もし手の骨が折れて元に戻らなかったら
よく自分の手が思うように動かせなくなったら、手の骨を骨折したら、と考える。
小説を口に出してまで創作するだろうか。
口に出したそのままを聞かせることができるような人に出会えるのだろうか。
わたしの意志でしか動くことのできないものを操り、自分が思っているよりも、深いところの気持ちを勝手にかなりわかりやすく周りに伝えてしまう、厄介なものが動かせなくなった時、わたしはわたしをどうやって表すようになるのだろう。
口は動くのが下手で、なんともうまく喋ることができないからまだ元気でいてほしい。
安心させてくれたり、めくったり、つくったり、大事なものを持っておいてくれたり、たまに落としたり、怪我をさせたり、守ったり
まだわたしの手は、暖かい。
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