完全試合達成の理由「佐々木朗希投手の類まれなる精神力」プロ野球ロッテの佐々木朗希選手、完全試合おめでとうございます!

生で試合は見られなかったが、すごいことが起こった。

まさに、歴史的偉業である。

あの、ロッテの佐々木朗希投手が、読売ジャイアンツの槙原寛己投手以来、28年ぶりに完全試合(パーフェクトゲーム)をやってのけた。

しかも、13者連続奪三振の日本新記録と、1試合19奪三振日本タイ記録というオマケつきだ。

これらの記録もすごいのだが、1試合でこれだけのことを成し遂げてしまう佐々木朗希選手はどれだけ怪物なんだ。

この日は最速164kmを記録とのことだったが、ストレートがバンバン160kmを超えていたらしい。

フォークも切れがあった。

スポーツ番組で映像を見たが、佐々木朗希投手は最後まで精神が安定しており、いわゆる”ゾーン”状態に入っているように見えた。

試合後のインタビューで佐々木朗希投手は、「打たれてもいいから、しっかり投げようと心がけていた」というように述べていた。

まだ20歳であるというのに、かなり落ち着いている。

彼のこの落ち着きは、一体どこから来るのか。

佐々木朗希選手は、岩手県出身で、東日本大震災の時に津波で父親と祖父母を亡くしている。

同様の経験をしたことがない者には、なかなかわからない悲しみやさまざまな苦しさがあったと思う。

そういった悲しみを乗り越えようとしてきたことで得た精神的強さもあるだろうが、野球ファンにとってはまだ記憶に新しい、彼を精神的に強くしたと考えられる出来事がある。

佐々木朗希選手は、岩手県の大船渡高校で投手を務め、第101回全国高校野球選手権岩手大会で決勝まで進んだ。

決勝戦の花巻東との対決で先発して優勝し、甲子園に進むことを期待されたが、國保陽平監督の「故障を防ぐためです」との判断により、佐々木朗希選手の登板は回避され、大船渡は花巻東に2―12で敗れた。

この起用をめぐり、張本勲氏は、國保監督を批判した。

>登板回避のニュースに怒りを見せたのが、同番組のご意見番で野球評論家の張本勲氏だ。「絶対に投げさせるべき」との立場を示し、「監督と佐々木君のチームじゃないから。ナインはどうしますの」「ケガを怖がったんじゃスポーツ辞めたほうがいい」などと持論を展開した。

当時、張本勲氏に賛否両論あったが、おおむね、張本氏の意見を否定する声のほうが多かったように思う。

他の選手や応援してくれている学校の関係者、地元の人たちのことを考えると、たしかに、もったいない気がするが、佐々木朗希選手のような逸材を甲子園で連投させて、肘や肩を故障させていいものか? と監督が考えをめぐらせるのも理解できる。

実際に、このような話もあった。

>のちに國保監督が語ったところでは、「クリニックで骨密度を測定したところ、(160キロ超の)球速に耐えられる骨、筋肉、じん帯、関節でなかった」とわかったという。

>佐々木は骨端線が閉じていないのではないかと筆者は推測する。骨端線が閉じるとは、成長が止まって大人の骨になることを意味する。そうなれば、多少の酷使にも耐えることができる。しかし骨端線が閉じていなかったのだとすれば、まだ背は伸びる余地はあるが骨は柔らかく、無理をさせれば深刻な損傷を受ける可能性があるのだ。


結果論にはなってしまうが、大船渡高校の監督の判断は間違っていなかったのではないか。

佐々木朗希選手も、ともに野球をしてきたチームメイトとともに甲子園に行きたかっただろうが、世界を見渡しても160kmを超える球を投げられる投手はそうはいない。

エンジェルスの大谷翔平選手も、高校時代に最速160kmのストレートを投げていたが、3年生の夏の岩手県大会決勝戦で盛岡大附属高校に敗退し、甲子園へ進むことはできなかった。

これが、結果として、プロ野球、メジャーリーグでの活躍と結びついていると考えられなくもない。

大谷翔平選手もそうだが、精神的に安定しているなという印象を受ける。

佐々木朗希選手がこのような偉業を成し遂げることができたのは、ご両親から受け継いだ類まれなる恵まれた体格はもちろん、自ら体得してきた確かな投球技術、精神面の強さに理由があるのではないか。

同じ東北地方、岩手県出身の二人が、将来メジャーリーグで共演したり、対決したりする日が訪れることを願う。

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