東京にきて7年、会社員を辞めて独立します。
「なんのために東京にいくのか」
地元の大分から上京したいといったとき、いろんな人がこういった。
その時の私はきちんとした回答ができず、「東京に住んでみたいから」と漠然とかえすことしかできなかった。
なんとなく上京したらしたで、会社と家を往復する毎日、目標もなく焦りばかり増え、毎日の仕事と満員電車に心が完全に疲れていた。
当初は契約社員だったのでお金もなく、18時に会社が終わってから19時-23時まで近所のスペイン料理屋でアルバイトもした。
ご飯を食べる暇がなかったので、お行儀が悪いとわかっていたけど、会社からの乗換駅で作っていったおにぎりを食べながらバイトに向かっていた。
なぜ東京にきたのかという質問には相変わらず答えられず、「彼氏を追いかけてきたってきいたよ」と会社の人に言われたときは閉口した。
そんなことになっているのか…でもいいや、もうなんでも
言い返すことも面倒になるくらい、すべての気力をなくしてしまっていた。
なんでもよかった。
なんでもいいから地元を出てみたかった。
なにかになろうとしたわけではない、なにがしたいのかもわからない、なんでもある東京に、なんにもない自分をカバーしてもらいたかったのかもしれない。
転機はいくつかあったと思うが、ひとつは、働いていた会社で正社員の試験に合格したこと。もう一つは、サロンモデルにスカウトされることが多くなり、モデルの仕事ができるようになったこと。
正社員の試験では、苦手な勉強を一日10時間したし、モデルの仕事をもらえたときは仕事と両立するために朝4時に起きて出社前に撮影した。
そこで少しずつ東京に来た意味を見出せるようになってきた。アルバイトもやめられた。
必死に毎日をこなしていくと、少しずつ日々を楽しいと思えるようになってきた。
人をだましたり、ずるいことをしたりすることをしなくても、何度絶望しても、まっすぐに生きていれば、報われるんだと思えた。
公私ともに充実していたはずだったが、数年後、また転機が訪れた。
会社から昇進を打診され、それに伴う試験を受けないか、といってもらえた。こんな私でも、大企業で活躍できるなんて、とうれしくなり、また勉強して試験に合格したが、待っていたのは地方転勤だった。
そしてそのときに考えた。いろんなこと。
自分の働き方、生き方、東京という場所について。
私は転勤をすることはのぞんでいなかった。なので、昇進の話を断ったら、事実上左遷された。
大きな会社にとって、向上心のない人材なんて、当然いらないわけで。
仕方のないことだった。
半泣きになりながらも、退職を決意し、転職活動をした。
そして自分を見つめなおし、自分のやりたいことはなんなのか、これからどうしたいのか、地元に戻るのか、ぐるぐるぐるぐる、考えつくした。
私は美容が好きだ。
誰のためでもない、自分のために、自分を愛することができる美容が。
努力した分だけ結果がかえってくるところも好きだし、内面も、外見も、磨けばちゃんと輝いてくれる。
美しさは、武器で、メイクやファッションは武装。
この混とんとした世の中で、戦うために、生き抜くために必要なもの。
そして、理論が好きだ。
アーティスト気質ではないともうとっくに気づいていた。
感覚ではなく、理論できちんと美容のこと、ファッションのことを学びたい。
そう思って以前から興味があったイメージコンサルティングのスクールに通うことにした。
働きながらイメージコンサルタントのスクールに通い、独学でもテキストや関連書籍を買い込み勉強し、練習を繰り返し、細々とではあるが、イメージコンサルタントとしての活動を開始した。
まず驚いたのは、友人たちがみんな受けたいと言ってくれて、ちゃんとお金を払ってコンサルを受けてくれたこと。
友人からお金をもらうなんて、と最初は抵抗があったが、だからこそ、絶対に後悔させないようにしなくてはいけないと背筋が伸びた。
その後、イベントやレンタルサロンで個人診断をしていく中で、SNSでもイメージコンサルティングの情報を発信をしていたところ
Twitterがバズり、一気に予約が増えた。
その後、平日は仕事、土日は診断という生活を約半年続け、何度か倒れたりしながら、どんどんキャンセル待ちの人数が増え、独立したい、という気持ちが膨らんでいった。
私のお客様は、みんな素晴らしい人ばかりだ。
いままで、一人も嫌な人はいない。全員のことが大好きだし、幸せになってもらいたい。そのためのお手伝いを私のコンサルを通してできたなら こんな幸せなことはない、そう思っている。
そんなお客様に、もっと会いたい。
それが独立の一番の動機だったと思う。
一人ひとりと向き合って、自分の魅力を知ってほしい。みんないいところがある。自信があるひともないひとも、自分のことが好きな人も嫌いなひとも、あなたが一番素晴らしくて、あなただけにしかない魅力があるんだよ、って、伝えたい。
私を信じて待っていてくれたかた、応援してくれた家族・友人の期待に応えたい。
半年間毎日不動産サイトとにらめっこしてみつけた日当たりのよい小さなサロンで開店準備をしていたとき、
この日のために東京に来たんだ、って、ふと涙がでた。
嫌なことも、苦しいことも、つらいことも、いろいろある。報われないことも、なんでこんなに、と思うこともある。
東京は地獄なのか?
だとしたら、ここに来たときは天国だと思ってもらえるように。
コンサルを受けた後、受ける前より少しだけ自分を好きになってもらえるように。
そんな気持ちをこめて、独立する。
このちいさな部屋から、私とあなたの物語がはじまる。
あなたと会える日を楽しみにしています。
華枝
似合うものを知って自分を好きになるイメージコンサルティング
PersonalBeauty andy
https://www.personalbeautyandy.com/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?