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農業エンジニアの移住ドタバタ日記(3)~超一流のプロ、学ぶことを止めない~

本記事をご覧くださいましてありがとうございます。はじめまして。私は、山梨県北杜市に移住した農業エンジニア(Ph.D. (農学))です。2023年7月に前居住地から引っ越し、犬猫とともに、この地にやってきました。以前は、とある地方の教育・研究機関に所属し、教育・研究に携わっていました。さて、そんな農業エンジニアが、身を置く環境を変え、日々に感じたことを、ゆるゆると綴ってゆきたいと思います。

さて、今回は、「超一流のプロ、学ぶことをやめない」です。たまたま、仕事の都合で、猟師さんとか、木材加工のプロ、もちろん、プロの農家さんや地域の文化財の保全等に関わっている人たちと、ともに行動し、とある森林生態系を現地視察する機会があったのですよね。

視察に行ったのは、甲武信ユネスコエコパークです。環境保全・学術研究機能・社会経済の持続的発展の3点を、行動指針にしています。トップページ - 甲武信(こぶし)ユネスコエコパーク 公式サイト|Kobushi Biosphere Reserve (kobushi-br.org)

「生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)について。ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画(1971年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業)の一環として1976年に開始されました。ユネスコエコパークは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。(認定地域数:134か国738地域。うち国内は10地域。)※2022年6月現在。世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的とするのに対し、ユネスコエコパークは自然保護と地域の人々の生活(人間の干渉を含む生態系の保全と経済社会活動)とが両立した持続的な発展を目指しています。認定地域は、域内の自然の成り立ちや、そこに育まれた歴史文化に対する理解を深めるほか、地域づくりの担い手を育成することが期待されています。また、世界ネットワークの一員として、認定地域同士の学び合いを通じてさらに取組を進めることが求められます。生物圏保存地域(ユネスコエコパーク):文部科学省 (mext.go.jp) より引用。

まぁまぁ、そのようなところを、地元のその道のプロたちを歩きつつ、意見交換をしたり、森林観察体験をしたわけです。そこで、私なんぞは、農業工学が専門のエンジニアとはいえ、林学には明るくないので、まぁ、ガイドさんの指示どおり、あっちをみたり、こっちをみたり、いろいろやってたわけですね。

そして、ある時、森林ガイドさんが、「みなさん、木の根元に座って空を眺めてみてください」というような指示を出したのです。私なんぞは、大木の枝や、木の葉が光に透き通ってきれい~~~すてきねぇ~~~、程度の感想です。

一方で、同行させてもらった、地元のそれぞれの分野の専門家は、「この木は目が詰まっていて、〇〇に加工するのにぴったりだ」とか「あれ、ここのシカの通った形跡があるね」「ここは、イノシシが通ったかもしれんね」「ここは、動物の通り道になっているね」などと、とんでもないことに、次々と気が付いてゆくわけです。さすが、プロです。すごいな~~と、眺めていたんですね。

そして、会合が一区切りついたときに、おそらく、地区でもっとも、森林やその生態系に詳しいであろうプロ(猟師歴ウン十年)がこんなことを発言したのです。

「わたしは、森や山を職場としているし、数えきれないほど森林・山に入る。しかし、このような(木の根元で空を眺めること)は初めてだった。そして、木漏れ日の光がキラキラと花火のように美しいことを知った。知っていたようで、知らないことがたくさんあった。教えてくれてありがとう。良い経験だった。」と。

ちょっとビックリしました。研究者は「自分は、専門分野であればそれなりに知識はあるが、それ以上に、自分には知らない事柄がたくさんある」、ということを、肝に銘じるよう、指導教官や先輩たちによって、教育を受け、見につけます。そういうことに、とても似てはいますが、、、トップクラスの方がまさか、ここまで、素直に表現をするとは。。。

なんでしょうね。単に「謙虚」というのとも少し違って、「知っていること」「知らないこと」「(誰かのおかげで)学べたこと」をベテランだからこと、その峻別ができていたということなのでしょうか。

今回の、出来事を通じて、「知っていたようで知らなかったこと」を(誰かのおかげで)知ることができたなら、こんな風に、素直に感謝したいな、と思ったのでした。

さて、みなさんは、こういう経験はありますか?「知っていたつもりだったけど、見方を変えたら、見えなかったものが見えてきた」、みたいな??そんな出会いがあるといいですね。。。

さて、今回はここまでに致しましょうか。では、また。。。

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