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2021年春 最近のこと

久しぶりの投稿です。

立春も過ぎ、寒暖差のある日々が続きますがいかがお過ごしですか?
実は今年に入って、私の母に肺癌が見つかりまして色々と非日常な試練がやってきていました。

持病の腰痛はあったものの、検診ではいつもパーフェクトなのを自慢するような元気な母(78歳)でしたので、聞かされた時はとてもショックで心配する日々でした。

昨年12月、母の体調に異変があり、年末に最初の病院にかかったのですが、ここではわからないと言われ、その後大きな病院で検査検査の日々でした。
毎年恒例の1月の講座の仕事を終えて少したった頃、はっきりしたことがわかりそこからあっという間に入院、そして手術となりました。
医師から珍しい種類の癌で難しい手術になるということを聞き、とても心配していたのですが、おかげさまで手術は無事に終わり、今は退院してきて自宅療養しています。

自分も40代に入ったので、親が年をとることは仕方のないことですが、
83歳の父が78歳の母に付き添う日々となりとても心配でした。
父も自己管理がしっかりできた人で、年齢の割にとても健康ですが、
さすがに今回のことで弱音もあり、家族の一致団結が必要な試練でした。

一昨年、主人の母が肺癌の手術をしたのですが、色々生活がこれまで通りにいかなくなり、主人が完全テレワークになったことをきっかけに、昨年夏に小田原へ引っ越してきました。

わたしの両親は高齢にも関わらずとても元気でしたし、千葉と小田原はそんなに遠くないと思って安心していたのですが、83歳の父ひとりで術後の母をみるのは負担も大きいです。
手術の日が決まった時、電話で「仕事で忙しいと思うけど、当日は一緒に立ち会って」と頼まれ、「あたりまえだよ、行くよ!」と言いました。
そのため、1月から入退院や手術の立ち会いのため、千葉と小田原を行ったり来たりする日々でした。

父は母と一緒になってからは家事をほとんどしないでこれまで生きてきたので、入院の前には毎日やる家事や台所まわりのこと、掃除・洗濯などを母から教わり、一人で家をまわすことになりました。

さすがに心細かったと思います。元気とはいえ83歳ですからね。
そのため、母が入院して不在の2月初旬の週末に、家事を手伝おうと主人と千葉の実家へ泊まりに行きました。
でも、父はほとんど全てひとりで完璧にこなし、洗濯も皿洗いも汚れたらすぐに洗い、夕食まで用意してもてなしてくれました。
(買ってきたお寿司などです。父は料理ができないので…)

翌日の朝ごはんも主人のためにご飯を炊いて用意してくれ、自分のご飯のついでだからとコレが美味しい、あれも食べてね、と主人に声をかけてくれて…。
「ご飯を炊いたら失敗しちゃって、水を間違えたのか固くて仕方ないからチンして食べた」と笑って言ってましたがその日は「今度は大丈夫だ」と力強く言いました。
炊飯器でご飯を炊くのをどうやったら失敗するのか。。と心の中でツッコミを入れていましたが、精一杯やってる様子が見えまして。
はじめて一人暮らしをした大学生がはじめて家に友達を迎え入れる時のようでちょっと微笑ましく、また泣けました。

母の不在の間、ほぼ毎日電話をしました。
手術の日は私も朝から立ち会い、病院の最上階の食堂でひたすらに時間が過ぎるのを待ちました。
ぐるりと窓から広い空が広がり、遠くに富士山が見え、午後いっぱい父とたくさんのことを話しました。
小田原で見る大きな富士山が、夕焼けの中「今日はやけに小さく見えるな」となんとなく思っていました。

その後、医師から「無事に終わりました」と連絡がきた時の安堵と言ったら。
大きな手術を終えて気丈に振る舞う母でしたが、経過も順調で無事退院してきました。

金曜の退院だったので家まで送り届け、その日は実家に泊まりましたが、
父が「この2週間、お母さんに頼まれたことは毎日全部やったし自分なりによくやったと思う」と言った時、思わずホロリとしてしまいました。

今年に入ってすぐ、こんなふうになるとは想像もしていませんでしたが、親も高齢で色々考えなくてはいけないことがあるのはしかたないですね。
あたらしい風の時代に向けて、家族にとって何か古いものの毒だしがあったのだと思います。
わたしにとっても初めてのこと、そして非日常の慌ただしい中で色々と考えさせられる出来事でした。

母は今回思った以上に気丈で、普段気弱なこともよく言うのですが、今回はそばにいるこちらが喝を入れられるようでした。
手術当日も大変に落ち着いていました。
人は本当にピンチになった時、ものすごいパワーがでるものなのかもしれないと。
そして生き方を考えさせられるきっかけになったと言っていました。
「ピンチはチャンスだと思うから、色々間違っていたところを見直して、身体に感謝していこうと思う」と。

いやー、母ってすごい。
わたしも今回のことをきっかけに、色々見直すことに気がつきました。
そして当たり前にあるものに感謝していこうと改めて思いました。

今年は自分とより向き合って時間を大切にしたいと思います。

良い春の日をお過ごしください。


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