「問題解決思考なんでしょうか……」
みたいなことを、産業カウンセラー同士のカウンセリングでクライエント役だった時に言われました。どういう流れなのかは忘れました。
「あー……そうかもしれません」
と答えました。確かに、じゃあどうしたら解決するかな、と考えることが多いです。
病気もそうですよね。どうしたら一番早く治るだろうか、治療の効果が上がるだろうかと、出来るだけのことをしたいです。
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ただこの思考が、カウンセリングでは裏目に出ることもあります。
先日、逐語記録も使っての事例検討をした時、
「またここで、解決しにいっちゃってる!」
と指摘されました。
グループスーパービジョンだったので他のメンバーもいて、その中に
「私もよく問題解決しにいってる、と言われます」
という方がいらっしゃいました。同じく人事でした……。
仕事だと解決しないといけないわけで、ついつい……というのはとてもよくわかります。
ですが他のメンバーからは、
「自分は他の方の意見とは逆で、先に解決できることはした事で、却って問題の明確化ができたと思うのですが」
と違った意見も出てきて、必ずしも悪かったわけでもなかったのが救いです。グループスーパービジョンはこのように、色々な意見が出るのも醍醐味です。
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傾聴だけで解決できるのは、カウンセリング事例の3割程度だとか。
「いや、僕も元々はロジェリアンだったんですけどね」
と、ある心理学者の先生。今はフォーカシングだそうです。
確かに、うつ病や統合失調症の人には使えませんし、その先生は
「傾聴だけでなく、アドバイスしてこそカウンセリング」
なのだとおっしゃっていました。
人事としてのアドバイスを求められたり、キャリア相談が多かったりすることを考えると、やはり傾聴だけでもないとは思います。
(産業カウンセラーの面接試験は時間も短いので傾聴中心ですが、キャリアコンサルタントの実技試験はそれなりに時間があるので、ある程度導かないとダメだと思いますし)
それでも基本であることは間違いないので、傾聴が求められる時にはしっかりと、ということなのでしょう。
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