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三船栞子が「無駄の象徴」になるまで

 ラブライブ!シリーズで感情が揺さぶられる場面と言えば、やはりライブですが、ことストーリーに関して言えばどんな時でしょうか?

 私ならば、それは「スクールアイドルをやりたい!」と叫ぶシーンだと答えます。ラブライブ!で言えば1期3話のこれ以上スクールアイドル活動を続ける意味があるのかという絵里の問いに対して、穂乃果の「やりたいからです!」と向かっていく場面。同じく1期4話のどう考えても泣ける劇伴である「花陽の決意」が流れるなか、「アイドルへの想いは誰にも負けないつもりです!だからμ'sのメンバーにして下さい!!」と勇気を見せるシーン…………グスン。

サンシャインならば1期4話の「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」もそうですし、2期12話の梨子の「今を精一杯全力で、心から!スクールアイドルをやりたい!」などなど………理屈や理由などではない、「やりたい」という想いで動く始まりの一歩の場面というのは、シリーズ問わずどれも素晴らしいシーンですね。

 そんな心から心のみで叫ぶシーンを、スマホゲームである「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」通称スクスタからも見つけましたので、ストーリーを振り返りながら味わいたいなと思います(ここからはスクスタメインストーリーやキズナエピソードについて触れていきますので、ネタバレを回避したい方はご注意ください。)



 一体、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の誰がスクールアイドルをやりたいと叫んだのか。それは既存のメンバーではなく、ここ最近仲間に加わった三船栞子でした。

そもそも栞子は「やりたいことをやりたいようにさせてはくれない」子でした。どういう意味かというと、メインストーリーの13章からその様子は窺えます。

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新入生へ向けた学校説明会の部活動紹介についてのミーティングで見せる、生徒一人一人の適性と将来性を重視したプランニングは、部活動選びを絶対に失敗させぬようにサポートするという栞子の気概を感じられます。しかしそのあまりにも徹底した管理っぷりによって、生徒からの同意は得られず、部活動紹介どころか学校説明会自体の開催が危ぶまれることになります。

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栞子さん、悩んでます。そして「やりたいことをやる」ことに強い疑問を持っています。適性や将来性が感じられないことを行動に移すことを栞子は「無駄」と表しています。

そこで部長である「あなた」は生徒会の仕事を手伝うことを条件に、栞子にやりたいことをやり続けている輪の中に一度入ってみないかと提案します。スクールアイドル(仮)の三船栞子の誕生です。



 栞子は同好会のメンバーと共にスクールアイドルに触れることで、少しずつですが「やりたいことをやる」ことへの考えに変化が現れます。とりわけここでは、歩夢が自らライブ出演を志願する一幕が印象的です。

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(「譲って」という表現が何とも彼女らしいですよね)

 説明会の時間の都合上、個人活動がメインの虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、ひとりしかステージに上がれません。同好会メンバーは歩夢の意志を呑んで、歩夢がライブを披露することになりました。となると、当然残りのメンバーは部紹介のステージには上がれず、歩夢のバックアップに回ります。栞子にはステージに上がれなかったメンバーの「やりたいことをやる」ことが出来なかった努力は無駄になったと考えます。

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 「あなた」は無駄になっていないことを栞子に伝えます。そして同好会のみんなを見てなにかを感じてほしいと願います。
もしスクールアイドル同好会を体験せずに、歩夢だけが部紹介のステージに上がるという結果だけを聞いたならば、栞子は選ばれなかったメンバーの努力は無駄になったとしか考えられなかったでしょう。

しかし今は選ばれた者も選ばれなかった者も混在する場に居合わせているのです。お互いの様子を見て、考えるのではなくもっと直接的に感じるものがあるはずです。

そして選ばれた者である歩夢もこう続けます。

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ひとりだけど、ひとりじゃない。その意味を栞子は、選ばれた歩夢と選ばれなかった歩夢以外のメンバーと、同じ時間を、同じステップを踏むことで感じ取っていきます。

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ステージに上がれるメンバーが決まった結果だけでなく、決まるまでの過程や、決まった後の振る舞いに触れることで栞子も少しずつ変わってきました。




 いよいよ学校説明会が開かれます。同好会内でスクールアイドル歴が浅く、会場に居る中学生と一番境遇が近い、上原歩夢によるステージの幕が上がります。


ここめっちゃ好きなんで、何も言わず見て下さい↓↓↓



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可愛くないですか???



あまりにも可愛かったのでつい4コマ漫画にしてしまいましたが、体験入部とはいえ同好会のメンバーになった栞子が観た初めてのステージということで、とても特別なシーンに私には見えました。

思わず見切れるほど前のめりになってしまうところも可愛いのですが、それほどまでにライブに魅了されて、裏方が向いていると言った子が自然に表舞台へと惹き込まれていったのなら、より素敵だなと思いましたね。いやもうこれTOKIMEKIですよ。

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ライブ後の栞子の感想からも、「惹きつける力がある」と言ってくれています。これはイケるかもしれませんね。勧誘しましょう!

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ダメでした。イケると思ったんですけどね……。




 学校説明会が無事終わり、スクールアイドルフェスティバルに向けて改めてまた舵を切ります。虹ヶ咲学園をフェスティバルの開催場所にするアイディアを栞子に提案した同好会でしたが、開催にあたってスタッフのボランティアを1000人集めないと実行は不可能だと言われてしまいます(後にこの1000人という数字の重さがのしかかることになります……)

とはいえ、ひとまず部紹介のライブ、そして学校説明会を成功することが出来たので、歩夢発信で直近のライブと日頃の感謝、栞子は学校説明会成功のお礼として、「あなた」に贈るプレゼントを一緒に買いに行くことになりました。いつの間にか連絡をとるような仲になっていたんですね。

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しかしながらこの「あなた」への感謝としてプレゼントを贈るのは、栞子にとっては学校説明会を成功に導いたからとありますが、学校説明会が成功できたのは何も「あなた」の尽力だけでなく、歩夢のかけた言葉が成功へのヒントになったのではないかと思います。

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「見守る」、「信用する」。この言葉は学校説明会に向けての最終ミーティングでも出てきました。

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歩夢とミーティングに参加したせつ菜は、やり方はどうであれ、如何なる時も生徒のことを重んじる栞子を信じて、見守ることにしました。それと同時に、栞子も無駄だと思う活動を全否定するのは改めた方がいいのかもという可能性と、そう思わせてくれたスクールアイドル同好会を信じて、「やりたいことをやる」ことを見守るという選択をしたのではないかと考えられます。
よって学校説明会の成功は歩夢のまっすぐな言葉もその一端であったと思いました。



 なのですが……そんな2人が一生懸命探して考えたプレゼントが、ボランティアを1000人集めると躍起になっている「あなた」に届かないという事件が発生してしまいます。

歩夢もあなたも大ゲンカからの引っ込みがつかなくなり、歩夢はスクールアイドルを辞めようとまでします。

そんな歩夢を、歩夢と「あなた」の2人を、同好会を、そして結果的にスクールアイドルフェスティバルを救ったのは、栞子でした。

そして栞子は、歩夢を終始見守るようなスタンスを保って、事を窺っているように見えました。栞子は歩夢を、歩夢の「やりたいことをやる」という気持ちを信じていたのです。それは歩夢が同好会の部室に戻ってくる様子から見てとれます。

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「スクールアイドルは無駄なこと」と述べていた栞子が、「スクールアイドルを続けたい!」という言葉を待っていた。それだけでも観ている側としては嬉しいのですが、ここから適性や将来性を取っ払った、「やりたいことをやる」歩夢のサポートを全力で行う栞子の表情を見てほしいなと思います。

「あなた」がどれだけスクールアイドルを愛しているかを生配信で伝えようと、栞子がカメラをセッティングし、準備は出来たかと歩夢に確認するシーンなのですが……

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ほんの一瞬でした。スクショ撮るのが最初追いつかないほどの一瞬だけ、栞子は……

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にこやかに笑うのです。一度スクスタを開いて確認してみてほしいぐらいです。第16章の7話です。ホントに一瞬だけ振り向いて笑うんです。その表情の何と楽しそうで嬉しそうなことか!

この配信をきっかけに1000名のボランティアを集め、スクールアイドルフェスティバルは晴れて開催の運びとなります。





 配信を手伝ったとはいえ、これ程までのうねりとなったことに栞子は驚いている様子でした。

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人の心を動かすスクールアイドルの凄さについても驚いていますが、それは自分には出来ないと放つ場面もありました。

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しかし、今や「やりたいことをやる」ことに全力を注ぐことが出来ている、優木せつ菜からは、人の心を動かす原動力である「情熱」を栞子には持っていると太鼓判を押します。

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 かつて相反する相手だった優木せつ菜とも笑い合えている栞子ですが、ここにきてもう一人、長らく相反していたであろう姉の薫子と出会います。今やお互いがスクールアイドルの魅力を共有できている者同士の会話は、みなまで言わなくても分かり合えているようでした。

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栞子はスクールアイドルに入れ込み過ぎた余り、何もかも失った薫子のことを失敗した人だと考えていました。
しかし今は、薫子が失ったものばかりではないことを知っています。

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薫子は栞子の気持ちは自分と同じだと言います。そしてスクールアイドルで得られるものを欲している。言い換えればスクールアイドルになりたいのではないかと問ています。

ここで2人の会話は終わります。あとちょっと。あと少しで栞子はスクールアイドルをやりたいと叫ぶことが出来そうなんです。



最終的に誰が彼女の背中を押したのか。





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それは歩夢の配信前に栞子が伝えた言葉と重なります

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 ラブライブ!の登場人物は嘘つきばかりです。気持ちに蓋をしている子ばかりです。ホントはやりたいことが目の前にあるのに、出来るかどうか不安、今更どんな顔をして仲間に入れてもらえるのだろうか、私が居なくても充分大丈夫だ、様々な理由を重ねては離れようとしてしまいます。しかしながら当然です。踏み出す一歩は、なかなかひとりでは生まれません。

私が冒頭に述べたスクールアイドルをやりたいと叫ぶ好きなシーンはどれも、やりたいと叫んだ彼女だけのチカラではなく、傍に居てくれたり、背中を押してくれたり、抱きしめてくれたりと勇気づける「誰か」がそこに居てくれるから彼女たちは踏み出せたと思います。

とりわけスクスタではそれを

「あなたと叶える物語」というらしいです。

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編集後記

 編集後記ってブログでも適応されているんですかね?
えーここまでお読み頂いた皆様ありがとうございます。ハミーと申します。
編集後記として書くつもりはなく、ブログの一部として書き上げるつもりだったのですが、今こうしてブログを書き上げている途中で、パソコンの液晶が面白いことになったこと(後ほど画像をあげます)と、単純にこのままこのパソコンが逝ってしまうのならば、ちょっとした弔いのつもりで書いてみようかと思った次第でございます。まずは一度、現在の液晶の状態を見てもらいましょうか。はい、こんななってます。どーん。




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何なんですかねコレ。3000字あたりでこんなんなったんですけどね。凄いことですよね。栞子と歩夢のことを書いていたら、突然パソコンの画面が一面ライトピンクに、ちょっと下だけ翡翠色となりました。noteの新しい機能なんですかね。

自分語りなんですが、2年前に初めて今こうして僕が向かっている自分用のパソコンを買ったことがきっかけで、前々からやってみたかったブログに挑戦しようと思ったんですよね。

このブログを書き上げたら、何事もなく液晶が直っていたら良いんですけど、もしこのまま戻らなかったら、このパソコンで書き上げる最後の記事なのかと思ったら、こんな画面になったのもなんか感慨深いなーと思った次第であります。僕の使い方が悪かったんでしょうけれども、うん。ゴメンね。

今回はまた、たまたま栞子を取り上げたということで思うのですが、こんな感じでブログを書くなんて「無駄」と言えば「無駄」なんですよね。

当たり前ですが何かしらのお金が入るわけでもないし、僕はかなり書くのが遅いので、この記事自体も丸2日の連休を使ってやっと書き上げたので、今更ながら文章考えるの向いてないんじゃないかなと思うことも多々あります。適性は無いのかもしれません(笑)

2年経って約20記事(お蔵入りの下書きも合わせて)、月イチペースで書きたいと思っていてもなかなか出来ず、今に至っております。

伝えたい言葉が出てこなかったり、伝えたいこともボヤっとしていたり、何時間も机に向かってはただ座ったり意味もなく立ったり、「あぁ!出来ん!!書けん!!!」と叫んだりしてばっかりです。

だけど、何か一つの記事を書き上げたとき、それを公開設定するとき、ありがたいことに書いた記事に感想を頂いたとき、その瞬間は、小さな世界の取るに足らない独り言でも、満足感や達成感、読まれるのかなというドキドキ、これらを総合するとギリギリで楽しいが勝っているんです。今のところ。

だから無駄かもしれないけど、無駄じゃないことがたくさんある。僕にとってブログを書くことはそんな大切なものだなと改めて思いました。



 今回は初めてニジガクの記事を書きました。僕はニジガクの1stライブは仕事で観れず、リアルタイムでライブに触れたのは、最近配信された2ndライブが初めてでした。

このライブに合わせてスクスタもキズナエピソードを読んでみたりしてやっと、こんなですが記事が書けるぐらいの熱量が生まれたところです。


でも、ニジガクのアニメが始まるまでには何としてでも一つの記事を書きたくて、現在10月6日、田舎の私の地元でもBSで放送された今、第1話を観ないで壊れた液晶画面の前にこうして向かっています。

ニジガクのアニメでも「やりたいことをやる」ことの想いや叫びが観れたら良いななんて思っています。まぁこんな感じですかね。ここまでお読み頂いた方、ありがとうございました!

ニジガクのアニメ、ここまでお読み頂いた「あなた」と楽しめたら良いな!



2020.10.6 はみばらハミー








 



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