【NEXT SELECK】次はどの企業?! SELECKが注目するスタートアップの事例4選
こんにちは! SELECK編集長のやまもと(@hanahanayaman)です。今週末は4連休なんですね〜みなさま何かご予定ありますでしょうか。わたしはまったりできる場所で諸々のインプットをしようかな〜と思っています📖
さて、本日の編集部noteでは、「SELECKが注目するスタートアップの事例特集」をお届けしようと思います!パチパチパチ👏
先週公開した、こちらのドクターズプライムさんの記事。
こちらは、実は私が「スタートアップに取材したい」とツイートしたことがきっかけで実現したものです。(このツイートで。)
本当に多くのスタートアップの方々からお声がけいただき、気になった企業10社ほどにヒアリングさせていただきました。結果として、1社だけ取材したのですが、他にもすばらしい取り組みがたくさんあったんですね。
スタートアップに限らず取材判断で難しいのが、取り組みの一部はすごく参考になるんだけれど、再現性と先進性の観点で全体感を考慮すると、ちょっと物足りないかなという事例。泣く泣く見送るのですが、本当は伝えたい。
そんなジレンマをいつも持ち合わせているので、今回は特別に、SELECKには掲載できなかったけれど、読者のみなさまにぜひお伝えしたいスタートアップ各社の取り組みを、本noteでご紹介させていただきます!
▼今回ご紹介させていただく4社の事例(※掲載許可いただいております)
1. カミナシ(現場の力を最大化する現場管理アプリ)
→スタートアップにおける市場選定。4象限の考え方が参考になります
2. NOW ROOM(空き部屋と借り主をマッチングする賃貸アプリ)
→初期の熱狂的なユーザーをどう集めるか。自社アセットを活かす視点が参考になります
3. ケアミー(生理管理アプリ)
→Twitterでのセルフブランディング、マーケット調査が参考になります
4. HeaR(CXを最大化する採用支援サービス)
→戦略的なTwitter運用とナレッジシェアの工夫が参考になります
市場選定から、マーケ、ブランディング、サービス開発まで、スタートアップならではの工夫がたくさんありました。
どの取り組みも、限定的なリソースをうまく活かした参考にしやすい事例だと思いますので、スタートアップ界隈のみなさま、ぜひご覧ください!
1. カミナシ「スタートアップにおける市場選定の仕方」
最初にご紹介するのは、ノンデスクワーカーの業務を効率化する、現場管理アプリ「カミナシ」を提供するカミナシ社です。
スタートアップで最初の難関といえる「市場選定」。どの市場を選定し、どのような事業アイデアをもって戦っていくか? は非常に難しい課題だと思います。
元々、食品工場を効率化するSaaSを展開していた同社。市場にはたしかなペインがあり、シード調達も実行。しかし「市場規模の小ささ」という問題に直面し、サービス運営3年にしてピボットを決意しました。
その経験から、課題の難易度とプロダクトの価格で4象限にわけたときに、スタートアップが参入しやすい市場は以下の①②だとわかったそうです。
上図に基づくと、以前のプロダクトは「課題が難しく、値段も高い」という③の象限からエントリーしてしまったために、失敗したといいます。
というのも、値段に見合う難しい課題を解決するためには、技術的にかなり高度なプロダクトが必要であり、それをシードのスタートアップで開発するのが困難だったそうです。
ここでの気づきとして、最初から狙っていない場合には、初期のスタートアップは「解決しやすい課題」から入った方が成功しやすいということ。
「誰もが思いつくようなアイデアは良いアイデアではない」というスタートアップの通説もありますが、必ずしもそうではない。むしろ、市場規模が十分にあって、誰しもがペインを抱えているところに参入していく方が、初期のスタートアップは成功しやすいとのことでした。
▼詳しくは諸岡さんのnoteをぜひご覧ください
負け続けた3年間。最後のチャンスで生まれた「カミナシ」というプロダクト
カミナシは、2020年6月22日に正式ローンチして以来、全国チェーンを展開するような大企業にも続々と導入が決まっています。今後も注目のスタートアップです。
2. NOW ROOM「自社アセットを活かした初期ユーザーの集め方」
次は、初期費用ゼロ・5秒で家が見つかる賃貸アプリ「NOW ROOM」を展開する、NOW ROOM社の事例。
NOW ROOMは、ホテルやシェアハウス、マンスリーマンションなどの空き部屋を、初期費用ゼロで個人に貸し出すというマッチングサービスです。2020年5月半ばに正式ローンチし、4ヶ月でユーザー数12,000人以上に拡大しています。
そんな同社で参考になる事例が、自社のアセットを活用して、初期ユーザーを獲得する方法。
toCプロダクトでは、よくサービスに熱狂する最初の1,000人をいかに集めるかが大切だと言われます。(※海外toCスタートアップの参考記事はこちら)
同社では、最初からスケールすることをしないという考えのもと、自社のアセットを活用してユーザーを集めたといいます。
具体的には、自社運営のシェアハウスを無料で開放し、Twitterで告知。
そこに集まる人たちに向けてNOW ROOMのビジョンや想いを伝えることで、ファンを増やし、濃いコミュニティを形成したそうです。
(※新型コロナ流行以前の話です)
さらに口コミ、SNSで拡散していき、コミュニティで得たフィードバックをもとにプロダクトの機能をブラッシュアップしているといいます。
▼詳しくは、同社CVO北野さんのnoteをぜひご覧ください
お家(うち)マーケティングとバイブスの関係性
現在は、オンラインイベントを継続的に開催することで熱量を維持しているとのこと。いまだ勝者の現れない不動産テック市場。今後が注目されます。
3. ケアミー「Twitterを超活用するユーザーヒアリング」
続いては、生理管理アプリ「ケアミー」を展開するヘルスアンドライツ社の事例をご紹介。
いわゆる「FemTech(フェムテック)」と呼ばれる市場で、ユーザーが自ら手を挙げづらい領域のマーケット調査をいかに進めたのか。
元々、不妊治療アプリを展開していた同社。代表の吉川さんは、潜在ユーザーにアプローチする手段として、まず「自分が応援したくなる人になろう」と決め、不妊治療の情報をTwitterでつぶやき始めたといいます。
当時、専門家からの発信はあったものの、専門用語がわかりづらかったため、それをわかりやすく言い換えて発信することでTwitter上のセルフブランディングを進めていったそうです。
また、ツイートを試行錯誤するなかでわかったのが、「FKSM(フクシマ)」の内容をバランスよく発信するとフォロワーが伸びるということ。
F:Funny(ファニーな感じで人柄をだす)
K:Knowledge(わかりやすい言葉でナレッジを共有)
S:Sympathy(共感を呼ぶつぶやき)
M:Message(社会はこうあるべきというメッセージ)
これを積み重ねて再現性をもったバズを生むことで、応援してくれる人が増え、メディア露出を獲得することができたといいます。
2020年に生理管理アプリにピボットした後、新しい層のフォロワーを増やす必要があったものの、同じ手法でターゲット層のフォロワーを獲得。現在は、1.2万フォロワーを抱えるTwitterアカウントに育っています。
さらにマーケット調査では、Twitterのアンケート機能を活用。1投稿あたり500〜1,000ほどの回答を得られ、外部の調査機関を使わずともおおよそのマーケット感を掴むことができているそうです。
また、ユーザーインタビューについても、募集すると1投稿あたり10名くらいの協力者が集まるとのこと。
Twitterをハックして、うまく事業に生かしている事例だなと思いました。フェムテックは個人的にも関心が高い領域なので、今後が楽しみです。
4. HeaR「本気のTwitter運用による採用ブランディング」
最後にご紹介するのは、採用のCX(候補者体験)を最大化する、採用支援サービス「HeaR」を展開するHeaR社の事例です。
こちらもTwitterの活用事例なのですが、全社員9名がTwitterを運用、総フォロワー数なんと4万超。採用の半数がTwitter経由という同社。
「あ、Twitterで見たことある」という方も多いのではないでしょうか。
その運用法が、かなりガチです(笑)。Twitter運用の取材をすると、強制しないとか個々人に任せるといった話が多かったりしますが、HeaRさんの場合は、全員でやる。社内でナレッジを共有する。ツイートを分析し、定例MTGで話し合う。といった運用の徹底がすごい…!
▼実際の分析シートを見せていただきました。
スプレッドシートには、以下の項目を記入し、どのようなツイートが求められているのか徹底的に分析しているそうです。
ツイートの日時
ツイートの内容
カテゴリ(人事ネタ、自分の話、Twitterの話etc.)
リツイート数
いいね数
インプレッション
エンゲージメント
プロフィールクリック数
エンゲージメント/インプレッション
プロフィールクリック数/エンゲージメント
つぶやき時のフォロワー数
また社内のナレッジ共有のため、Twitterの原理原則を学べる「Twitter研修」を実施したり、新しくTwitterを始めるメンバーには20項目にわたるフォロワーペルソナや、自身のポジショニングの設定などをサポート。
さらにSlackでTwitterの投稿が流れる専用チャンネルを設けることで、他メンバーに拡散を促したり、ときには「このツイートはちょっとよくないかも?」などのリスクチェックも行っているといいます。
▼詳しくは、同社人事の田島さんのnoteをぜひご覧ください
7人で総フォロワー数3万人超、スタートアップのSNS戦略
人材の流動性が高まる時代において、CX(候補者体験)の向上は採用における重要テーマのひとつだと思います。田島さんのnoteはノウハウに溢れていますので、ぜひチェックしてみてください。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 自社にも参考になる部分があれば、ぜひ取り入れてみてくださいね!
SELECKでは引き続き、スタートアップの事例も取材していきたいと思っています。我こそは!という方々、ぜひお気軽にお声がけください。
▼さらっといいので、取材基準にお目通しいただけると嬉しいです
現場のナレッジシェアを進めて、スタートアップ界隈がもっと盛り上がるといいなーと思っております!では今日はこの辺で。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!