【映画】究極のスタジオ作りに取り組む
2020年8月コロナ禍の中、弊社は事務所移転をしました。
いくつかの理由があったのですが、1つの理由が今回紹介するスタジオ作りでした。
アナログの映像素材を最高の画質でデジタル化できるスタジオ
その名も「アトリエ シネフィル」
名前(映画狂の工房)が示す通り映画にむけたスタジオです。
映画といえばフィルム、このスタジオは35㎜、16㎜、8mmという世界的なフィルムフォーマットに加え、9.5㎜という世界中で再生すらままならないレアフォーマットも再現できる予定です。
フィルムだけでなくビデオテープ(VHS,Beta,8mmVideo,Hi-8,VHS-C,Betacam,HDCAM,DV,DVCAMなど)もほぼ網羅しています。
通常の業務の合間に少しづつ構築していきました。
インターンのMちゃんと作業
デスク完成
スタジオの基幹機器「スキャナー」の搬入
大の大人4人で運びこむ
まだオープンしていないので、企業秘密的なものもありますが、2021年1月9日現在、ハード的にはかなり組みあがってきました。
有名な映画技術者Sさんにも技術協力していただき、フィルムを圧倒的な画質で再現できるようになってきました。
フィルムって不思議な媒体で、今存在するフィルムが未来に向かうほど画質がよくなって行くという不思議な現象があるのです。
どういう事かというと
一般の方は「映画のフィルムはオワコンでアンティークな存在、今はCGや合成が中心で4Kや8Kデジタルで制作するもの」と思いがちですが・・
現在、クリストファー・ノーラン監督はフィルムで撮影しているし、スターウォーズは今後フィルム撮影になるそうです。
※さすがに昔のようにネガ編集、フィルム上映はなく、撮影はフィルム編集はデジタルという状況です。
フィルムが持つ情報量は巨大なもので、それをデジタル化する技術がどんどん進化しているのです。
未来はどんなに技術が進化していくか読めない部分もあります。
どんな高品質でもデジタル映像は物理的にそれ以上に上がることはない(過去のビデオ・デジタル映像すべて)
ところがフィルムだけは将来のデジタル技術によって化ける可能性がある不思議な媒体なのです。
フィルムをデジタル化する上で重要な要素としてレゾリューション(解像度)がありますが、近年大きな要素となっているのがHDRです
※HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べてより広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる表示技術です。
おせわになっていますEIZOさんがHDRの解説ページあり
我々のアトリエシネフィルはHDRとグレーディングの技術で現時点での最高のデジタル映像を産み出す予定です。
特に8mmフィルムに関しては世界一を目指して研究を進めています。
↑大正時代の映像が最新鋭のMacで再現しているシュールな世界
現在、トライ&エラーを繰り返しデータをとっています。
日本のアニメや映画は世界に誇れる文化・芸術です。
ところが、戦前の映画フィルムが驚くほどロスしています。
今後も再生できない厄介者としてどんどんジャンク(破棄)されていくでしょう。
国立のフィルムセンターも各作品の収集・アーカイブ化を進めていますが、とても網羅はできません。
零細企業である弊社も超微力ながら日本の映像文化を救う目的でこのプロジェクトを進めていきます。(もちろん商売もしなきゃですが・・)
株式会社汎企画 代表取締役 香月達行48歳
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