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貫く五感とたゆたう私

よく当事者の語りなどを読んでいると感覚過敏に関して述べている人が多い。
私も同様に感覚の過敏さを持ち合わせる当事者である。このようなものにさらされた時、私は体調が悪くなる時もあるしそうでないこともある。
また人によって程度も異なる。すべての当事者が同じわけではない。

私には以下の感覚に過敏さがある。(なお、感覚プロファイル等を行ったわけではないため個人の経験に依存していることに留意してほしい)
そしてある程度生活に支障が出ているという事実である。

1.視覚
 まぶしいところは苦手。人混みに繰り出せば体がぐらぐらしてくる。それをかくして移動しなければならないため人と会話なんてしてる余裕はない。だんだんと頭が痛くなってきて、自宅に帰ってきたら大体しおしおになっている。比較的余力があれば頭痛は生じないこともある。(聴覚の物とある程度関連づいている可能性)

2.嗅覚
 私にとって特に日常生活に激しい支障をきたすものである。アルバイト先のトイレは入るだけで吐きそうになるし、香水の匂いは私の脳天を貫いて頭痛をもたらす(バイトの時はトイレのためだけに休憩時間に出かけることになる)。一回小学生の時にはヤギ小屋掃除で吐くといういらない実績解除をした。イブサンローランで香水のテスターをもらってうっかり嗅いでしまい(鼻腔から「素敵な香り」が脳天を貫いて激しい頭痛に見舞われた)、もらって10秒で友人にあげた。

3.触覚(正しくは皮膚感覚)
 人から触られるのはあまり好きではない。昔はより顕著だったが現在は状況、人物などに依存して生じる。特に腕をつかまれた時にはその時の生ぬるい体温、皮膚のかさかさとかぺたぺたなどが長くて1時間程度は持続してのこっている。長袖とかの時期はあまり気にならないし、親しい人の場合は特に問題がなかったりする。

4.聴覚
 「カクテルパーティ効果」が機能しにくいといわれているが御多分に漏れず私も同様である。テーマパークなどに行くことはいいが周囲の人の雑談、音響などに圧倒され、人の話を聞けない状況になる。また、うるさいところだと体がグラグラしてきて歩くことで精一杯になる。(選択的注意の問題と関連している可能性もある

味覚は通常の域にあると考えられている。むしろ何でも食べる。

出かけるときはイヤホンを必ずしていく。音楽ですべてをごまかすことで安心して出かけられる。

しかし、勤務時間などでどうしてもイヤホンが付けられないときもある。そのようなときは裏にすっこんで事務作業に徹するしかない。

またこれに類似したものとして天気に体調が左右されやすいといったものがある。

私は天気が悪いとものすごくだるく感じる(ただだるいの定義がわからないので、体がなんか重くていつも以上に集中ができないといった身体感覚を覚える)。

今までこれらの感覚に対して「8割過敏なのかな?2割病は気からって言うし気のせいじゃね?」という感じで、じゃあ気のせいかと何故か2割の方を採用していた。

ただ、流石に何回も何回も「頭痛い!グラグラする!話なんかしてられないよ!」という状況になれば「本当に気のせい?」と疑問に感じてしまう。

もちろんバイトのときは店内がうるさくて体がグラグラしてきて社員さんの指示とかが頭に入らないような状況でも耳をふさぐことも休むこともできない。(もちろん耳栓もできない)

帰宅するときにはもうフラフラでまっすぐ歩いてない。ゾンビみたいに歩いてる。濁流に流されそうになって、でも流されないように小枝にすがって掴んでいるような状態で5時間働けばそれはそうなるなという感じ。

人混みで揺蕩うように歩く私は今日も友達に腕を組まれながら流されないようにして歩いている。


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