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マイキャリアストーリー(新卒編)

2021年8月にキャリアコンサルタントの資格を取得してから1年が経ちました。女性エンジニアの相談を受けるようになり、多くの人が同じような悩みを持っていることを実感しました。そして、その悩みのいくつかは私が通ってきた道にもあったものでした。
カウンセリングの中で自分のことを話すことは基本的には無いのですが、今回は、自己紹介を兼ねて私のキャリアの棚卸結果を公開します。少し恥ずかしい気持ちもありますが、同じテック業界で働く女性にとって少しでも参考や励みになれば幸いです。

自己紹介

まずは簡単に現在の私のプロフィールです.

  • 年齢 : 50歳目前

  • 現在

    • ソフトウェア開発企業勤務 

      • 現職:開発部門課長

      • 仕事 : Windowsアプリ開発 など

    • グレートシスター

オーバービュー

下の図は、学校を卒業してから今日までの私のキャリアマップです。整理してみると、だいたい4つの期間に分かれました。

  1. 努力する期間

  2. 信頼に応える期間

  3. できることをやる期間

  4. 開発スキル再構築期間

製品開発に携わっている方ならプロダクトサイクル、キャリア論を勉強されている方であればドナルドスーパーさんの発達段階、みなさんの身近なジャーニーマップと比較していただいても面白いのではないかと思います😆

ソフトウェア開発会社に入社するまで

ご覧いただくと、おや?っとなるのが最初の1年目ではないかと思います。
今回は、新卒で入社した会社をすぐに辞めて転職した背景や方法について紹介します。

順調な社会人スタート!

地元では有名な立派な会社に入社しました。
入社後は1ヶ月の集合研修、2ヶ月の製造ライン研修がありました。
同期との仲もよく、そこそこ楽しい毎日でした。

研修を終えると、情報システム部門に配属されました。もともとソフトウェア開発を希望していたので希望通りの配属です。
いよいよ本格的な仕事だ!とワクワクしていました。

ところが…

情報システム部門での仕事(30年前のこと)

配属後の日常業務はデータバックアップ、伝票入力、お茶汲み、プリントアウトした紙の処分などの雑務が大半。部署員のお弁当は女性社員が当番制で台車を引いて受け取りに行くという謎ルールが存在。
なんとも、旧態的な会社でしたが、当時の企業は大体そのようなものだったのかもしれません。

しかし、退屈な毎日に、もう限界かも…と感じ始めたある日、課長は私にCOBOLによる部品送付ラベル印刷プログラムを書く機会を与えてくれました。

しかし、その組織では女性がプログラムを書くということは当たり前ではなく、5名のうち1名しか開発をしていませんでした。新入社員の私がプログラムを書くということを快く感じていなかった女性の先輩もわずかですがいたように感じます。
そして、そのプログラムを書き終えると、また退屈な毎日に戻ってしまいました。

やっぱり、もう無理…と、転職を決意するまでに長い時間は必要ありませんでした。

他人には理解されない苦悩

せっかく入社できた立派な会社を半年も経たずに辞めたいと言う私の思いに共感してくれる人はいませんでした。ちょうど、バブルが崩壊した直後で企業の採用活動にも変化が出始めたころで、タイミングが悪いということも私には不利な状況でした。
お金をもらうためだけに、退屈な会社に行くことが苦痛で仕方ありませんでした。
実績もないのに、自分の成長を目的として転職したいという私のことを周囲はワガママだと思っていたことでしょう。誰も応援はしてくれませんでした😭

転職活動開始

「辞める条件は次に働く場所が決まっていること」一刻も早く会社を辞めたかったのですが、無職になるわけにもいかず、それだけは家族と約束して転職活動をすることにしました。

まだエージェントもいなければ企業HPも普及していない時代でした。採用試験を受けるには、まず企業の人事部門に電話をして、募集をしているかを確認し履歴書を送るということが必要でした。

すでに行きたい会社は調査済みだったので、まずは、お作法に従って電話をしました。事情を話し採用試験をして欲しい旨を伝えたのですが、「翌年の新卒採用は終了している、実績の無い中途採用はしていない」ということで、電話口で断られました。

半年足らずで会社を辞めたいという人間が信用されないのは常識的に考えて当然のことで、仕方ないですよね。
でも…

履歴書、送っちゃえ!

いやいや、まだ私の志望理由聞いてくれてないよね?
履歴書も見てないよね?このまま諦めるのはなんか違う…
ということで、一方的に履歴書と便箋2枚に渡る志望理由を記載した手紙を送付しました。
手紙には、女性であるがゆえに成長チャンスが無い環境に置かれていること、その自分の状況を変えたいと思っていること、チャンスをもらえたなら必ず成長して会社の役に立つ、というようなことを書いたと記憶しています。
実績も信用も無い自分がどうやったらチャンスをもらえるのか?を必死に考えていたことは覚えています。

数日後「履歴書を社長がみて、採用試験を行うことにしました」という趣旨の電話をいただくことができました。

こうして、私は、1本の電話と1通の手紙、採用試験と面談を経て、希望するソフトウェア開発会社に転職することが出来たのでした。


経験的学び

今、振り返ってみると、この時の出来事は私の考え方に少なからず影響を与えていると思います。

自分のにとっての「正解」は自分にしか分からない

最初に入社した会社は多くの人が優良企業と思っていた会社でした。でも、私には自分の未来を感じられる職場ではありませんでした。
退職後、何年かすると業績が悪化しリストラが行われました。その事実を知った時に、ようやく自分の判断は合っていたと思えるようになりました。
それまでは、「いい会社」を辞めてしまったことが正解だったのだろうかと心のどこかで思っていました。

周りの人の評価がどうであれ、自分の感覚と判断はすごく大事。自分を信じていいんだと思えるようになったのは、この出来事のおかげだと思います。

常識は少しくらい外れても問題無い

本当は、履歴書や手紙を送ることに不安はありました。
断られた相手に一方的に履歴書を送付するのはマナー違反ではないか?
自分の環境を変えたいという一方的な思いは正当化できるものなのか?
などなど
しかし「社長に届けられた」「認めてもらえた」という経験から、ルール通りでいることよりも、評価される方法を考えることの方が重要。「見た目より中身が大事」という考え方を大切にするようになりました。

そういえば、他にも「採用試験は平日は行かれないから土日にして欲しい、入社後にC言語やネットワーク関連の開発ができないなら行かない」なんてことも伝えていましたね…
無知とは愚かですが、結果的にはそれが私の道を開いたのだと思います😅
当時、採用してくださった方の器の大きさに感謝です💦


編集後記

私の経験は古い時代のものではありますが、ロールモデルが少ないIT業界で働く女性が抱える悩の本質は変わっていないように感じています。私の経験からヒントを得たり、安心したりする方がいるならば幸いです。
よろしければコメントください!
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