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【本】 不妊治療から養子縁組へ

すでに他の記事にあるように、私は体外受精・卵子提供を含む不妊治療を経て、現在は特別養子縁組の待機中です。

不妊治療をしているときに、私はわりと早い段階で養子についても頭の片隅に置いていましたが、夫のほうは、「養子は大変そうだから、そこまではどうかな」と乗り気ではなかったので、不妊治療中はあまり具体的に調べていたわけではありません。

実際に行動に移したのは、卵子の提供を受けての体外受精もうまくいかなくなってからでした。ただ、卵子提供を受ける前の段階でも、不妊治療をどこまでするのかは、常についてまわる悩みです。

受精卵がひとつしかできなく、繰り返される採卵サイクル。

そんな時に、読んでよかったと思った本が、不妊治療のやめどきという本で、タイトルからして、まさに私の悩みに対する回答がここにあるのでは、と思いました。この本では、不妊治療のやめどきを意識した時に考えを整理する助けになる視点を与えてくれるとともに、不妊治療を終えた人たちのその後のエピソードが紹介されています。ふたりで生きていくことを選んだ人、新しいキャリアに挑戦した人、夫婦で起業した人、そして、養子縁組でこどもをふたり迎えたエピソードも紹介されていました。

もし不妊治療を続けるうえで、同じような疑問を持ったら、ぜひ一度読んでみてほしいです

不妊治療をしていると、どうしても妊娠・出産する以外のゴールが見えづらくなります。私も不妊治療の担当医に、「親になるには他にも方法がある」と、自己卵子に拘らず卵子提供を受けることを提案されてはじめて、卵子提供に限らず、代理母出産、特別養子縁組など、さまざまの選択肢があることがおぼろげに見えてきました。

10歳ほど離れた義兄夫婦もこどもがいない生活で楽しくやっているのを見ており、ふたりで生きていく身近なモデルはあったものの、自分ごととしてはまだ考えられていません。

卵子提供を受けて不妊治療を続けることにしたものの、私は同時に他の選択肢についても情報収集を始めました。この段階では夫と膝を突き合わせて話す、というよりも、一応知っておきたい、くらいのモチベーション。

卵子提供の他に代理母出産も、高度な生殖医療として挙がると思いますが、私たちの場合は、そもそも受精卵採卵できないという問題があったので、詳しくは情報収集しませんでした。
なので、私が積極的に考えたのは、ふたりだけで生きていくならどんな生活ができるかということと、特別養子縁組についてでした。

特別養子縁組については私は何も知らなかったので、まずは日本語でいろいろ本を読むところから始めたので紹介したいと思います。

体験談としては、例えばエッセイ漫画として軽いタッチで読める『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』(その前段階として、『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』という本も出ています)や、『産めないけれど育てたい。 不妊からの特別養子縁組』は、体験談を中心にとてもよく纏まっていて、妻と夫の両サイドから心情面が追体験できました。

他にも、『産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ』は、複数の体験談を紹介するとともに特別養子縁組の基礎知識や具体的なプロセスを整理してくれています。私自身はフランス在住なので、参考程度に手に取りましたが、養子を迎えた後のこともカバーしてくれているのが、養子に対する不安を和らげてくれたように感じました。

ここらへんまでは、全て具体的に特別養子縁組を検討する前に、不妊治療と並行して読んでいたものです。

一番最近では、元アナウンサーの久保田智子さんという方が、ニューズウェーク日本版 12/22号特集 ルポ特別養子縁組で、取材を受けているのを拝見しました。私がそうであったように多くの人にとっては、養子縁組制度が身近なものでないことが、不妊治療のほかの選択肢を難しくしているとことのひとつの要因のような気がするので、こうやってメディアで注目をされるのはとても喜ばしいことなぁと思います。私は養子は待機中でまだ道半ばなわけですが、もっと当たり前の選択肢になればいいのにな、という気持ちでこのnoteを書いている次第です。

他にも不妊治療・養子縁組にまつわる本・映画を、また紹介していきたいと思います。

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