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HCD(人間中心デザイン) #1

はじめに 

2019年産業技術大学院大学履修証明プログラム
「人間中心デザイン」に入学しました。

毎年人気で応募が一瞬で埋まるプログラムだそうです。cronを仕込んで無事合格しました。
一緒に山形でプロジェクトをしている先輩に教えていただき、参加することにしました。
noteでは学んだことのアウトプットをしていきます。
テキストは以下を使用します。

UXデザインの教科書

教科書です

スケジュール

10/4開校
10/4,5,11 人間中心デザイン入門
10/12,25,26,11/2 UXデザイン論
11/9,16 ユーザー調査
11/22,23,29,30,12/7 ユーザビリティ評価
12/14,21 ユーザー分析
1/11,17,18 UXデザイン演習
1/24,25 仮説検証型UXデザイン持論2/1 クリエイティブファシリテーション論2/8 人間中心イノベーション2/15 デザイン操作論3/6 デザインプロジェクト設計論3/7 デザイン態度論3/13 デザインプロジェクト設計論3/14 HCD導入設計論

あーこっち貼ればよかった...
https://aiit.ac.jp/certification_program/hcd/pdf/r1_design05_2.pdf

入学のモチベーション

そもそも。入学願書から抜粋しました。

・ユーザーにとって気持ちのいい体験を提供するサービスをつくるために学び、今後の制作活動に活かしたい
・定量的なWEBサイト分析、サービス改善に加えて新たに手法を習得したい
・専門外の人も巻き込んだプロジェクトや組織において、企画をたちあげる際の新たな手法を習得したい
・何よりもっとたくさんの人に山形の美味しい豚肉を食べてほしい

※このプログラムを修了したからといってスーパーUXマンになれるということはない、ということを肝に銘じておく。

講義:人間中心デザイン入門 10/4-5

全部追っかけきれないので、特に重要と思われるポイントや腹落ちポイント、腹落ち無いポイントを重点的に。

まず以下を心に刻む

・現場の声を聴く
・利用状況・利用文脈(Context of use)をどう捉え、どう読み解くか

UXが求められる背景

「体験こそ商品」
1888年イーストマン・コダックが開発したカメラとフィルムはその技術ではなく体験そのものが革新的だった。
カメラとフィルムをKODAKに持っていくと、写真を印刷しさらにフィルムを装填して返却してくれる。

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消費の意味の捉え方の変化

モノの消費から経験の消費へ
昔はモノの供給で得られる価値のみ。これはモノの消費。マンモス食べたい>武器を作って解決!などがそう。
今は欲求があって、道具によって実現し、価値はユーザ自身が感じている。

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「はじめにUXありき」デザイン・コンサルティング会社frogのバイス・プレジデント ロバートファブリカント
UXデザインの能力が今や企業の収益を左右する!

人間中心デザインの哲学

身の回りのものと自分との関わりを意識する。そのモノを使って得たいい体験や悪い体験を言語化できるようにならなければならない。

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ユーザーとデザイナーの関係は「二次的理解に基づく」ので、限界がある。
ユーザーはデザイナーの意図を汲み取りながら人工物やサービスを使用し、デザイナーはリサーチなどでユーザーの理解を知る。

二次的理解

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参加型デザイン

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ユーザーを重視したデザインの歴史

産業革命との関わり
産業革命時にイギリスで線路がたくさん通った。海から内陸をつなぐ線路には統一された規格がなく、バラバラ。
というわけでドイツを中心に規格の統一へ。

英国では、産業革命により、労働や機会化を人の立場から考え直そうとする学問「エルゴノミクス」が発達した。
労働科学の中で人間は8hくらい働けば良いんじゃない?というものもここで出来た。
米国では、ヒューマンファクタという学問が発達。人間が機械を使用する際の信頼性や安全性を向上するための学問。
慣れ、習慣もヒューマンエラーの元になる可能性もあるので、初めてのユーザーばかり考えていても行けない!

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人間中心設計は「人とモノとの関わり」
時代とともにハード側要求からユーザー側要求の割合が増えてきた。
1960年台のコンピュータの登場により、働き方が激変。「使いやすいデザインをつくれ!」というような運動が起こる。

規格の話

ISO9241-210:2019(人間工学-人とシステムとのインタラクション-第210部:対話型システムの人間中心設計)
JIS Z 8530は上記の日本語版。
この規格は設計プロセスの管理者のためにある。インタラクティブシステムを設計及び開発するプロジェクトを計画・管理する責任者が利用することを意図している。appleの規格、androidの規格もみるべし。

見ておいたほうがよい規格・本まとめ
ISO9241-11 ユーザビリティ
ISO9241-110 対話の原則 インタラクション設計の原則
ISO9241-210/220 人間中心デザイン
ユーザーインターフェースの設計:ベン・シュナイダーマン「8つの黄金律」:基礎としてよむべし
JIS Z 8520 ISO9241-110:2016に対応する日本語訳
Apple UI ガイドライン
Google material design

UXの定義

ISO9241:210が示すHCDのプロセス
「システム、製品またはサービスの仕様、及び仕様を想定したことにより生じるユーザーの知覚と反応」
人間設計プロセスの4つの活動。それらは「相互依存」している。
※先に飛び越えて進むことはできない!

- 調べる:利用状況の把握及び明示
- 企画する:ユーザー要求事項の明示
- 設計する、つくる:ユーザー要求事項を満たす設計案の作成
- 確かめる:要求事項に対する設計の評価

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HCDの6つの原則

【人間中心設計の目的は設計プロセス全体を通じてUXを十分考慮することにより良いUXの質を達成すること】

1. 設計がユーザー、タスク、環境の明確な理解に基づいている
2. 設計及び開発の全体を通してユーザーが関与する
3. ユーザー中心の評価に基づいて設計を方向づけ、改良する
4. プロセスを繰り返す
5. ユーザーエクスペリエンスを考慮して設計する
6. 設計チームに様々な専門分野の技能及び視点をもつ人々がいる
参考:アジャイルUX 樽本さん

リアルで実現ができない問題がある

とりあえずリリースをうつこと。だめ。
「設計案がユーザーの要求事項を満たすまで繰り返す」ので、見積もりが難しい。
対策としては、ダメージレベルを決めるのもよい(sonyさんの例)。

ユーザー体験(UX)とは

体験価値+利用状況/利用文脈
ユーザーは定義しなければならない。
ユーザー体験(ヒト側)は「主観(ユーザーの知覚と反応)」これのコアがUX。ユーザビリティとは「モノ側の属性」

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UXデザインとはこれという定義は存在しない
が、4つほど定義を紹介
・ISO9241-210による定義
・UXPA(User Experience Professionals Association)による定義
・ニールセン-ノーマングループによる定義
・ハッセンツァールとトラクティンスキーによる定義

※学問的にはハッセンツァールとトラクティンスキーによる定義がよく使われる

4つの定義の共通点
1.主観的評価
2.消費者とユーザーの連続性・一体性
3.時間的・長期的視点
★消費者とユーザーの連続性

お化け屋敷のUX

時間の観点から考える。
出口付近にお化けがいて、驚いて出ていくヒトを入口で並んでいる人が見ている。
・入り口と出口が近い
・出口付近にお化け

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区切る時間が違うと、全く違う議論になる!

「今なんの議論をしているか」を考える
マーケター:予期的UX
エンジニア:瞬間的UX
マネージャ:エピソード的UX
CXマネージャ:累積的UX

UXとUXDを分ける

UX 体験・ユーザーの主観そのもの。個人的なもの
UXD それをデザイン、製品・サービスと仕組みを作る、体験が量産・再生産される仕組みをつくること

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まとめ

様々な視点から語られることが多いUXですが、このプログラムを通して自分なりのものを見に付けたいと思います。本日はここまで

参考文献


ISO 9241-210:2019「人間工学-人とシステムとのインタラクション-第210部:対話型システムの人間中心設計 Ergonomics of human-system interaction -- Part 210: Human-centred design for interactive systems」

JIS Z 8530:2019「人間工学―インタラクティブシステムの人間中心設計 Ergonomics of human-system interaction -- Human-centred design for interactive systems」

JIS Z 8520:2008「人間工学―人とシステムとのインタラクション―対話の原則 Ergonomics of human-system interaction -- Part 110: Dialogue principles」

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