咲きそう
こんにちは。
麗らかな陽の光を浴びて躍動する生命の鼓動を感じ、ついつい見惚れました。
もう、間もなくですね。
何気なく、春に相応しい言葉と、冬の忘れ物を探していましたら、堅苦しくなってしまいそうです。
何故なら・・・。
春は、卒業式やら入学式やらの行事で、来賓の方の挨拶の時間を思い出したからです。
パイプ椅子に行儀よく座り、先生の号令で慇懃に立ち上がり、一礼をし、着席。それから、お偉い方のお話を聞く。
先ずは、春の言葉から。
『穏やかな日和が続き、桜の蕾が膨らみ始め、春の訪れを感じる季節となりました』
『厳冬も和らぎ、生命の息吹が感じられる季節になりました』
などなど・・・。
適当に考えた、季節感を交えた決まり文句です。
当時、来賓挨拶に対して、何のこっちゃ!! と、適当に聞いていましたが、こうやって歳を重ねて思い起こすと、味わい深いですねえ。どの来賓者が、どんな言葉を使うのか? どのような言い回しや比喩を使うのか? を覚えておけば良かった。そうすれば、
お、この人の季節感は、共感できるぞ〜 とか。
お、この人は夏目漱石先生のあの小説の文を引用するなんて、漱石先生に傾倒しているなあ〜 とか。
お、この人は、インターネットで適当に調べて作った文だなあ〜とか。
お、この人の言葉選びは、正岡子規先生の短歌を愛読しているなあ〜 とか。
アレコレ、妄想に浸ることが出来たかも知れませんね。退屈な時間も、楽しい時間になっていたかも。あ、あとの祭りかな。
春。僕は花粉症持ちですので、日によってはなかなか辛い時がありますが、暖かくなる春は大好きです。
春探しは続く。
花子出版 倉岡
文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。