【オーダージュエリー】後輩のエンゲージリング
職場の後輩から、同棲していた彼と結婚する、披露宴を〇月〇日に行うので出て欲しいと聞きました。
「おめでとう！」
「それでご相談なんですが、エンゲージリングをお願いしたいんです」
喜んで！
（結婚情報誌の）写真の既製枠で、プラチナ
クラリティはSI1ぐらいで良いので、0.5ctは欲しい
カラー、カットはそこそこで大きさ重視
内側に刻印を
こんな感じの……と結婚情報誌を見せられた時
「あ、この枠は見たことあるな」
と言いました。石が留まっていない枠だけを売っているお店（業者用）があるのです。
ブライダル用に鋳造された空枠は、だいたい三分枠（0.3キャラット用）、五分枠（0.5キャラット用）、七分枠（0.7キャラット用）の用意があります。
また加工屋の社長に
「SIレベルで五分ぐらいのダイア、ガイは〇万円ぐらいのところでまた見繕って頂けませんか？枠は持ち込みます」
とお願いしました。
ガイというのはナイスガイのガイではなく、キャラットあたりの単価のことです。@200,000とあったら1キャラットあたり20万円ですので、0.5キャラットだと10万円になります。
「ダイア、来たよ～」
と連絡があり、先に指定デザインの五分枠を買ってから行きました。やはり同じ枠がありました。
いくつかの石から1石選びました。
「これが良いですが……留まりますか？」
「ああ、やっぱりそれ？」
「だってこのガードル近くの結晶、爪で隠れますよね」
「うん、それ選ぶんじゃないかと思ってた」
というのが、0.657ctもあったのです！SI1になった原因と思われる結晶は、爪留めする時に爪で隠れる場所です。
「ただこれ五分枠なので、七分枠に替えてもらった方が良いですか？」
枠屋さんは、こういう時に交換可能です。量産品ならではですね。
ちょっと待ってね……と枠に石を乗せてルーペを覗いていた社長が
「なんとか留まりそうだよ」
では、結晶を爪で隠れる位置に石留めをお願い致しまする。
私はこの時、月～金フルタイムの会社員でしたので、次の土曜に取りに行くと……。
「わ～、おっきい！」
空枠より一回り大きい石が入りましたので、満足度はいかほど…？
エンゲージなので、やはりダイアが映える黒いボックスにしましょう。納品の時にパカッとボックスを開くと……。
「わぁ！キラキラ！思ったより大きいです！」
鑑定書を渡しながら、グレードの説明をしました。メモにダイアのつもりの〇を描いて、簡単なリングの絵も描いて
「この辺に結晶が入っているのが恐らくSIになった原因だけど、白じゃなくて透明な結晶だから目立ちにくいし、この辺にあるから爪で隠れてるの」
とルーペを渡しました。
「見てもよくわからないので、私には極上です！」
指輪を着けて、ニッコニコの写真が残っています。
手作りのレストランウェディングでした。席次表には新郎新婦との関係性が説明されていて、私のところには「新婦職場の先輩で、エンゲージリングをお願いしました」みたいなことが書いてありました。
💎
今でも半年に一度ぐらいは会う彼女、普段マリッジリングを着けるとエンゲージリングを着ける機会は少なくなるので、ペンダントへのリフォームを提案しても良いかもしれません。
0.657ctあったら、ペンダントにしてもかなり存在感はありますね。
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