のことです。
当然ながら、父からは乳は出ません。(シャレではありません)

父の乳哺養育とは、お金を稼いでくることではないでしょうか。
「社会に出れば7人の敵」と言われ、稼ぐことは並大抵ではありません。

昔の工場勤務は、労働環境が過酷でした。
夏は暑く、冬は寒い。
音はうるさく、化学物質が立ちこめる。
公害が社会問題になった時代、その工場は劣悪な環境だったでしょう。

母親が、自らの血液を母乳に換えて与えていたとするならば、
父親は、自らの健康と引き換えにお金を得て、
私たちに与えてくださった
ことになります。

私たちがツバメの赤ちゃんのように、「ピーッ、ピーッ」と家で泣いているものですから、父親は身を削って働き、養育してくださいました。
そのご恩あったなればこそ、すくすく育つことができたに違いありません。

◆お父さんはかわいそう

父親のかわいそうなところは、
その苦労が子どもに分かりづらいことでしょう。

父は職場で戦って、ボロボロになって帰宅します。
家では、明日の戦いに備えて体を休めているのですが、
ゴロゴロしているように見えます。
職場では、上司に「ハイッ」と従っている反動か、
母に当たり散らすこともあるでしょう。

父親にとっては、職場でのカッコいい場面は見てもらえず、
自宅でのoffの姿から、「だらしない」「わがまま」と評価されるのは、
不本意でしょう。

そんなところを補正してみれば、お母さんもスゴイけど、
お父さんもスゴイということに気づくのではないでしょうか。

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