自己紹介の代わりに描いた絵の話をする
自己紹介の代わりに、私の絵をすこしばかり紹介しようとおもう。
といってもオリジナルの絵はほとんど描いたことがなく、ファンアート、いわゆる二次創作なので優しい目で見ていただけると幸いである。
私がどこのどいつかわかってもそっとしていてくれると嬉しい。
こちらは2011年の年賀状にしようとして結局年賀状にならなかったうさこちゃんである。
まだまだペンタブにも慣れていなかった頃で、手探り状態で絵を描いていた。
もしかしたらレイヤーも知らなかったかもしれない。そのくらいデジタル初心者の絵である。
これも2010年の絵らしい。
当時は解像度も画素数も知らなかった上に、投稿するのも携帯サイトだったので、絵のサイズを決めるために好きなサイトさんからイラストをDLしてサイズを参考にしていた記憶がある。
バケツ塗りすら知らなかったのだろうか、広い面の塗りムラがすごい。
そして11年のときを経てリメイクしたのがこちら(2021年作)。
私の11年は無駄ではなかったことがわかる1枚である。
成長したよ……!!
構図と雰囲気はそのままに、11年の間に身に着けた技術を総動員して描いた。
影に青、紫系の色を重ねてみたり、反射光で立体感を演出したり、とにかく顔をイケメンにしようと頑張ったり、2枚めでは色収差(RGBずらし)を取り入れてみたりと、できることを全部やりました。
こちらは2011年の絵。
背景をストライプにしたり、文字を入れてみたり、模様ブラシで装飾するくらいにはデジタルが使えるようになった頃だろう。
サイト開設2周年と訪問者数1万人オーバーのお祝いイラストだ。
自分で自分を祝っていた。
とにかくおめでたかったのだ。
そしてやはりこの絵もリメイクが存在する。
こちらは10年後(2021年)の絵である。
ポーズと表情の雰囲気だけ踏襲し、プロのイラストレーターさんのイラスト講座You Tubeで見た背景の描き方をまるっと参考にして木漏れ日のイラストにしてみた。
背景大嫌いマンだったので、この絵を描くまでどうやってごまかしてやろうかとばかり考えていたのだが、思ったより玉ボケと木漏れ日が簡単に描けたので、プロのイラストレーターさんの技術に感服した。
最小限のコストで大きなパフォーマンスを得られるの、本当にすごい。
さて、ここまで過去作とリメイクを交互に見てきたが、ここからは私のお気に入りを数点上げてみようと思う。
2017年の7月からTwitterを始めて、「見られている」という意識からこれまでより練習や研究に時間を割くことが増えた。
そんな中で初めての覚醒とでも言うべきか。
影に紫を使うと良いと聞いたのと、鼻を赤く塗る可愛さを知り、慣れない厚塗りで描くという初めて3点盛りのこの絵を紹介しようと思う。
この絵は2018年の4月に描いた。
ゲームのイースターの衣装が可愛くて、ゲームに実装されていない好きな子に着せてみたのがこの絵である。
背景はイースターエッグをイメージしている。
この絵を描いたことで厚塗り(らしき塗り方)の魅力に気づき、以降の絵に影響が及ぶようになる。
影響を受けた絵その1。
こちらも2018年に描いた絵である。
もともとはTwitterのヘッダー用に描いたのだが、今ではpixivのヘッダーとして私のページの顔となっている。
ひまわりはブラシである。
ひまわり描けない……。
影響を受けた絵その2。
これも2018年の絵だ。2018年は豊作であった。
この絵は厚塗りの要素を取り入れつつ、前髪と肌の境目にピンク(オレンジ)のオーバーレイをかけることで前髪の透け感を出す、という技術を取り入れている。
些細なことだが、この工程の有無で前髪の重さが結構違ってくるので、顔周りがパッとしないという方は試してみてほしい。
この絵は単純に顔がお気に入りです。やはり2018年の絵。
この頃になると、いかに顔をかっこよく描くかにこだわり始め、いろんなイケメンのイラストを見てはパーツの位置の比率を研究していた。
例えば、鼻先は耳たぶの位置だとか、目の上辺は耳の上辺と同じか少し下の位置だとか。
黄金比というものが私にはよくわからないので、ひたすら好きな絵を見て位置を確認していた。
2019年になると無謀なイラスト集を作ろうとし、未完成の絵が増えていった。この絵も完成することがなかったが、顔が本当にお気に入りなのでここで成仏してもらおうと思う。
だいたい未完の絵は色塗りの前で終わっている。というのも、私は色塗りが大の苦手だ。できることなら色塗りは誰かに委託したいほど。
反対に、ラフから清書までの工程はサクサクと筆が進む。
私が絵を描く中で大事にしているのが顔の造形と体のデッサンである。
骨折は極力なくしたいし、ムリな体勢の絵も描きたくない。
作品にはちょっとした引っ掛かりがあるほうが人の心を惹き付けると聞いたことがある。
しかし、その引っ掛かりを作るのが私は苦手だ。
ノイズは少ないほうがいいと思ってしまう。
ということで、ひたすら顔面と体の破綻に気を配りながら描いていた2019年、2020年の絵を紹介していこうと思う。
この絵はもともと別のキャラクターで描いていたのを、デジタルでリメイクするにあたりキャラクター変更した絵だ。
2019年は初めて同人イベントに参加した。この絵は通販に同梱する簡単な名刺カードの挿絵として描いた。
あまり時間がなかったのと、絵のタッチからしっかりした着色よりラフな雰囲気の残る水彩塗りが合うと思い、ざっくりとした塗りに挑戦した絵でもある。
これが意外と自分の琴線に触れたようで、2020年に下半期から水彩塗りに傾倒していく。
こちらは2020年の絵。
2020年はTwitterでの動向に悩むことが多くなり、どうして絵を描いているのか迷う年だった。
この絵も一見華やかだが、描けなくてpixivを見ていたときに、肌にサーモンピンクを使っている絵を見た。その表現がなんだか真夏の太陽のようにエネルギッシュで、描きかけのこの絵をピンクを基調にしてみようと思った。
さすがに肌をピンクにする勇気はなかったので、影色を鮮やかなピンクにし、アクセントとしていつもはアイスブルーで描く瞳を真っ青にしてみた。
この絵はかなり気に入っており、自室の壁に印刷して貼っている。
これは自分の中の傑作だと思っている。
左上の4色を基本色にして色を塗ったのだが、普段あまり選ばないオレンジと山吹色を持ってきたことで、今までの絵と一線を画する絵にしようとした。
セーラー服とソックスガーターは趣味だが、組んだ指やローファー、膝からふくらはぎのカーブなんかはかなりこだわりを持って描いた部分である。
自分で手を組んで鏡で確認しながら描いたり、ネットでローファーの画像を探し、細部まで観察しながら形を取っていったのは、大変だったが楽しくもあった。
これはぜひ大画面で見てほしい。
真夏の清々しさが表現できればいいなと、慣れない入道雲を描いた。
入道雲と真っ青な空に負けないように、やっぱり顔と手にめちゃくちゃ力を入れて描いた。
顔にピントが合っているので、前に突き出したピースはぼかしている。
この絵から反射光というものを意識し始めた。
自画自賛でしかないが、この笑顔を見ていると悩みなんてどうでもよくなるので、これも自室の壁に貼っている。
できるならでっかいポスターにして部屋に飾っていたい一枚である。
これもお気に入りというか、最初で最後になるかもしれないちゃんとした厚塗りイラストである。
顔面の色をこねくり回していた記憶しかない。
顔面をこねくり回したおかげで、自然な立体感が出たような気がする。まぶたのハイライトがお気に入りである。
もう、しばらく厚塗りは描きたくないな、と思った一枚だが、同時にかなりのお気に入りなので、これも部屋に貼っている。
この絵を描いたあともう一度厚塗りに挑戦したが、あまり納得いくクオリティにできなかった。やはり一世一代であったようだ。
前述したとおり、水彩塗りを始めた頃の絵である。
このあたりから、10年以上使っていた板タブを液タブに変えた。
板タブと液タブの違いといえば、やはりアナログに近い描き方ができるということだ。
液晶に直に描いていくのがアナログ人間だった自分には合っていたようで、一枚絵を描く作業時間が8時間から4~6時間くらいまで減少した。
これは結構重要なことで、年々集中力が落ちてきてパソコンを開くのすら億劫だったのに、パソコンに向かう気持ちがだいぶ軽くなった。
おまけに、板タブの頃に比べて自分の思ったところに線が引ける確率が高くなり、作画ストレスも減少した。
一つ難点を上げるとすれば、液タブにペーパーライクフィルムを貼っているため、ペン先の摩耗が激しいということだろうか。
2ヶ月ほどでペン先を替えざるを得なかったときは本当にびっくりしたし、このペースでペン先を替えるときの費用をザッと計算して青ざめた。
結局2ヶ月程度で替えていたのは最初の5ヶ月くらいで、最近は力加減に慣れてきたのかそんなに頻繁に替える必要がなくなった。
とりあえずペン先破産は免れそうだ。
2021年上半期は波乱の日々だった。
2020年から続くTwitterに対する疑心暗鬼と体調不良で踏んだり蹴ったりだった。
結局今はTwitterから離れ、自分の好きな絵を描けるようにアナログラクガキから再スタートを始めたが、それまででお気に入りだった絵を紹介していこうと思う。
こちら、2021年に実際にTwitterの相互さん数人に送った年賀状である。
おめでたさと麗しさを表現したくて和傘を差したのが努力ポイントである。
傘、ほんと、意味わからなくて難しすぎてべそかきながら描いた。
そして2枚めがラフなのだが、ラフの方がキレがあってかっこいい。残念ポイントである。もうラフだけ見ていてほしい。
最後を飾るのは、2021年上半期最高傑作。
Twitterの相互さんの推し俳優さんの似顔絵である。
似顔絵、描けるんだよ、実は。私も知らなかったけど。
手前のひまわりは例にもれず、ひまわりの線画素材に色を塗ったり、ところどころ線を消したり、線の色を変更したりして絵になじませた。
絵の技術的な話をするなら、色白な方なのであえて肌を白抜きにして影と肌の赤み、ハイライトをうす青で入れたことくらいか。
ああ、あとは髪に5色くらい色を重ねて情報量を調整している。同じく、ひまわり、Tシャツ、背景にも多めに色を使い、夏のハイコントラストな世界を表現してみた。
さて、だいぶボリューミーな記事になってしまったが、これが私のお絵かき人生である。
今は評価とか交流とか人の目とかを気にせず、また、絵を描く楽しさを思い出したくて、長らく開いていなかったクロッキーブックに鉛筆落書きを描いている。
まだまだ描きたいものが見つからず、絵を描く楽しさもぼんやりとしているが、誰のためでもなく、誰に見せるわけでもないものを描くのは気がラクである。
絵をコミュニケーションツールにした馴れ合いはしたくないが、同じくらいの熱量で絵について語れる人がいるならまた人と話してみたい。
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