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ちょっとwebサイトを調べただけで、資格の比較をしているようなものを多く見かけますが、その程度であれば自分で各団体のwebページを比較した方が早いです。どうしても、まとめる人のバイアスがかかるなぁと思います。

では、私のバイアスがかかった説明をお届けしましょう(でも、産業カウンセラーですから~)。


活動領域は3つ

  • メンタルヘルス対策への支援

  • キャリア形成への支援

  • 職場における人間関係開発・職場環境改善への支援

「メンタルヘルスは産業カウンセラー、キャリアはキャリアコンサルタント」ではないのです。もともと産業カウンセラーの活動領域にキャリアはありました。キャリアとメンタルヘルスは切っても切れないので、バランス良く学んでいるとは言えるでしょう。

キャリアコンサルタントが国家資格になる前、産業カウンセラー取得後の道として「キャリアコンサルタント」と「シニア産業カウンセラー」がありました。ですから、産業カウンセラーという下地があってのキャリコンだったのです。

働く人と働きたい人とその家族の支援をする、「産業」がつく意味はここでしょう。ですから、職場における人間関係開発・職場環境改善への支援も活動範囲の一つになっています。

知名度

当協会が認定する民間の資格ですが、60 年以上の歴史と約75,000人の有資格者を輩出した全国各地で実績のある資格です。

日本産業カウンセラー協会 よくあるお問い合わせ Q3

2001年までは旧労働省の公的資格だったこともあり、知名度は高いです。下は厚生労働省のサイトですが、こうした公のところに名称が出てくるには、相応の信頼性があるということでしょう。

職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

労働者の心の健康の保持増進のための指針 P17

こちらはキャリアコンサルタントを探せるキャリコンサーチの登録画面(一部)です。

訓練対応キャリアコンサルタントも終わったらアップロードしようっと🎵

『カウンセラー 求人』などで検索してみるのも良いでしょう。

難易度

2024年1月試験の結果が公表されています。

・学科試験
受験者数: 1,366名
合格者数: 940名(学科試験合格率:68.8%)

・実技試験
受験者数: 522名
合格者数 : 326名(実技試験合格率:62.5%)

・総合合格者数:884名
(総合合格率:60.8% *)
*884÷1,455(総受験者数:いずれか1科目でも受験した者)

・一部合格者数:308名
学科試験のみ合格:102名
実技試験のみ合格:206名

6~7割合格なら簡単とお思いかもしれません。しかし、養成講座修了なり心理学の大学卒業資格なりが受験に必要で、お金と時間をかけた上での試験でも3~4割が不合格という事実でもあります。一部合格で2回、3回と受けている人もいます。

社会保険労務士のような10%を切る合格率と比べて「ほら簡単でしょ」「取りやすい資格」と論ずる人もいますが、社労士の方と合格率の話になった時
「社労士は受験資格がゆるいし、”今年は慣らし” という受験者も多いから、その分、率は落ちるよ。率に惑わされるのではなく、自分が受かるように勉強すればいいだけでしょ?」
と言われて、なるほどなと思いました。私も受験にはたどり着けません8月なので夏バテでしたが、申し込みまではしたことがあるので、危うく合格率を下げるところでした。

ちなみにシニア産業カウンセラーの合格率は(2024年実施)
 受験者:25名
 合格者:12名
シニアの希少さよ……数年かけて25講座に合格するだけでも大変なのに。

試験が怖くて震える…

受けてもいないのに、率だけ見て簡単だとまことしやかに言う人は、簡単なのだから受けてみると良いですね。

更新の難易度は低い

5年ごとの更新はありますが、日頃から興味を持った講座など受けていればクリアできますし、更新のための講座もあります。

キャリアコンサルタントを持っている場合は、日本産業カウンセラー協会主催のキャリコン更新講習を受ければ、産業カウンセラーの更新講習と見なされますので、一石二鳥です。会員割引もありますしね。

特徴

傾聴力だと思います。

キャリアコンサルタントのロープレ動画を見ていたら
「産業カウンセラーだったら、一旦ここで気持ちを受け止めるな」
という場面が何か所も出てきました。

「産業」領域ですので、会社員には親和性が高いです。組織のことをわかっているのが強みかな、と。

コスパだタイパだと言う人には不向き

すぐ取れて稼げる資格などあるのか、あったら沢山の人が取っていて市場価値が下がっているのでは……誰しも思うところでしょう。高くて時間がかかるのが良いわけではありませんが、使える技術を習得するには相応の時間もお金もかかるものなのでは?

社会情勢、法律、労働市場、精神医学、心理学、カウンセリング理論など変化していきますから、一度合格すれば終わりではなく、情報のアップデートは必要です。

倫理綱領にも研鑽が義務付けられていますから、一生勉強です。深いです。産業カウンセラー試験に合格すると、沼の淵に立てます。いま私は、膝ぐらいまで浸かっているでしょうか。

まとめ

これから大学院で勉強して臨床心理士や公認心理師を取る余裕(時間的・金銭的)はないけれど、「カウンセリングに興味がある」、「産業界に関わっていきたい」のであれば、産業カウンセラーからシニア産業カウンセラーを目指すのは悪くないと思いますよ。

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