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博物館をめぐる旅 6days (その1 計画編)

10月から東京発の旅行にもGoToが適用されるとの報を受けて、普段ならなかなか企画しにくい地味でマニアックでタフな旅行を考えてみた。

それが、「北陸・大阪・東海の博物館をめぐる旅」である。

メインの博物館はどこなのか

僕には、行ってみたいと常々思っている博物館が全国にいくつもある。だが、博物館だけを目的にわざわざ遠方に出かけるというのも、半ニートの身にはなかなかしんどい。(主に金銭的な理由で。)

それが、GoToのおかげで宿代が35%引きになるというのであれば、思い切ってアクセスしにくい地域の博物館も見に行こうというものである。

計画するにあたって、主軸に据えたのは以下の4館。

福井県立恐竜博物館
恐竜立国を目指す越前福井が県の総力を挙げて立ち上げた博物館で、2018年にはのべ93万人も訪れたという大人気スポットである。

糸魚川フォッサマグナミュージアム
糸魚川フォッサマグナミュージアムは、その名のとおりフォッサマグナをテーマにした、地学好きにはたまらない博物館。
糸魚川ジオパーク関連施設の中核をなし、市立とは思えない質と量の展示がなされている。

国立民族博物館
民族学関連唯一の国立博物館で、大阪の万博公園内にある。博物館の常設展を見るだけで一日仕事だと聞き、民族学にはあまり強い関心を持たない僕でも興味津々なのだ。

泉鏡花記念館
泉鏡花記念館と、この前に挙げた3館を同列に並べる人はあまりいないだろう。だが、大学時代を泉鏡花研究に捧げたと言っても過言ではない自分にとって、この泉鏡花記念館に訪れるのは宿願なのである。

この4館をめぐりつつ、せっかく遠出をするからには途中途中の博物館や名所旧迹にも立ち寄りたい。

交通手段は?

しつこいようだが、半ニートである僕は、金が無い。
なので、交通費はできるだけ安く済ませたい。

同時に、ここ1年ほど、ダーリンハニー吉川の『鉄道ひとり旅』という番組にハマっているので、普通列車の旅もいいなぁと。
ちょうど今年の夏にテレビ神奈川で再放送していたのが北陸3県の在来線の旅だったので、ちょうどいいのではないかと。

そんなわけで、大原則として普通列車を使用することとし、有料特急や新幹線は使用しないこととした。

結果、大雑把にいうと以下のようなルートにすることにした。

都内からJR高崎線、JR上越線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインと乗り継いで糸魚川へ。
次いで、北陸3県を富山、金沢、福井と南下し、福井から大阪に出る。
その後、東海道本線で帰京する。

おおよそのルートが決まったら、今度は、上記4館の間の立ち寄り先としてどこを挟むのかという検討を始める。

その他の立ち寄り先は?

立ち寄り先を考えるに当たって、都内から普通列車で日帰り可能な範囲は候補から外した。そのような場所は、青春18きっぷの季節に行けば良いのである。

となると、今回のルート上でいえば北陸、関西、東海といったあたりなのだが、関西でも、兵庫や奈良などはルートから外れてしまうので、立ち寄りにくい。(奈良の国立博物館にも行ってみたかったのだが。。。)
加えて、博物館の開館時間が概ねどこも9〜17時であることを考えると、その時間内の長時間異動はできるだけ避けたい。つまり、立ち寄り先同士はできるだけ近しい場所であることが望ましいということになる。

また、いくらGoToで宿泊費が割り引かれるといっても、1泊増えればその分キャッシュアウトが純増するので、できるだけ日程をコンパクトにしたい、というジレンマもある。

さらには、土日の博物館は混むので、全日程を平日に収めてしまいたい。

それらの諸々を勘案した結果、以下の5日間の日程で仮組みをした。

1日目(月曜日):
都内を出発して、糸魚川まで移動して終わり。

2日目(火曜日):
早朝に、糸魚川のヒスイ海岸で翡翠を探しながらブラつく。
午前中は糸魚川フォッサマグナミュージアム。
昼過ぎから移動して、富山県の立山博物館へ。
その後金沢へ移動して投宿。

3日目(水曜日):
泉鏡花記念館と兼六園と金沢城をめぐった後、福井に移動し、午後は福井県立恐竜博物館に費やす。
その後大阪方面に移動して、万博記念公園近くで投宿。

4日目(木曜日):
朝から夕方まで国立民族博物館。
その後愛知県豊橋へ移動して投宿。

5日目(金曜日):
午前中は豊橋市立自然史博物館
その後移動して、浜松で浜松餃子を食べた後、掛川で掛川城見学。
帰京。

ここまで計画を立てた時点で、あることに気付いた。
福井県立恐竜博物館は第2・第4水曜定休、国立民族博物館は水曜定休だったのだ。

すでに旅行日程を10月最終週と決めてしまっていた(半ニートでも多少は仕事のスケジュール調整が必要なのだ)ので、北陸→関西→東海のルートでも、その逆周りでも、この「水曜定休」の罠に見事にハマってしまう。

さらには、福井県立恐竜博物館の立地が、福井駅からめちゃくちゃ遠いということにも気付き、どっちにしろ5日間で回り切るのはかなり難しいと判明。
やむを得ず、1泊延ばして、以下のように日程を組み替えた。

1日目(月曜日)、2日目(火曜日):
先の計画に同じ。

3日目(水曜日):
泉鏡花記念館、兼六園、金沢城跡、東茶屋町、長町武家屋敷跡、徳田秋声記念館、室生犀星記念館をめぐったあと、福井に移動し投宿。

4日目(木曜日):
朝から昼過ぎまで福井県立恐竜博物館。
その後、一乗谷へ移動して一乗谷朝倉氏遺跡資料館と朝倉氏遺跡をめぐり、万博記念公園近くまで移動して投宿。

5日目(金曜日):
先の計画の4日目に同じ。

6日目(土曜日):
先の計画の5日目に同じ。

このように、金沢の滞在を延長して福井入りのタイミングを調整した。
結果、金沢では観光スポットや作家の記念館などをめぐる時間が得られ、福井では一乗谷に寄る時間を捻出できた。

なお、基本的には普通列車と路線バスで移動するのだが、糸魚川と富山の間だけ北陸新幹線を利用することにした。でないと、立山博物館の営業時間に間に合わないためだ。

果たして体はもつのか

こうして5泊6日の旅程を組んではみたものの、すでに年も若くない我が身が、この行程に耐え切れるのだろうか。

ただでさえ、いまだ新型コロナも落ち着いていない情勢の中で旅をするわけだから、過剰に疲労することで抵抗力を下げるようなことがあってはならない。旅行中はいつも以上に栄養摂取と睡眠に配慮することが必要だろう。

また、今回の行程は、ベースキャンプを定めてそこを起点に出歩くといったスタイルではなく、旅から旅への一筆書きスタイルである。ということは、基本的には6泊分の荷物を背負っての移動になるということだ。
しかも荷物には、半ニートながらも取引先からの連絡に対応しなければならない可能性を考えて、パソコンとその付属品も含まれる。重い。

この荷物の負荷が、長時間の電車移動と相まって腰に深刻なダメージを与えてくることは予想に難くない。

「旅で日本を元気にしよう。」の謳い文句に踊らされてみたはいいけれど、自分が元気じゃなくなったら元も子もないのだ。最大限に気をつけなければなるまい。

その2に続く)

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