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〔職業選択の目安〕“戦う”が好き?、“いやす”が向いている?

◆ゲットするとテストステロンは増える

テストステロンは獲物を捕ってくるホルモンです。

ニューギニアの男性が、獲物を探しに出かけ、
帰ってくるまでの唾液中のテストステロン値を調べました。

獲物をしとめたときと、獲物に逃げられたときのテストステロン値に、
大きな違いがありました。

獲物をゲットしたとき、テストステロン値は最高に上昇します。
その後、獲物を家に持ち帰るまで、テストステロン値は高いまま保たれています。

一方、獲物を捕り逃がした場合テストステロン値は下がり、
足取り重いまま帰路につきます。

原始時代、獲物を捕ってくるのは男性の役目だったのでしょう。
男性にテストステロンが多いことが、それを物語っています。

◆おもちゃの男女差

2~3歳のころから、男女で好きなおもちゃが異なってくるのも、
テストステロンの作用によると言われています。

男の子のおもちゃは、「正義の味方」と「怪獣」でしょう。
正義の味方が怪獣を倒すのです。
遊び方も激しく、正義の味方を怪獣にぶつけたり、怪獣をたたきつけたりと、おもちゃは傷だらけになります。
勝つか負けるかの勝負です。

一方、女の子は「お人形さん」や「ままごと」でしょう。
お人形さんをなでたり、かわいがったりと、
決して「勝ち負け」はありません。

◆スポーツの見方の男女差

テストステロンの影響は、大人になっても続きます。
男性は概してスポーツが好きです。
獲物を仕留めたとき、テストステロンがドバーッと出るように、
スポーツで勝ったときにもテストステロンが出ます。
スポーツニュースでも、ひいきの選手が活躍するとテストステロンがドバーッでしょう。

テニスでスマッシュが決まった! ドバーッ
相撲で豪快な上手投げ! ドバーッ
野球で、「打ったー、どうだー、入るかー、入ったー、ホームラン」 ドバーッ
サッカーで、「ミドルシュート、ヘディングシュート、ゴ~~ル」 ドバーッ

男性にとっての「カッコよさ」は、「勝つこと」であり、
「勝利の美学」でしょう。

一方、女性はスポーツの見方も異なります。
「〇〇選手は、目がかわいい」
女性にとっての「カッコよさ」は、「勝ったー」よりも「かわいい」ではないでしょうか。

◆商戦と福祉

テストステロンの影響は、職業にも表れています。
「ボーナス商戦」「クリスマス商戦」という言葉があるように、
商売は戦いです。

お金は有限なので、誰かが得をすると誰かが損をします。
ビジネスは取り合いの勝負と言えます。
勝つか負けるかの戦いとなると、テストステロンが物を言い、
男性が有利でしょう。

一方、福祉はどうでしょうか。
教育の目的は “人を育てる” です。
医療の目的は “病気を治す”
看護や介護の目的は “苦しみを和らげる” “悲しみをいやす” でしょう。

これらは人との勝負ではなく、勝ち負けはありません。
テストステロンの出番はなく、オキシトシンでしょうか。
看護師、介護士の9割は女性なのもうなずけます。

自分は“戦う”が好きな「テストステロンタイプ」なのか、
“いやす”が向いている「オキシトシンタイプ」なのか。
職業選択の1つの目安かもしれません。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

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