Road to "FUJII KAZE"
2023年1月のとある日、わたしはピアノ教室にいました。
「体験レッスンって、今日これから受けられますか?」
気が付いたら、受付でそう口にしていた。
今思えば、なぜあの日のわたしはそんなに勢いがあったのだろう。
けれど、タイミングがいいときは、とんとんと話は進むもの。
ちょうど空きがあり、1時間後に体験レッスンを受けられることになったのでした。
藤井風さんの「帰ろう」という曲がわたしは大好きで、なぜかどうしても、その曲をピアノで弾けるようになりたいと思うようになり。
けれど、幼稚園から高校生までピアノを習っていたにも関わらず、
家にピアノがあるにも関わらず、
全くピアノを触らない大人になっていました。
ピアノの練習が嫌いで、
あまりにもわたしが練習しないから、
見かねた母がこっそりピアノを練習して「わたしでもこんなに弾けるようになったんだよ!」と弾いてくれた、大切な思い出が。
わたしにとってピアノは、辞めたくないけど練習もしたくない、そんなワガママな距離感の習い事でした。
そんなわたしが大人になって、
弾きたい曲が出来て、
自らピアノ教室へ向かうなんて!
人生、何が起きるかわかりません。
続くかな?
弾けるかな?
楽しくできるかな?
なんて、不安がモリモリでしたが、
受付の方がとても気さくな方で、
つい「藤井風さんの曲が弾きたいんです」と本音をぽろり。
「藤井風さんの影響で音楽はじめられた方たくさんいますよ!!」と言ってもらい、
一気に気持ちがすーっとしました。
受付の方が一緒に楽譜を探してくれて、見つけたのはかなり難しそうなスコアブック。
ひとまずまた1時間後に戻りますと告げ、カフェでドキドキしながら時間がくるのを待ったのでした。
現れた先生はとてもかわいらしい先生で、突然なのに嫌な顔ひとつせずにレッスンを受けさせてくれました。
「藤井風さんの帰ろうが弾けるようになりたいです!!!」と先生にも宣言し、
しっかりスコアブックも購入。
先生にイントロに"ドレミ"を書いてもらい、いざ数十年振りのピアノ…!
ピアノの感覚って、こんなだったっけ?
たどたどしいけど、指、なんか動いてる!!
少しイントロ弾けただけで、もううれしい!
「わたし、入会します。」
と先生に告げて、体験レッスンを終えました。
本当は、来る前から、始めることは決めていた。
これで、わたしの「藤井風さんへの道」が動き出したのでした。
…しかし、30分の体験レッスンなのに、
何度か「まだ終わらないかな…」と時計を見てしまったわたし。
大人になっても、根っこは変わらないものですね。笑