見出し画像

仮ニートの石垣島旅3

与那国島からの航路を無事に終え、石垣島に到着した。しかし、悠長にしている暇はない。今日もまた別の島へ向かう。すぐに離島フェリーターミナルへ向かい、チケットを購入する。ところで、今までは早朝と夜しか石垣島にいなかったので、人がまばらだったが、昼間に来ると大勢の観光客で賑わっている。外国人の姿もチラホラ見かけるので、コロナによる規制が少しずつ緩和されているの感じる。ちなみに、本日向かうのは竹富島だ。あえて僕からの説明は不要なほど有名な島である。早速、竹富島行きの船に乗船するが、船内はほぼ満席状態。与那国島フェリーとはえらい違いだ。石垣島から15分程度で着いてしまうし、いくつかリゾートホテルもあるので、多くの人が訪れるようである。おそらく、拠点を竹富島にして日中は石垣島を観光する人が多いのだろう。家族連れやカップルが多く、賑やかでようやく観光地「沖縄」に来た感じがする。船も全く揺れない。先ほどのゲロ船より数倍快適である。しかも若い人達が多く、みんな竹富島に向けてオシャレにしている。ただ、僕は少々薄汚い格好をしており、心なしか周りから浮いているように感じた。よって、15分がとても長く感じた。

送迎サービスあったんかい

竹富島に着いた。何の疑問も持たずに港から歩いて予約した宿へ向かっていると、道中で予約している宿名が入った車が僕を追い越していった。あれ乗ればよかったじゃん。僕は心の中で叫んだ。どういうわけか、いつも人の厚意に甘えられないタチである。こちらとしては存分に甘えたいのだが、何故かいつもそうなる。不思議なものだ。まあ歩いても15分だから徒歩で行くことにする。しかし、歩いていると数多くの送迎車に抜かされ、宿まで歩いている人なんて僕しかいなかった。なんか悲しい。そんな悲しい気持ちを抱えながらしばらく進むと、あの有名な赤い屋根の集落が見えてきた。写真ではよくみていたが、実際に見ると結構感動する。いい!観光客も大勢おり、その賑わいもまたワクワクを増長させる。とりあえず宿にチェックインし、荷物を置いて散策をはじめる。竹富島は十分徒歩で歩き回れるし、めんどくさいので自転車は借りないことにした。島内にはカフェや雑貨店があったが、男1人ではどうも入りずらい。一心不乱に砂浜を目指した。20分くらい歩いてようやく到着した砂浜。めっちゃ綺麗、きれいな海は見たことがあったが、ここまで綺麗な海はない。すごいなここ。水温は低いので入るにはまだ早いが、ここで海水浴をしたらさぞかし気持ちいのであろう。しかも、ここは星砂が見つかるところらしい。砂も白く、人も少ないので、大変気持ちがいい。何より天気がいい。しばらく滞在してから宿に戻ることにした。

夕方が魅力的な竹富島

宿に戻る道中で違和感を感じた。周りがやけに静かなのである。さっきまですごく賑わっていた観光客がほとんどいなくなっている。なるほど、石垣島行きの最終フェリーが出てしまうと観光客がいなくなり、こんなに静かになるのか。この静けさが逆に竹富島の日常であるようだ。どこかでかすかに子供の声が聞こえたり、たまに島民同士が挨拶を交わしている。宿に戻り、窓から外を眺めていると何となくここに住んでいる気分になる。いい。これが竹富島の魅力なのか。この極端な変化はこの島に宿泊しなければ体験することができない。ちょっと高く付くけど竹富島に泊まって良かった。

人が居なくなるとちょっと怖い

宿で夕食を食べ終えた後、宿の人から夕陽が綺麗との話を伺って桟橋へ向かった。外の気温は日の入りが近くなると日中の暑さはどこかへ行ってしまう。すごく過ごしやすい気候になった。ただ、桟橋に向かう道中で誰にもすれ違わず、逆に寂しくなってしまう。道中の民家の家の前にデカい犬がいて、噛んでも責任とりませんという注意看板が立っていた。犬は僕に気付くとゆっくりこちらへ向かってきた。周りに人がいないので、ちょっとビビった僕は足早にその場を後にした。もうあの道は通らない。ほんとは噛まない犬で僕に甘えようとしたのかもしれないけど、やっぱ怖いじゃないか。僕が怪しくないとも言えないので、番犬だとしたら優秀である。

心に残る夕陽、怖気ついた星空

桟橋に着くと打って変わって観光客が多く押し寄せていた。景色を見て驚いた。こんな綺麗な夕陽があるのか。あまりの美しさに見惚れてしまう。周りの雲の感じも相まって幻想的な雰囲気である。緩やかに打ち付ける波の音だけが響き、時が止まったように感じる。ほんとに冗談抜きできれい。思わず長時間佇んでしまった。しばらくして一度宿に戻り、星空をまた見に行こうと心に決めたが、竹富島の夜道はほんとに暗い。明るい時は幻想的な街並みも街灯がないとここまで暗いものなのだろうか。桟橋まで行かずとも道中で十分星が綺麗だったし、夜道が怖いので心に決めたのにも関わらず、桟橋まで行くことはなかった。しかし、与那国の時よりも星が綺麗かもしれない。全方位で見れる。これはすごい、東京の時は星なんて見上げたことは無かったのに首が疲れるくらい見てしまう。

毎日泡盛飲んでる気がする

宿に戻ると、主人がぬんたくの準備をしてくれていた。私を含めて2名が参加し、島の風習や生活状況について教えてくれた。竹富島にはスーパーやコンビニ的なものはなく、週に数回石垣島まで買い出しに行かなければならないとのこと。水も500tしか石垣島から一日に供給されず、島民は節水しているとのことであった。ほんと気さくな方だったので、この夜は楽しく過ごせた。また、港に行けば日の出が見えるとのことであったので、早朝に散歩がてら行ってみようと心に決めた。

起きれた朝、不気味なカラス


翌朝、早く起きることができたので、港まで歩いて向かった。港には人気がなく、朝日だけが照らされており、幻想的な雰囲気である。ただ、竹富島にはカラスが多い、ほんとに街を歩くといたるところにいる。観光客の持つビニール袋が目当てらしく襲われている観光客もよくいるとのこと。朝も多くのカラスが飛び交っており、唯一の歩行者である僕を大勢で観察しているようで、気味が悪かった。
そのあと、宿に戻って朝食をいただきながら思い出したが、水牛を見ていない。竹富島といえば水牛が観光客を引いて移動するのが有名だが、たまたまかしれないが全く見かけなかった。道中に牛はいたが、どうやら食用らしい。しかし、この日は朝早く石垣島に戻るので、何だか忘れ物をした気分で宿の人に港まで送ってもらった。今回はちゃんとご厚意に甘えさせていただいた。竹富島も実によかったのでまた来たい。

急遽行先変更

石垣島についてから、明日のフェリー西表島チケットを購入しようとチケット売り場に行く。しかし、チケットは当日のみの販売とのことであったので、この日は買えなかった。ネットであれば購入可能とのこと。ただ、その券売所の方から何やら物騒な話を聞いた。何でも明後日行く予定の波照間島行きフェリーは運休になる可能性が高いとのこと。波照間島といえば有人島の日本最南端、今回の旅でもぜひ行きたい島だ。何より泡波という焼酎を手に入れたい。そのため、急遽予定を変更して今日日帰りで行くことにした。フェリーの時間までは少し余裕があったので、石垣島を散策することにする
。まずは桃林寺へ向かい、御朱印をもらいに行った。なんでも最南端の御朱印であるとのこと。ただ、たまたま行ったタイミングで地元の学生が合格祈願の祈祷?みたいなことをしており、ずいぶんと待たされてしまった。まあ、僕の御朱印より学生の進学のほうが優先度が高いので仕方がない。その後、髭が伸びてきたと思い、近くの散髪屋へ。何気なく入ったが、ここめっちゃおすすめ、顔剃りがすごくうまい。感動するレベルだった。

計画的な旅行を

波照間島行きの船の時間となり、再びフェリーターミナルへ向かう。往復7000円は痛いが、泡波が安く買えるなら問題ない。そう思い、フェリーに乗り込む。そこで一つ疑問が浮かんだ。今日は日曜日だけど酒造ってやってるのだろうか?とりあえず調べてみた。休みであった。痛恨のミス。もう波照間島へのフェリーは動き出している。しかも与那国よりもゲロ船らしい。ああ、無情、まあ行けないよりマシかと思い、ゲロ船は波照間島へ向かっていく。そういえば、乗船する前に船員の方に揺れますか?と聞いたら、波照間島ですから、との返答だった。波照間島ですから?それは何を意味するのか、僕にはその時はわからなかった。

滞在時間3時間の波照間島

波照間島に着いた、与那国のようにフェリーターミナルは閑散としている。フェリー近くでレンタルサイクルを借り、島内を周遊。まずは波照間ブルーとも呼ばれる海岸を見にきた。せっかく素晴らしい海を眺めているのに泡波が買えないと分かってからテンションが上がらない。ついたときは青空だったが、しばらくすると雲がかかってきたので急いで最南端の地へ向かうことにした。しかし、道中のチャリがきつい。島内自体は小さい島だが坂があったり、風が強かったりでなかなか前に進まない。しんどい。与那国での原付がなつかしい。いくら小さい島とは言っても自転車だとキツイ。ほとんど観光客ともすれ違わずに最南端に着いた。今現在、僕は日本で1番南にいる。そう思うとやはり感慨深い。これより先は荒々しい波が続いており、果てしない。少しずつテンションが上がってきた。ただ、雲が出てきたので早めに集落へ向かう。喫茶店があれば少し休んで行こうかと思ったが、どこも閉まっている。そういえば今回は島の飲食店にどこもいけてない。渋々浜辺に戻って海を見ていた。かれこれ30分くらいみると流石に飽きてきたので、また散策を開始する。すると先ほどは閉まっていた商店が開き出した。波照間島には5店舗の売店があり、それぞれが島土産などを置いている。そこで僕はどこかに泡波が置いてないかと考えた。確かに酒造のお膝元なのだから島内の売店に売っていてもおかしくない。とにかく近くの売店からしらみつぶしに探した。1店舗 ない。2店舗目ない。3店舗 ない。試しに泡波がないか店主に聞いてみると、またそれかというような顔をされ、今はどこもないよと言われてしまった。やはり、直売所がやっているときに来ればよかった。そう諦めかけながら4店舗目に伺う、毎回、同じ泡盛の「セイフク」とラベルが似ているため、見間違う。今回もあったと思ったらセイフクだった。しかし、よく見てみるとセイフクの隣に一本だけ別の酒が置いてある気がする。これは!鼓動が高鳴るのを感じながらおそるおそるラベルを確認する。泡波だ!やっと見つけた。波照間島売店ローラ作戦が見事に功を奏した。よかった。やはり人気なようで1人一本までと書いてあるが、残りが一本なので複数買うことが物理的に不可能である。まあそんなことはどうでも良く、店主に最後の一本ですね、やった!と言ったら、はい。と塩対応されたのもどうでもいい。650円で泡波を買えたことに大きな価値があるのだ!波照間島に来てよかった。着いた日に限って飲食店がどこも空いてなかったけど、きてよかった笑。そんなことをしているとあっという間に船の時間になってしまったので気分よく船に乗り込む。だが、行きはよかった船だが帰りは最悪だった。寝ようと試みたが揺れが強くてなかなか眠れず、だんだん気持ち悪くなってきた。何とか誤魔化してきたが、何やら込み上げてくるものがあり、トイレに急いで駆け込んだ。ギリギリ間に合って何とか周りに迷惑をかけずに済んだ。これは行きよりキツイ。トイレとお友達になった。

もう船は遠慮したい

石垣島についた時は大分グロッキーであった。よろよろと宿へ向かい、チェックインをする。そのまま、宿のトイレと仲良くなってしまった。気分が戻ってから街へ繰り出し、ユーグレナ近くの居酒屋へ行った。なんとなく入った居酒屋だが、ここがすごくいい。ご夫婦2人で切り盛りしているが、何を頼んでもうまい。ほんとに上手い。大将は強面でちょっと気後れするが話してみるとすごく優しい。何やら東京出身らしく、話が合った。美人の女将さんはお話上手ですごく話しやすい人だった。ジーマーミー豆腐、海ぶどう、山羊の刺身をいただいた。山羊の刺身?と半ば面白半分で注文したが何の臭みもなく、美味しい味であった。酒が進むと隣の席の客が話しかけてきた。どうやら、スキーのインストラクターとペンションを経営しているようである。知り合いの店がやってなかったからここにきたとのことであった。何やら仕事で嫌なことがあったらしく、逃避行の旅らしい。すでに結構酔っていたので、詳しい話はあまり覚えていない。同時に店を出たが、その人は夜の街に繰り出すとのことであったので、また逢おうと別れ、僕は八重山そばを、食べに行った。ここもたまたま入ったわりに結構美味しい。さっきの居酒屋でラフテーも食べていなかったので食した。上手い。酔っ払って泡盛の味の違いもわからないくらいだったので繊細な味の表現ができないが、めちゃくちゃ美味かった。満足して宿に戻り、眠りに入った。島には島の魅力があるが、石垣島のように栄えた観光地もいいものである。両方の良さを感じながら旅を終えた。実に充実した一日であった。

ノープラン西表島

朝起きたら雨が降っていた。今日は西表に行く予定だが、レンタルカーを借りておいてよかったと思った。今日はこのまま一日晴れないようなので、ツアーを申し込んでも寒かったのではと自分を納得させた。実はツアーを申し込もうとしていたのだが、どこも満員だったのである。西表島までのフェリーはほぼ満席であった。さすがに世界遺産ともなれば、そこそこの人が訪れるのだろう。他の島行きの船では特に何もなかったが、西表島行きの船ではフェリー会社の人達が手を振ってお見送りをしてくれている。島に優劣をつけるわけではないが、西表島は特別扱いされているようだ。途中、通りすぎる島の紹介も船内の紹介もされていた。小浜島、黒島、新城島。どれも行ったことのない島だが、今度機会があれば行ってみたい。

水牛しか記憶にない

西表島に着いたがあいにくの天気、すでに予約していたレンタカー屋さんが待ってくれていたので、そのまま店舗まで送ってくれた。道中ではここまで寒い日はそうそうないと話しており、ツアーも中止になっているとのこと。車を借りる手続きの際に、動物を轢かないようにとの注意を受けた。イリオモテヤマネコが引かれることが多いのだとか。島内も時速40キロ制限がかかっており、飛び出してきても止まれるようにしてくれとのことであった。何とかレンタカーを借りた後、西表島の端っこ、白浜港を目指して車を進める。西表島は石垣島よりも大きく、上原港に着くまでに1時間ほどかかる。強風の中車を進めていくがどこに行けばいいかわからない。とりあえず西表島を一周しようと試みてみたが、実際は半周しか道がなく、上原港についても特にやることはなかった。その後、白浜港まで行った。ここからイダの浜という綺麗なビーチまで行けるのだが、この天候では美しさも半減してしまうだろう。そう思い渋々引き返した。腹が減ったため、カレー屋さんに入った。なかなかいい味であった。結局何をするわけでもなく、大原港方面へ引き返した。ただ、次に向かう場所は楽しみにしていた場所である。水牛に引いてもらって入島する由布島である。西表島観光のメインイベントと言っても過言ではないだろう。予定よりも早く着いてしまったがしょうがない。水牛車待合所に着くと人は僕しかおらず、水牛は由布島に向かったばかりであった。まだここから遠くないところに姿が見える。一頭こちらに向かってくる水牛車がいるのであれに乗れば着くだろう。そう思いしばらく待っていると他の団体客らしき数名がきた。1人はガイドのようで、水牛に詳しいようで、あれは誰だろう?とこちらに向かってくる水牛の名前当てをしていた。僕はあんまり団体客と一緒に水牛にのりたくないので、次の水牛を待つことにした。団体客が水牛に乗り込み、僕も乗るように言われたが、断っておいた。他の人たちも不思議そうに僕を見ていたが、マイペースを発揮させてもらった。その後、数匹の水牛が帰ってきて、時刻より早めに水牛に乗せてもらった。水牛を1人で独占しているのだからこっちの方が断然いい。改めて水牛を後ろから見るとエグい筋肉をしている。お尻の筋肉なんて、ぶつかられたらひとたまりもない。体重は700gほどあるとのことで.この牛は最大16人までひけるとのことであった。途中水牛が立ち止まることがあるが、それは大体用を足す時なのだそうだ。野生の習慣で砂浜などは匂いがつき、肉食獣に襲われる可能性があるため海辺でするとのこと。この筋肉なら下手な肉食獣には勝てそうな気がするがこれも生きる知恵なのだろう。

結構楽しい由布島

由布島につき、チケット代を払うとウェルカムドリンクとしてパイナップルジュースが飲めた。これまた美味しい。由布島は全体が植物園になっており、周りを木が覆っているため、無風状態である。島内には水牛園があり、ここで水牛が暮らしているとのこと。水牛もシフト制で、今日は休憩中の水牛もいる。小さい水牛もここにいるとのこと。中へ進んでいくが何となく雰囲気がディズニーランドのジャングルに似ている。写真を撮ったりしている人もいた。僕は全体約15分で見終えてしまったが、由布島喫茶がよかった。ジェラートとコーヒーが美味しい。相性が抜群である。ただ、僕が行ったときは客がいなかったのでたまたま店の前の席に座ってしまった。すると、そこから何人も客が現れ、来る人来る人に食べているところを見られてしまい、ゆっくり味わうことが出来なかった。ただ、珈琲が美味しかったので思わず店の人に豆を販売して欲しいと頼んだほどだ。店の人も親切で、愛媛のコーヒー屋から仕入れていると教えてくれた。ありがとう。美味しいコーヒーに会って気分が良くなり、Tシャツとハンカチまで買ってしまった。それぐらいよかった。

水牛の話

帰りの水牛の話。もう今日は最後の便だったのでそのことを水牛も理解しているようだった。係の人曰く、早く夕飯を食べたいので帰りは速いとのこと。競走馬のようにたまに、お尻を叩くのだが、それがハエ叩きであった。なんか面白かった。周りの客も笑っていた。行きの人と違い、水牛の牛権を守るために用を足している時は客から見えないようにするという真摯な対応も素敵であった。水牛は牛舎に向けて真っ直ぐ進み、餌を求めて走り出していた。先ほどの待合所に到着し、その後レンタカーを返却し、ゲストハウスへ。途中レンタカー屋さんに送ってもらい、イノシシを食べれるところを聞いた。ゲストハウスでほ若い女性と中年男性がそれぞれの人生について熱く語り合っており、他の宿泊客は僕だけだった。あまりに早く観光を切り上げてしまったので、どうしてもいいかわからない。何より西表島は今日休みの店が多すぎて、行くところが少ない。しばし外で休んでいると先ほどの男がやってきた。少し話すと何とも人当たりのいい人で先ほどの印象を誤りたい。何やら沖縄好きとのことで、よく遊びに来るらしい。やはり旅は1人が気楽でいいと話していた。なかなかいい人だ。話を終えると、宿の自転車を借りてイノシシ肉を出すお店へ向かった。自転車だと大体10分くらいのとこにあり、開店と同時に行ったので客は僕1人であった。しかも何と泡波がある。今までの飲食店ではメニューになかったが初めて見た。おそるおそる注文して飲んでみる。今まで飲んできた泡盛よりきつい。飲みにくいという表現でもいいかもしれないが、アルコール度数が高い気がする。あくまで気がするだけだが。またメインのイノシシチャンプはほぼ生姜焼きの味がして全然クセがなかった。食感は牛肉に似ている気がする。上手い。

島の夜は暗い、輪に入れない僕

1時間ほどで居酒屋を後にし、自転車で宿に戻る。風が強いし暗いから怖い。必死に漕いで何とか宿に戻った。すると、宿の客が誰もいない。あれ?おかしいと思い、宿の人に聞くことみんなでホタルを見に行ったとのこと。またマイペースを発揮してしまった。1人静かなゲストハウスで過ごし、星空を眺めた。どうやら今日は曇っているらしくあまり星が出ていない、風もめちゃくちゃ強い。すでに宿泊客達は僕を抜きにして仲良くなっているので輪に入りずらくなり、空を眺めるしかなかった。長い休暇旅行も明日で終わる。残念だがしょうがない。なかなかいい経験だった。旅の始まりの時なんとなく感じる不安感を久しぶりに感じることができた。経験したことのない場所に一人で行くときはいつもそうだった。しばらく一人旅をしていなかったがこれを機に再開してみてもいいかなと考えながら楽しそうな宿泊客を横目に眠りについた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?