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【インタビュー企画】マトウモノ図鑑 刊行

布をはぎ取れば、誰だって裸だ。
でも、服を着るのは「裸にならないため」だけじゃない。

人間は着衣の歴史の中で布を纏うようになった。
「纏う」とは、身に着けること、絡みつくこと、巻き付けて着ること。

何を纏うかは社会的な意味を持つようになり、私たちの生き方にまとわりつく。
纏うものは、ときに人生を彩り、ときに足枷となる。そして、からだとこころを守り、自分を縁取るものにもなる。

デニムの着物で散歩中

私は、2年前から巻き付けて着る、まさに纏う物である「着物」を着るようになった。

着物をよく着ています、というと
「自分で着てるんですか、すごいですね」
「動きにくくないの?」
「今日ってどこかでお祭りやってるんですか?」
と、よく言われる。

現代の日本社会では、着物は成人式、卒業式、入学式など、ハレの日に着られるものと認識されている。
着物を纏うことは、一般的には特別で、珍しいこと。珍しいはずの着物をケの日に着ている人はなかなかに変わった人だと判断される。
「着物を着ている人」は、たいてい、その珍しさゆえに一括りに見える。

でも、
私がこの2年で出会ってきた着物を纏う者たちは
表現者であり、
伝統の担い手であり、
収集家であり、
目立ちたがりであり、
驚くほど多様で、でも普通の人たちだった。

一人ひとりにとって、着物を着る意味は異なっている。
「着物を着ている人」というカテゴライズはその人を表すようで何も表していないのかもしれないと思った。

日本の民族衣装、着物を着ることを選んだ人は、どんな人生を生きているんだろう。

成人式できた振袖を、自分で着付けられるようになった

これまで、インタビューというやり方で人に触れてきた私は、
着物を纏ったことによって変わる人生、生き方に触れるために、着物を纏う人々の言葉を聞きたいと思った。

生き方をコレクションするように。
そして、着物の近くにいる人・いたい人が、より着物を楽しめるように。

あなたは何を着て、どこに行くのか。何を食べるのか。何を話すのか。何を聞くのか。そして、何を思うのか。

全てのマトウモノたちに、愛を込めて。


※不定期更新
※マガジン『マトウモノ図鑑』に公開
※参加者は、名乗り出ていただいた着物好きの皆さんです。本当にありがとうございます!!

マトウモノ図鑑
初回は8/19公開します

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