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高架橋を抜けたら|ヨルシカ「前世」レポ

人生は勘違いの連続だ。

n-buna

物事の最大値は自分の限界値に他ならない。どれだけ世界が広くても、結局は私は私という枠の中からでしか物事を見ることができない。つまり物事は常に一部しか見えない。では生まれ変わったらどんな景色が見れるのだろう?なんて、考えたことがなかった。だからこそn-bunaさんが見せてくれる景色は、私の枠を飛び越えて見られて、やっぱり綺麗で、心に残る要素だらけでした。

1月24日に参戦したヨルシカのLIVE「前世」。おぼろげな記憶を頼りに、感じたこと思ったことを書き留めておきたいと思います。

会場に入るとかすかに聞こえてくる鳥のさえずり。ステージにはバンドセットと、赤い花をつけた大きな木。これから散歩にでも行くような気分になりながらステージは開幕。

まずはアニメーションとn-bunaさんの声で朗読が静かに始まる。公園でいつもピクニックをすることがお決まり"だった"2人。やがて待ち合わせをして取り止めのない話をする。彼は言う。「最近変な夢を見るんだ」。
彼が見ているのは色々なものに生まれ変わる夢。動物だったり、植物だったりする。

そして登場した一曲目は「負け犬にアンコールはいらない」。suisさんは白いドレスがのぞく真っ赤な衣装で登場。青髪尊い。はっちゃんさんの直角ヘドバンがよく見える。ライブは、また違う日に待ち合わせて話す2人、彼の話す夢の話、関連する楽曲というスタイルで進んでいく。

夜鷹になったストーリーから静かに入る「靴の花火」では大サビでのn-bunaさんギターソロがやっぱり綺麗すぎ好き。(曲中でn-bunaさんのギター交換が何度かあったね)。そして低音高音いったりきたりのsuisさんの歌声も大好きだなぁと改めて感じ入る。

動物のアニメーションが印象的な「ブレーメン」では、終始suisさんがn-bunaさんをよく見ていて、特にパドゥドゥを歌うところをノリノリで見守ってたところがとっても愛な感じでした。そこからの「雨とカプチーノ」。つなげ方が気持ちいい。

一旦幕が下がって魚になった夢の朗読がはさまれたあと、登場したのはソファや家具が置いてある部屋とストリングスのみなさん。「前世」の配信ライブでのオケベース演出が大好きだったので、心の中で巨大ガッツポーズ。そしてsuisさんは白い衣装に。巨大な月が現れての「嘘月」に完全に心を奪われました。嘘月も大好きな曲で、いつかオケありで演奏したらめっちゃ綺麗だろうなと思っていたので予想外の幸運。

同じくストリングス以降では「思想犯」が特に良かった。ヴィオラ・ヴァイオリン・チェロによって、より悲壮感と崖感が増して鳥肌。あのスタイルでもう一度聴きたい。その後の「チノカテ」や「詩書きとコーヒー」では、セットの窓越しに夕日の光が差し込んでいた。

そしてストーリーは伏線を貼りながら展開していく。夜の部屋で彼が言った衝撃的な一言で、今までのあらゆることが伏線であり、前回のライブと繋がっていることが分かる。

リード、お皿で出されたホットミルク、床の近さ、傘がないこと、公園のベンチ。待ち合わせ。「ブレーメン」の"ずっと二人で暮らそうよ"、「詩書きとコーヒー」の"君と暮らせればよかった"。狂い咲きの桜の話が出てきてからの、最後の曲は「春泥棒」だという確信。だから「負け犬にアンコールはいらない」で始まり、「春泥棒」で終わること。彼が懐かしく感じるのは、行ったことのないスウェーデンの景色と海の底から見た月光。"僕は昔、人間だった気がする"の一言。

セットリストそのものが伏線でありストーリーであった。しびれました。そして各アルバムから特に好きな曲が歌われたことが嬉しかった。

最後はもちろん「春泥棒」。"花開いた今を言葉如きが語れるものか"のところでパン!っと桜吹雪。きらきら、はらはら舞う様子がもうぴったりすぎて、綺麗すぎて、感無量でした。ヨルシカらしからぬサプライズ…。そして最後の朗読の後、お決まりのように逆方向に帰る2人でライブは終了。「月光」ライブよりも時間が長いのに、あっと言う間の2時間半でした。

彼女はエルマの生まれ変わりなのかな。そうではない感じもする。だとしたらエイミーはまだエルマに会えてないということ…?きっと考察が上手い人はもっと色んなことに気づいてるんだろうな。まずは数々のMVを見返して、幻燈を聴き込まなければ…。特に「春泥棒」のMVは涙なしでは見られない。

ヨルシカのお二人、そしてサポートメンバーの皆さん、関係各位の皆さん、素晴らしいライブをありがとうございました!!

p.s.終演後、最初に流れたインスト曲はもちろん「前世」でした。出口でポストカードをもらったのですが、表はライブのキービジュアル、裏返すと、あぁ!というお楽しみが。細かいところまで演出がされていてすごいなぁ…と思いながら帰ったのでした。時差投稿。

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