属人化ならぬソフトウェア依存に対する心構え


今回はRPAやSaaSで代替えする時の心構えについて書こうと思います。

RPAで代替えする時、必ず心配されるのは属人化。
SaaSで代替えする時、心配されるのはベンダー依存。

両者はほとんど同じ意味合いになります。
RPAがエラーで止まった時、修正出来る人がいないと属人化。
SaaSでトラブルが起きれば、修正はベンダー頼み。
つまり、両者とも「自分達で修正出来ない」という不安が渦巻いているのです。

確かに自分達で修正出来ないというのは、待つしかないという意味合いにもなります。その間止まってしまった業務はどうするのか。例えば今日中にやり終えなければならない業務が止まってしまった。自分達で直せない。その場合、あなたならどうしますか?

当たり前ですが、大概の場合は人海戦術ではないでしょうか。
人の手で何とかする。

これを言うと「えーーーー」という反応がいつも返ってきます。

では、こういった事態が1年に何回想定されますか?

また、こういった事態が起こった時、人海戦術で対処するには何人で何時間を要しますか?徹夜でしょうか?

冷静に考えると何てことはない場合の方が多いのではないでしょうか。
RPAにしても全部のロボが止まってしまうのではなく、1体が止まる。
それに対する対処法と労力は?例え徹夜での作業が必要になったとして、1年間に削減出来る人数と労働時間と比較するとどうでしょうか。

もう言いたいことが分かっている方はお察しの通りです。


私が所属する会社では長らくの間クラウドを利用することが禁じられていました。ですが、エンジニアの方々からは自社で完全なセキュリティを備える事など不可能!膨大な時間と莫大な費用を投じる覚悟があるのなら別!との声を聞くことがあります。

ところが、ユーザー側である私達から上がる声は「ダウンしたらどうするんだ・・・」というもの。近年でも何度か遭遇しました。AWS(Amazonクラウドサーバ)ダウン。この時、AWSを利用している多くのSaaSがダウンしました。ベンダーサイドも何も出来ず、Amazonの修正、復帰を待つしかなかったのです。2時間~半日を経てサービスが復帰しました。ですがこの間、皆待ったはずなのです。本当に緊急の場合は人の手によって何とか乗り越えた会社ばかりのはず。このリスクをどこまで重く受け止めるのか。この点を考え直して頂きたいのです。


世の成功者や価値観を変えるような経営をしている人達は、皆さんリスクの捉え方が明確です。誰もがリスクと捉えることを別の視野から考え直し、リスクと取らない場合が多くあります。もちろんそこには、起こってしまった場合に備えてのプランも用意してのことですが、何とかなるのなら事態が起こっていない時のメリットを取る方が余程効率がいいのです。

ITを用いての代替えを行う場合、必ず万が一のリスクを考える議論があります。そこで一先ず冷静に、止まってしまった時のことを想像してみることは絶対に必要です。そして、そこで対処出来るかどうか。もし、5時間頑張って対処出来るなら、迷わず年間数百時間削減出来る方を取るはずです。

自分達の手から離れた場所で修正が行われ、それを待つしかない不安。
それこそが数値化出来ていない障壁ではないでしょうか。
定量化出来ることこそが事実であり、判断基準となります。

不安が生み出した属人化、ソフトウェア依存というものに惑わされずに便利なものを取り入れたいものです。


皆さんの業務がもっともっとラクになり、もっと面白い仕事が出来るようになることを願っています。


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