公開レッスン｜繊細な花も「ワザ」次第【ダリア×ウェディングフラワーデザイナー 岩橋美佳】

プロのフラワーアーティストが提案するアレンジ方法を無料で公開中。

楽しい気持ちばかりでいられない このご時世ですが、新しい年度のはじまりにぴったりの、明るく華やかな「ダリア」のアレンジ方法をご紹介します。
飾り方を教えてくれるのは、ウェディングフラワーデザイナーの岩橋美佳さん。丁寧な解説とポイントは必見です。

◆小瓶を使うことで、繊細な花でも何度でも挿し直し、活け直しができます。花はいじると元気がなくなるので、初心者ほど、花ではなく茎か小瓶を動かす気持ちで。

◆コンパクタやスプレーバラのような枝わかれしているものは、全体をよく見てカットする箇所を決めましょう。
細かく分けすぎず、なるべく大きなまま使うほうが簡単できれいです。花という、命の咲きいでる勢いを生ける気持ちで。

◆一部分だけを作り込まず、必ず全体を同時に仕上げていきましょう。
一部だけかっこよくても全体が仕上がらなければだめです。
仕上がった段階で、器と花がよりそっていることがポイントです。

使用花材
ダリア、スプレーバラ、ビバーナムコンパクタ、スモークグラス

使用道具
アイアンバスケット、グラス、花バサミ

アイアンバスケットとグラスを使ったアレンジメント
アイアンバスケットとグラスいくつかを用意します。
バスケットとガラスの高さがだいたい同じになるならなんでも。
ジャムや牛乳瓶、キャンドルグラスなど、種類がバラバラでもOKです。
ただし、口が細めの瓶をたくさんいれるほうが、花がとまりやすいです。
このアイアン籠は100円ショップで購入しました。
花をいれながらグラスの位置を動かせて、中で倒れない程度に隙間をあけておいてください。これで花を傷めることなく、好きな位置に花を配置することができます。

ビバーナムコンパクタは、全体をよく見て切り分ける位置を考えます。
1本ずつ太い茎から切り取ってしまわず、房ごと使うほうが良いです。
ちまちまいれるより、房をどかんといれることで樹勢を生かせるので、楽な上にうまくいきます。
バスケットのど真ん中より、少し右か左のほうが、バランスが取りやすいです。長いコンパクタは最後の微調整用に残しておきます。

ダリアのような花弁が柔らかく傷つきやすい花は、なるべく花に触らないようにしましょう。コンパクタの広がる枝や葉に乗せるように配置していきます。
花顔をよく見て、花と花がそっぽ向かないように。花をいじりすぎず、ガラス瓶をずらすことで、良さそうな位置を見つけます。
もし迷ったら、ダリアはとりあえず2輪にしておくと良いです。メインの2輪がかっこよく決まってないと全体が決まりません。3輪あるなら2輪の位置を先に決めてしまうとスムーズです。
ダリアは水落ちしやすい花なので、葉は外して花だけでいけるほうがおすすめです。

スプレーバラも、コンパクタ同様、上側の広がっている数輪がついている茎部分をそのまま入れます。
細かく分けすぎないのは、すべてに共通するポイント。
1本ずつ自分で頑張って組み立てるよりも、花顔をよく見て、樹勢をよく見て、花がもともと持っているその勢いを生かす気持ちで。
花という物質を生けるのではなく、生命力を活ける！全体の方向が決まったら、微調整として、残ったバラやダリア、コンパクタを足します。
ここで真上から＆横から見るのがコツ。
一部分だけを作り込まず、全体を仕上げていきます。

最後にスモークグラスをそっと、風をふくませるような気持ちで挿し足します。スモークグラスは花ではなく風をいけるもの。
コンパクタの葉が、ダリアにかぶさりすぎるところを間引いたり、向きを変えたりして完成。
全体に透明感が欲しいので、全体を埋めなくて大丈夫。どの器でも共通することですが、花が少し器の縁にかかっているほうが花と器との一体感を演出しやすいです。

春にいけるならこの花を
今回使用したグリーンや実ものは、夏に向けて流通量が増え、旬を迎えるものです。春の花材で置き換えるなら、hanaikeスタッフのおすすめは
グリーン：麦、レースフラワー、タラスピ
実物：ブプレリウム、マトリカリア、ライラック　など。
春は実物より草花系が豊富です。今の季節の、旬の花材に置き換えて飾ってみてください。

creator
岩橋 美佳 @bouquet_ichie
ウェディングフラワーデザイナー
「一会カルペ ディエム」主宰
works
都内各所での花店修行を経て、2000年夏「一会 カルペ ディエム」として独立。「たった一日の花、だけど一生記憶に残る花を」をコンセプトにオーダーメイドのブライダルフラワーを丁寧に作り続けている。
IFEX国際フラワーEXPO 幕張 2008～2010 南原農園ブースデザイン、
銀座三越「はなばな祭」展示、YUMI KATSURAドレスカタログに作品掲載 など実績多数。
media
「花時間」（エンターブレイン）
「MISS Wedding」（世界文化社）
「CLASSY.WEDDING」（光文社）
「ゼクシィ首都圏版」（リクルートホールディングス）
「花時間Wedding」
「人気の花別ウエディングブーケ247」　ほか雑誌掲載実績多数