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【体験談】帝王切開後の経腟分娩「VBACK(ブイバック)」について。可能?気をつけたこと

昨今では逆子などのトラブルで一度帝王切開での出産を行うと、その後の出産は予定帝王切開になる病院が多いとされています。何回までという回数制限もある帝王切開ですが、今回は3人の出産のうち、1人目を帝王切開、2・3人目の出産を経腟分娩(VBACK)で行った私の、体験談と気を付けたことを書いて行きたいと思います。

<このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です>

VBACK(ブイバック)って?TOLAC(トーラック)との違いは?

「VBAC」とは、帝王切開での出産経験のある妊婦さんが経腟分娩で出産することを言います。

「TOLAC」は、帝王切開での出産経験のある妊婦さんが経腟分娩を試みることを言います。

「TOLAC」が成功した場合の呼び方が「VBAC」ということになります。

VBACKはどこの産院でもできるの?

結論としては、『どこの産院でも受け入れてくれるわけではない』ようです。

私が1人目を帝王切開で出産し、その後に2人目を妊娠した際にも同じ産院を利用したのですが、そこの院長先生がVBACをさせてくれる産院でした。「次はどうする?下から産む?」といった感じで軽く尋ねられたので、当時の私は帝王切開後に経腟分娩をすることが難しいことだとは全く知りませんでした。

3人目は引っ越しをしていたため別の産院に通うことになり、最初の受診の際に予定帝王切開での出産だと先生から告げられました。お話を聞いてはじめて、帝王切開後の経腟分娩・VBACKが一般的ではないことを知ったのです。

できれば経腟分娩で産みたいと思った私は、通える距離にある個人産院6件に電話で確認をしました。すると、TOLAC・VBACKを行っている個人産院はなんと6件中1件だけでした。その産院にも「経過が順調であれば」可能ということをとても強調して言われました。あまりの少なさに驚いたことを覚えています。

個人ではなく市民病院や、大学病院など施設が整っているところでは受け入れているところもあるようです。希望の方はまずは産院を選ぶ際に、TOLAC、VBACKが可能かどうかを問い合わせることをおすすめします。

TOLAC、VBACKのメリット・デメリットは?

入院期間が帝王切開と比べて短くすんだり、帝王切開と比べて体力の回復が早いというメリットがあります。また、帝王切開は一般的に何回まで帝王切開ができるかという回数が決められていることがほとんどで、多くの場合3回(病院によっては4回)が限度とされていますが、経腟分娩の場合は回数に制限はありません。子だくさんな家庭に憧れる!といった方は、逆子などのトラブルがない場合経腟分娩を希望することが多いようです。

しかし、デメリットもあります。産院の先生のお話では、0.4%ほどの確立で子宮破裂を起こすリスクがあるそうです。帝王切開をしていない妊婦さんと比べると、そのリスクは2倍にもなり、子宮破裂を起こすと赤ちゃんはほぼ助からず、お母さんも最悪の場合亡くなってしまうとのこと。そのようなリスクがあることから、帝王切開をしたことのあるお母さんは、安全をとって次も予定帝王切開になることが多いそうです。

また、陣痛促進剤が使えないため、自然に陣痛が来なかったり、陣痛が弱かった場合は帝王切開に切り替えるとのことでした。子宮破裂と、出血が多くなることを考慮して、妊娠高血圧症候群など何かしらのトラブルがあった場合もすぐに予定帝王切開をすると仰っていました。

個人的な感想では、とても傷跡が残りやすい体質のため、帝王切開の傷跡がかなり大きくくっきりと残ってしまっていることも少し残念に思っています。とはいえ、赤ちゃんを助けるためだったので仕方がないことですし、傷跡を見て「ここから生まれたんだよね」と言っていることもあったので、その点ではよかったなと感じます!

自分自身の気持ちを考えるととともに、家族とも話し合いを

TOLAC、VBACKは産院によっては受け入れてもらえない、リスクを伴う出産方法です。お母さんがリスクを理解した上で、それでも経腟分娩をしたいと考えるのであれば、家族と相談をすることが大切だと感じました。

万が一自分に何かあった場合には上の子が残されてしまうことになります。リスクを考えると帝王切開でいいのではないかというのが主人の意見でした。お母さんの気持ち、お父さんの気持ち、それぞれを素直に伝えあい、納得のできるバースプラン・出産方法を家族で話し合えるといいと思います。

TOLAC・VBACKに挑戦!気を付けることは?

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『体重を増やしすぎないこと』をまず注意されました。体重を増やしすぎることでお腹が大きくなりすぎ、子宮破裂のリスクが高まるからだそうです。私の場合は保育士として働いていたこともあり、子どもたちと元気よく遊ぶことで体重の増加を最低限にとどめることができました。(出産時、妊娠前+5kg)

『健康な生活を』減塩を心がけて妊娠高血圧症候群を発症しないように気を付けたり、甘いものは極力とらないようにして妊娠糖尿病にならないように注意をしました。

『自然なお産促進を』TOLACは陣痛促進剤を使うことができないため、自然に陣痛が来ることを待つことになります。生産期に入ると、とにかく歩くように産院から指示がありました。出産予定日を過ぎても陣痛が来ない場合、帝王切開での出産になります。

VBACKできました!

私の場合、無事に3人目も経腟分娩、VBACKをすることができました。妊娠高血圧症ではありませんでしたがじわじわと血圧が上がっていき、このまま高いと帝王切開になるとの話もありました。予定日が近づいてくると、念の為、帝王切開に向けての血液検査、そして予定日3日後には手術の予約も組まれました。

そして予定日2日前になんとか陣痛が来たものの、子宮口が開くのが遅く、このままだと帝王切開になると先生の言葉…身体を温めたり、病院内を歩き回ったりしてなんとか経腟分娩で出産することができました!

何度も先生から『帝王切開』という言葉が出て、私も主人も半ばVBACKを諦めかけているところでの、経腟分娩でした。


最後に

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TOLAC・VBACKについて色々書きましたが、私も経腟分娩で出産をしたいと思ってはいましたが、母子の安全をとって、何かあった際にはすぐに帝王切開に切り替える覚悟でいました。TOLAC・VBACKを検討しているお母さんも、メリット・デメリットを踏まえ、ご家族や病院とよく話し合って出産方法をお考えください。

出産はとても大変なことで、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれることは奇跡です。帝王切開でも、経腟分娩でも、『どんな出産方法であっても、お母さん・赤ちゃんにとって素敵なお産である』ということを忘れないでくださいね!

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