【ゲーム】「リンダキューブアゲイン」について
まず初めに何について書こうか思案した結果、直近に触れたものを書くことにした。消化した作品の熱がまだ残っているうちに書いた方が言葉も出やすいと思ったからだ。(最近クリアしたゲームが最近発売したものではないのだが…)
「リンダキューブアゲイン」
ジャンル:RPG
機種:初代プレステ
開発:アルファ・システム / MARS
元はPCエンジンで発売された「リンダキューブ」を移植したのが「リンダキューブアゲイン」である。
「俺の屍を越えてゆけ」で有名な桝田省治氏が関わっている。
内容がアレなので今だとR指定を受ける気がする。
クリア時間は40~50時間。
へんなゲームだ
まず説明書が変だ。
どのページにも(おそらく桝田氏による)落書きがしてある。
これを見られるのは実物を持ってる人の特権なので気になる人は買ってほしい。
目的は動物を集めること。ポケモンみたいに。
シナリオがABCの3つあり、最初にどれをプレイするか選ぶことになる。
それにより50種集めるだとか、100種集めるだとかの目標が提示される。
この動物の見た目がどれもおかしい。地球の動物ではないから当然なのだろう。
イヌやブタなどはまだ分かるが、それホントにウサギか?と目を疑う動物が山ほど出てくる。気持ち悪い動物も結構いる。
だがこの味のあるグラフィックがクセになってくる。
おおまかなストーリー
「もうすぐ星に隕石が降ってくるので箱船に動物を乗せて避難しよう」
というもの。これは3つ全てに共通する。
ただ、この箱船とヒロインのリンダ(CV:高山みなみ!!)を巡るストーリーがABCで違うのだ。
登場人物は同じだが微妙に設定が異なっていたりする。これはパラレルワールドのようなもので、限りあるリソースを上手く使った手法だと思う。
プレイヤーも新しい登場人物などを覚え直さなくて良いので双方にメリットがある。
ただ、ストーリーが割と陰惨なので、耐性のない人は覚悟した方がいい。
リンダは傍若無人だが、結構かわいそうな事になる。
動物を集める手段は問わない
通常は戦闘で倒して集めるのだが、別に戦わなくても罠にかけたり、店で買ったり、他のハンターに捕ってきてもらってもいい。
この自由度が結構楽しい。
余った動物は売ったり、食料にしたり、装備に加工したり、猟犬として調教してもいい。
また、初っ端から世界の果てまで行ける。ラストダンジョンというものは存在しないが、いきなり過酷な環境に身を投じる事もできる。
とにかくプレイヤーに提示される選択肢が多いのだ。
僕はハンター代行を利用しまくった。年2回しか戻ってこないがとにかく楽で好きだった。
前置きは以上。ここからネタバレを含むのでプレイする予定のある人はブラウザバックしてほしい。
どこに惹かれるのか?
とにかくストーリーにインパクトがある
主要人物のセリフにはボイスがついており、所々でアニメーションが流れるので没入感がある。声優も豪華で贅沢な気分を味わえる。
それはいいのだが、陰惨なストーリーも存分に味わえる仕様になっている。人がバタバタ死ぬのでリビングでプレイしない方がいい。
してもいいが未就学児に見せない方がいい。
おそらく皆のトラウマはリンダの父親、ヒュームだと思う。
シナリオAでの彼の存在感は抜群で、シナリオBCの彼に不安感を覚える。
それだけインパクトのあるキャラクターであり、「リンダキューブ」という作品の方向性を決定づけている存在である。
シナリオBはAほどの不快感は無いが、人によってはこちらの方がしんどいかもしれない。リョナ好きの人にはたまらんのかもしれない。
僕は博士の狂気が見ていて面白かったし、青野武氏の演技が素晴らしい。
シナリオCはABとうってかわってコミカルなストーリーだ。
今まで散々サイコホラー的な話を見せつけられていたので途中まで身構えてプレイしていたのだが……シナリオCは純粋に動物ハンティングに重点を置いているシナリオだった。
箱船の真相も少しだけ分かるのだが、全ては語られない。そこは想像の余地があって良いと思う。
動物集めが楽しい
新しいエリアに行く時はワクワクする。
今まで出会った事のない動物を発見し、捕獲するのはなかなか楽しい作業だ。レベル上げがてら狩りまくって装備を整えるのも楽しいし、加工した装備を売ってお金を稼ぐのも楽しい。
100種類以上の動物はそれぞれ特徴があり、
・特定の地域にしか出ない
・特定の季節にしか出ない
・♂(または♀)は違う条件で出現する
・とある条件を達成しないと出ない
などとバラエティーに富んでいる。
メモ帳を活用して予定を組むと楽しいだろう。
ただ、楽しくない要素もある。
問題点
動物が爆散する
オーバーキルすると動物が爆散してしまい、捕獲どころか経験値すら得られなくなる。目安としては最大HPの2倍くらいのダメージを一度に与えると飛び散ってしまう。
その為レベルを上げ過ぎると弱い動物を捕獲できなくなる。
手加減攻撃もあるにはあるのだが、連れている犬は全力で攻撃してしまうのでこれを回避するために常に弱い猟犬をベンチに座らせておく必要がある。
それでも事故は起きるのでよく肉片が舞う事になる。
捕獲した動物がわからない
箱船に乗れば確認はできるのだが、道中では確認できない。
一応歩いてる動物にカーソルを合わせれば捕獲したかどうかはわかるが、目の前にいない動物はわからない。
これはメモをとれば解決できるが、出来ればメニューから確認させてほしかった。
♂か♀の片方しか捕獲できていない場合、また面倒な事になる。
取り返しのつかない要素がある
僕は像を売って一部のエリアに行けなくなりました。
(換金アイテムじゃないのかよ…)
ダンジョンが広い
フィールドより広い。
途中までマップを見れる事に気づいてなくて絶望していた。
入り組んでおり上下階層も多く、住んでる動物も強めである。
もう少しこう、手心というか…
評価
夢中になれるゲームだ。
ぶっ通しで7時間くらいプレイしたのは久しぶりな気がする。
古いゲームなのと陰惨なストーリーのせいで万人には薦められないが、
真っ赤なパッケージに手のひらの跡が2つというインパクトの強いジャケットに違わぬ、印象の強いゲームだった。
僕はシナリオCをクリアしてからずっと、ケンとリンダのその後について思いを馳せている。エンディングでは2人の軌跡が流れるだけだったが、一体どんな人生を送ったのだろうか、幸せに過ごせただろうか、保護した動物たちは環境に適応しただろうか、そして2人を見送った家族や同僚たちは……
そう想像すると妙に切ないのだ。
この想いを共有したいので僕は皆に「リンダキューブアゲイン」を薦めまくるだろうと思う。
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