7人で総フォロワー数3万人超、スタートアップのSNS戦略
こんにちは、HeaR株式会社人事・広報の田島彩名です。まず結論から言います。
Twitterやりましょう。
自社プロダクトの名を世に轟かせたい? いいものを作っているのに知ってもらえない? 社長として有名になりたい? 営業先で「なんだこいつ、何この会社」って顔されたくない? お金をかけずに採用したい?
Twitterやりましょう。
(ちなみにこのnoteは、Twitter始めたいけどやりかたがわからない方、社内の理解を得られなくて泣いている方にも読んでいただきたいです。このnoteを社内のキーパーソンに読んでもらえば、会社でTwitterやるか!ってなること、間違いなし?)
突然ですが、弊社HeaRでは社員全員でTwitterを頑張っています。現在社員は業務委託の2名を入れて7名。総フォロワー数は6月末時点でおよそ3.5万人。
▼先月の締め会の時につくったスライドです。
よく社内でも話題になるのですが、「HeaRの強みは発信力・マーケ力」です。多くのスタートアップが、”いいプロダクトを作ったのになかなか届かない”と悩んでいる中で、HeaRは結構エンゲージメントも高い状態を保ったまま新規サービスなどのリリースを行えています。そしてその力の根源がTwiitter。
今回は、Twitterをみんなで頑張ることで生じた変化(2020年7月版)と社内を巻き込む運用ノウハウについてお話しします。
HeaRがTwitterに力を入れた理由
HeaRは、正社員全員がTwitterのアカウントを持っており、頻度の差はあれど全員が情報発信と共有のために利用しています。
元々の目標は、スタートアップ企業の一般的な弱みである「認知」の部分を強化するため。それが回り回って、マーケティングや採用、ひいては営業の役に立っています。
……というのは結果論。実は、最初は運用の方法は目標がいまいちわからず、なんとなくアカウントは作ったものの低迷していました。
HeaRが本格的にTwitterを運用し始めたのは今年の1月、まさにこのnoteの筆者であるわたしが入社してからです。私、田島彩名のアカウントは1月の入社時点でフォロワーおおよそ4500人。そこから、「HeaRに入社しました!」とお伝えしたことでHeaRの認知度は一気に拡大。
それまで用意していたコンテンツと相まって、リード獲得量は爆増しました。この時私やHeaRのメンバーはTwitterによる認知拡大に可能性を感じ、真面目にTwitterを運用する運びとなりました。
ここからは、3万フォロワーに至ったHeaRに起きた良い変化を、採用・営業/マーケ、PR/ブランディング、番外編に分けてお伝えします。
--------ここから本編です---------
採用編:コストゼロで最高の人材が来てくれた
HeaRはとても小さい組織です。コロナの影響もあり採用は完全にストップしていましたが、6月ごろから採用活動を再開。先日までに、2名の方から内定承諾をいただき、他2名ほどが採用の最終過程まで進んでいただいています。
驚くべきことに、この3名の内、2名はTwitter経由で出会った候補者さんです。もっと驚くべきは、Twitter経由で出会い、HeaRで働きたい!といってくださった候補者さん全員に内定を出すことができています。
(※ちなみに、わたしもHeaRのことをTwitterで見つけて入社。弊社の安部もなので、今内定が出ている人を含めるとHeaRのメンバーの50%がTwitterがきっかけになります。すごい!)
スタートアップによくある採用の壁は、「初期はスタートアップだ!なんでもできる!という惹きつけができて人気があったものの、少し事業規模が大きくなり事業内容が確定してきてから、採用に苦戦するようになった」というもの。
実際に弊社にもよく寄せられる相談であり、弊社もまたその悩みに直面していました。あたりまえですが、
・スキル
・カルチャーマッチ
・人柄
採用ではどれも大切。だからこそ、HeaRはTwitterで我々の「採用コンセプト」を死ぬほど伝えました。キーワードは二つ、「愛」「青春」。冷静になると赤面しちゃうくらい、HeaRのメンバーはTwitterで「愛愛愛愛愛愛愛」「青春青春青春青春青春青春」と言っています。
結果、Twitter経由で応募してくれた人たちのほとんどが、「HeaR=愛!青春!」が刷り込まれた状態で来てくれることに。最高です。
Twitter採用を実際やってみて、よかったポイントが以下の点でした。
・とにかくすでにHeaRの事業やメンバーのカラーを理解した上で選考に臨んでくれる
・採用コストがゼロ円
・Twitter上の発信内容で、お互いに(候補者さんからも、HeaRからも)どんなことをしているのか、どんな思想なのか、コミュニケーションスタイルはどうなのかがわかる
Twitterで採用するためにHeaRが仕掛けた戦略を箇条書きでまとめます。
・会社の雰囲気をTwitter上に移植する
テンション、キャラクターなどは飾りすぎず格好をつけない。会社での日々や写真なども多く投稿し、候補者にとって「イメージのつけやすい」職場にする。
・徹底して採用コンセプトを訴求する
「働くって青春だ」が採用コンセプトなので、とにかく全員の名前やツイートに青春を入れました。HeaRはHR系企業ですが、「HRの会社」で想起集合を取るのは難しい(すでにビジョナルさんやリクルートさんには勝てないので……)。その代わり、「青春」と聞いたら「HeaR」を思い出してもらえるように戦略的に仕掛けています。
・採用広報記事は、あえてカジュアルにnoteで
Twitterが基盤としてしっかりして、採用コンセプトががっつり固まっていれば、採用要件などを細かく書いた記事でなくても「いい会社だなあ」「働いてみたいなあ」と思ってくれた人を惹きつけられます。カジュアルなコンテンツでもいいのでたくさん出しましょう。
・中長期的な採用を見据えてコミュニケーション
「今は転職は考えてないけど……」という人もTwitterにはたくさんいます、というかTwitterでイケイケの楽しそうな人はバリバリ現職なので、すぐに転職する可能性は低いです。でも、来て欲しい!合いそう!という人には積極的に声をかけあって話していました。結果、運用後半年で2名の採用。喜ばしい!
より詳細なTwitter採用ノウハウは、こちらの資料でご覧いただけます。200名以上が参加したウェビナーの資料をみやすく改変したものです。Twitterを伸ばしたい方はお気軽にご覧ください。
営業/マーケ編:リード数16倍、アポ獲得単価1/4以下になった
Twitterに力を入れ始めた1月。HeaRの月間リード獲得数は前月比約4.5倍になりました。ちなみにこの時点で、HeaRの平均アポイントメント獲得単価は2,943円。テレアポ代行の会社に頼むと、どんなに安くても5,000円〜、10,000円以上もざらにあるので、これは異常に安いことになります。相場の半額から1/4以下。
ちなみにこれはあくまで今年1月の成果。今はさらにリード獲得数は伸び、一時800件/月を超えるほどに。(このコロナ禍の中、すごい……)現在も安定的に、500以上のリードを毎月獲得しています。
もっと言うと、弊社のリード獲得単価は300円を切っています。これがいかにとんでもないことなのかは、すこしでもマーケティングや広告をかじったことのある方にはきっとおわかりいただけるはず……。そう、驚異的なのです。※日本企業の平均的なリード獲得単価は8,000円〜10,000円と言われています。(展示会や広告などなど。業態によっても様々ですが、あくまでも平均)
※もちろんこれらはTwitterの成果だけでなく、弊社のマーケター、半田氏による怒涛のコンテンツライティングのおかげが大きいところです……。一方、Twitterという拡散経路があったからこそ、1月で60本以上のコンテンツをリリースするという”鬼の勢い”に加速がついたのも事実。
Twitterと掛け合わせる形で、弊社ではこんなことをしました。
・コンテンツライティング
先ほども書いたように、毎日記事を更新しました。新しい資料を作りプレスリリースも最低週2回。ホワイトペーパーなども量産し、マンパワーを駆使した先の拡散ツールとしてTwitterを活用しました。
・ウェビナーとハッシュタグの活用
HeaRでは月に3-4回のペースでウェビナーをやっています。参加者さんには #HeaRoom というハッシュタグ活用を促し、その後の弊社のメンバーや参加者同士の交流を作りました。
・Twitter-DMでのアプローチ
今では多くの企業が行なっているアプローチ方法ですが、TwitterのDMで相互フォロワーの方にサービスやWPのご案内を送りました。ちなみに、Twitter経由で出会いご縁のあった会社さんは数知れず……本当に本当にお世話になっています。当たり前ですが、「Twitterでちょっと知ってるHeaRさん」になれたからこそ、高い成約率を誇れたんだと思います。
あとはシンプルに、営業担当が「反応が違う」と話していたのを思い出しました。スタートアップや無名企業の営業は「誰こいつ? 何この会社?」という反応をされがちですが、「ああ、今ちょっと勢いあるHeaRさんね」と思ってもらえるようになったという思わぬ副産物もあったようです。
ちなみに、HeaRではTwitterやnoteを活用したマーケティング支援、ブランディング支援なども行なっています。ちょっとお話聞きに来ませんか?
ブランディング/PR編:念願の紙媒体取材獲得、社長や社員のブランディングにつながった
スタートアップのPRはすごく難しいです。実績がない→取り上げてもらえない→問い合わせ増えない→実績増えない→……。負のスパイラル。Twitterで一定の拡散力を持ち、ひとつひとつのリリースやnoteコンテンツに注目が集まるようになってから、取材や共同ウェビナー/リリースの申し込みなどが格段に増えました。
▼本当に嬉しかったんです……
おかげさまで、昨年ほぼゼロ件だった会社への取材は、今年に入ってから10件以上。普通であれば何十万もかけて出していくような記事やコンテンツ、さらには紙媒体への取材を複数獲得しました。
そしてこれは体感なのですが……プレスリリースが取り上げられやすくなって来ている。明らかに。
私がプレスリリースをピックアップする側なら、「よく知らない会社」よりも、「なんか勢いのありそうな会社」を選びます。Twitterでの認知度向上の結果、一本のプレスリリースの効果がものすごく増えました。
一時期、マンパワーで新作資料を作り、月に10本以上のプレスを出していた弊社ですが、現在はその時と同等かそれ以上のリードや取材を、月3本程度のプレスリリースでまかなえています。
さらに、社長・社員個人への取材も爆増。とくにアカウントとして影響力の大きい社員から、漫画になったり取材を受けたり、いろいろな良い効果がありました。
まだTwitter、はじめない?
色々な方から相談を受けます。
「私(広報担当/人事担当)はTwitterやりたいんですけど、周りが乗り気じゃなくて」「社長が理解を示してくれなくて……」「どうやって巻き込んだらいいんでしょうか?」
正直HeaRにとっては、Twitterをやらずにここまで事業を成長させるのは不可能でした。なので、なぜやらないのかわからない……という感じです。一方で、コンプライアンスの問題やTwitterでの炎上に対する恐怖心から、気軽に始められないという方が多いのもわかります。
HeaRがTwitterを炎上させないため、よりよいSNS戦略を描くために心掛けていることを列挙します。
・炎上さしすせそは徹底的に避ける
ウェビナー資料より抜粋。炎上さしすせそとは、SNSエキスパート協会さんが定める「炎上しやすい話題」です。これらはとにかく社内の人がつぶやかないように徹底しています。あとは不謹慎ネタ、出所のわからないデマ情報。それらも基本は呟きません。
・ネガティブな内容はつぶやかない
企業としてのTwitterをやる以上、基本的にネガティブな発言はしません。それも社内のルールです。
いろいろありますが、とにかくこの二点は徹底。おかための企業さんなら、社内レギュレーション(呟いてはいけないことを決めたもの)を作成して社内で周知するのも良い方法です。
もしここまでやってもダメだったら、ぜひ上長の方・社長さんにこのnoteを見せてください。それでもダメなら……HeaRにご相談ください。めちゃくちゃ説得しに行きます。
ちょっと宣伝
Twitter運用ノウハウがまとまってますよ!
以上、少人数のスタートアップの全てを変えてくれたTwitterの活用方法でした。HeaRと一緒にお仕事したい!という方はぜひHPのお問い合わせからご連絡ください!
スタートアップでがんばっております。ぜひ翼をさずけてください。