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「挑戦」に対する解像度をあげてみた

挑戦が生み出すインパクト

先日、某美術大学のある学生で、なかなか自分の絵が売れないと嘆いている学院生がいました。在学中に絵が売れるのは稀だと思いますが、彼の絵は画商の私が見ても将来性のある面白い絵だと思いました。
「思い切って1500円個展をやったら?」と提案してみました。
最初はあまりイメージが湧かなかったようですが、そこで私は「1500円でも元を取れる作品をつくったらいいじゃない?」といいました。
アーティストにはそういう発想が必要です。なんなら河原で石ころを拾ってきて、それをちょっと加工してもいいじゃないですか?

―― 「アートは資本主義の行方を予言する」山本豊津 

私にとっての最近のテーマは、もっぱら「挑戦」です。
挑戦するとはどういうことか。挑戦から生まれるものは何か。そんなことを悶々と考えています。

挑戦とは、「限界だと思われる枠を超えること」だと思います。
そして、挑戦的な何かと向き合ったとき、人は感情的になったり、逃げ腰になったり、理解できないと無視したり・・・そんな行動が伴うかもしれません。ですが、それは「本当に挑戦的なもの」と向き合ったときに当然生まれる反応なんだと受け止めたいものです。

まさに、東京画廊の山本豊津氏は、学生に "挑戦のインパクト" を与えたのではないかと思います。学生は絵が売るということに対して、「一定の価格で売らなくてはいけない」という前提(もしかしたらプライド)があったのかもしれません。ですが、その前提を見事に取っ払って、山本氏は挑戦的な提案をしたのです。

私自身が、"挑戦のインパクト" を受けて飛躍した経験を知っているから、猶更そのような関わりの重要性を実感できます。そして、挑戦にもいくつかあることも知っています。

例えば、「それ、つまらないね」「いっそのこと辞めてしまえば?」と言われたとき、どんなインパクトがあるでしょうか。
そんな挑戦的な関わりは、相手の脳を貫通するようなインパクトがあるかもしれません。そして、「なにくそ」と内なる炎に気付くかもしれないし、本当にやりたいことは何かを見つめ直すかもしれません。それが結果として、限界を超える行動に繋がる可能性があるのです。

あなたにはどんな挑戦ができる?

「自分の絵を売りたい」と願う将来性のある若者に、あなたはどのように挑戦しますか?私だったら、このようなパターンが想像できます。

1)さらに高次元の行動を提案する

「君の絵は見込みがあるから、アート・バーゼル(世界最大級の現代アートフェアー)を目指すといいよ。まずは・・・」
「ミレニアム世代の価値観を投影しているアーティストとして、ミレニアム世代を研究している企業で講演してみたらどうかな。例えば・・・」

「絵を売る」ことだけに留まらず、その先にあるより大きなゴールやありたい姿を見据えた提案をすることだってあり得ると思います。

2)別のスタイルを取り込んだ行動を提案する

「発信の場をより増やしてみたら?例えば、詩人とコラボレーションして、SNSで絵のメッセージを伝えているアーティストもいるよ」
「君の絵はデザイン性もあるから、単なる絵描きでなく、ファッションと組み合わせて商品を作ってみたらどうかな?」

「絵を飾って売る」というスタイルに固執せず、別の領域とのコラボレーションを通じて様々な形での売り方を提案することだってあるでしょう。

3)スピードを速める、量を増やすことを提案する

「どんな人でも売れない時期はあるんだ。もっと色んなコンクールに片っ端から応募してみようよ。直近では〇〇があるから、今すぐに応募して」
「今、個展は1年に2回やっているんだね?じゃあ、1年に6回やってみようよ」

「行動にはスピードと量が必要だ」と信じる人にとっては、一番わかりやすい形かもしれません。

4)”前提” から逸脱したものを提案する

「完成した絵を売るんじゃなくて、企業や個人からのオーダーを受けて作品をつくるようなステップを踏んでみたら?」

あとは、まさに1500円個展もこれに当てはまるでしょう。「絵は作って、飾って売るものだ」「一定の価格で売るべきだ」という前提を取っ払った提案は、発想の転換を生み出します。

5)相手を心を揺るがす発言をする

「君の絵は素晴らしい。だからこそ、絵を売りたいという目標は、小さいところにとどまっていると思うよ」
「いっそのこと、絵を売ることを意識しない時間を作ってみたら?」

明確に相手を後押しする提案をしているわけではないからこそ、本人の内側にあるエネルギーを呼び覚ますきっかけになるかもしれません。

挑戦と向き合って思うこと

色んな挑戦のパターンを探索してきました。ここまで書き上げ、挑戦をさせるにあたって、このような下準備も同じように大切だということに改めて気付きました。

● 信頼関係を築くこと
● 相手が何を大切にしているか理解すること
● 相手の可能性を信じ、心から願うこと

挑戦というのは、色んな意味で本当に勇気のいることなのです。
そして、これは相手に対してだけでなく、自分に対する挑戦においても言えることなのかもしれません。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
今日も素晴らしい1日を!









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