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ヒッチハイク

こんにちは。

皆さんはヒッチハイクをしたことはありますか?

なかなかハードルが高い行為ですね。知らない人にお願いをして、目的地まで、又は目的地への道中まで運んでもらうわけです。無償で。
温和な人柄の国でありますが、なかなかできるものではありません。年齢を重ねれば重ねる程、様々な感情が湧出してしまいヒッチハイクの行為に歯止めがかかります。

今日は私のヒッチハイクの経験を綴ります。お付き合いくださいませ。
当時の写真は全くありませんので、記事中の写真は挿絵程度とお考えください。



それでは始まります。


「若気の至り」との言葉通り、私は大学生の時に沖縄でヒッチハイクをして運んでもらいました。
その出来事は、今も尚記憶に明瞭に刻まれています。

兄が当時沖縄に住んでいまして、私は飛行機に乗ってはるばる遊びに行きました。そして、せっかくだから沖縄を一周しようと思い、兄のバイクを借りて走り出したのです。





首里城付近から島の東側を走り北上を始めます。

順調だったバイク走行は宜野座村付近で突如雲行きが怪しくなります。バイクの速度が落ち始め、とうとう動かなくなりました。

ガラケーで兄に連絡すると、「以前オイル切れを起こしたことがあるとのこと・・・」
古い2ストロークのバイクです。

これは困った。ハイテク社会の現在ですと、スマートフォンでバイク屋さんを検索できるでしょう。しかし、ガラケーなら検索できる情報も限られています。兄に助けを求めれば何とかなったと思いますが、若気の矜持で何とか自力解決しよう、と奮闘しました。
先ずは、名護市へ行けばバイクを修理できるだろう、と考えます。なぜかというと、宜野座村は「村」であり、名護市は「市」だからです。そんな安直な理由で名護市を目指します。

バイクを手で押しながら側道をゆっくりと歩きます。

車がどんどんと過ぎ去り、横目では美しい海が潮騒を奏でていました。


しばらく歩くと、ソーキそば屋さんが目に入りました。腹が空き、せっかくだから沖縄名物のソーキそばを食べようと考え、店内に入ります。
少し混み合っていましたが、座席に案内されます。
そしてソーキそばを食べます。とても美味しかった。

食中、隣に居た中年の男女に話を掛けました。
「バイクが壊れたんですが、名護市までどうやって行けばいいですか?」
と。
男性は、
「宜野座から名護まではかなりの距離があり、それに道中には何もないからやめた方がいいと」
教えてくれました。

僕は多少の落胆がありつつも、ソーキそばを啜り続けました。
先に食べ終えた男女は店を出ました。


が・・・


すぐに男女が戻ってきて、私に声をかけてくれて名護まで運んでくれることになりました。
第一の救世主現る!!

男女の車は、軽トラックです。壊れたバイクを軽トラックの荷台に乗せます。男性は運転席に、女性は助手席に。そして、僕は荷台に乗ります。本来はいけないことです・・・。お許しを。

そして、名護のバイク屋さんにつきました。
乗せてくれた男女とは別れ、バイク屋さんに壊れたバイクを見てもらいます。うーん、芳しくありません。
廃車を検討し、兄に連絡。そして、廃車になりました。




バイクを捨てて身軽となった私は、一度兄の元に帰ろうと思いました。沖縄一周を諦めたわけではありませんが、帰りの飛行機のことを考えると、名護市でバイクレンタルするより、那覇市でレンタルする方が得策ではないかと。

兄から連絡があり、迎えにくるとの提案がありました。
私は断り、ヒッチハイクで帰ると決意。

ルーズリーフの薄くて汚い文字で「那覇」と書きました。

待つこと、十五分ほど。

女性が停まってくれ、僕を那覇まで運んでくれたのであります。第二の救世主です。

那覇市のモノレールの駅まで運んでくれ、兄が住む首里城付近に帰り、兄と定食の大盛りを食べました。そして翌日から快適安全なレンタルバイクで沖縄一周に出かけ、完走したのであります。

めでたし、めでたし!!!!!!


くまもん



歳を重ねた今考えますと、無謀で無計画でお恥ずかしいばかり。そして、乗せてくださった沖縄県人の優しさに感謝感謝で言葉がありません。

若気と至りとは、このことでしょう。まあ、このような過去があったからこそ、今の私があるのですが。
更にこのような過去があったからこそ、私はヒッチハイクで人を拾う経験を数回したものであります。

その一つが、先日のことです。
滋賀の草津SAで名古屋から広島へ向かう大学生を乗せました。
大学生は広島在住で、友人に会いに名古屋までヒッチハイクで移動し、その帰りに僕が拾ったわけです。
いやー面白い、面白い。若いって素晴らしい。
車内で世間話しなど、愉快な時間を過ごしました。

大阪吹田SAで大学生を降ろし、僕は帰宅しました。その大学生が、どうやって広島を目指したのかは不明ですが、無事に帰れたことでしょう。

これからの私がヒッチハイクをすることは、限りなく皆無に近いでしょう。しかし、ヒッチハイクしている人を見かけたら積極的に拾いたいと思います。


長々と失礼しました。

日本の綺麗な景色  熊本


花子出版   倉岡 




文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。