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産業カウンセラーを受験する前の大学のカウンセリングの演習講師は、誰かが言葉を ”拾う” と言うと
「言葉は拾うんじゃないの、”受け止める” のよ」
と口を酸っぱくして指導しました。その講師は、養成講座の講師もしていたシニア産業カウンセラーでした。

言葉を拾ったことはありませんでしたが、受け止めたこともなかったので、私は「そうか、受け止めるのか」と覚えました。

好きなラジオのナビゲーターでも、言葉を「拾う」と言う方がいらして、でもまあカウンセラーではないので "pick up" みたいな意味で言うのかなと、少し違和感を持ちながらも聞いていました。

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最近のカウンセラーの演習でも「拾う」と言った人がいて、同じ注意を受けていました。その時の講師も養成講座の講師(の中でも偉いらしい)でしたので、やはり養成講座では「受け止める」で教えているはずなのですが。

「キャリコンの方だと ”拾う” と言う場合もあるみたいだけど」
とのことでしたが、そうだったかなぁ……(遠い記憶)。

タクシーを拾う、活字を拾うなどの言い方はあるにしても、「拾う」は落ちているものを手に取るイメージがあります。とすると、カウンセラーはクライエントの言葉をぽろぽろ落としているということでしょうか。それはいけませんね。

1.落ちているものを取り上げて手にする。
2.他人の落とした物を手に入れる。拾得する。

大体こんなところのようです

もし、言葉を拾うことがあるのだとしたら。
放った言葉が床に落ちている部屋の隅に、クライエントが膝を抱えてうずくまっている ── 言葉を拾いあげながら「この時は悲しかったね」「辛かったね」と少しずつ近づいていく、そんな時でしょうか。

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