三題放詩④
三題噺スイッチというサイトで、ランダムで表示されたお題を使い制作した詩の第四弾。
三選を掲載しております。
食虫植物(お題:花咲く木、職人、誘蛾灯)
花咲く木より
漂う香りは
甘く危険な
誘蛾灯
獲物を誘って
引きずり込んで
じわりじわりと
捕食する
染め物職人
命をかけて
それを採取し
持ち帰る
鍋で煮出して
染料作った
染める織物
妖しく煌めく
目にした者たち
虜となって
奪い合っては
惨劇を成す
舞台役者(お題:鉱床・鉱脈、役者、野菜)
露天で掘られた鉱床は
天然の石舞台
中央に立った大根役者が
ひとり芝居に興じる
器用に役を演じ分け
観客たちを引き込む妙技は
血のにじむような
努力の痕か
心血をそそぐ迫真の演技に
ただただ魅いるのみ
双子の沼(お題:沼、双子、軸・額)
双子の沼がありました
鏡を軸に写したみたいな
とても似ている沼でした
色も同じで形も同じ
見分けることのできない姿に
人は迷っていつも間違う
だけどじっくりよく観てみると
泳ぐ魚が違います
生えてる苔も違います
だから他の生き物は
ちゃんと区別ができていて
間違うことなくやってきます
だけど人には区別ができず
いつも迷って間違うばかり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?