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「ピアノシュラハトIII」配信 直前談話

予告しておりました「Pianoschlacht(ピアノシュラハト)III」の配信について少し書きます。

配信についての詳細、配信対象国・地域、セットリスト等はこちら

「ベンヤミン・ヌス ピアノリサイタル 浜渦正志の音楽世界 Pianoschlacht III」は、2023年10月14日、東京の自由学園明日館講堂で開催したピアノコンサートです。

この時の様子を、本年1月6日日本時間21時よりノーカットで世界20の国と地域に向けてプレミア配信します。「疑似生配信」という視聴者全員が同じタイミングでコンサートを共有しながら観る、という形式です。また配信終了後も一週間いつでも視聴が可能です。是非ご覧下さい。

IIIとありますように、過去に2回このコンサートシリーズを開催しています。

第一回は2013年で、東京の白寿ホールと、兵庫県宝塚市のベガホールで開催しました。白寿ホールでは台風が直撃し、来られなかったお客さんが「自分の席を譲りたい」と次々と名乗りを上げてくださり、一人一人連絡を頂き確認をしながら空いた席を当日券に…という出来事がありました。全く混乱もなく当日のお客さんにお渡しすることができたのは素敵な思い出として強く残っています。またその後、来られなかった人になるたけ…という意味も込めて、追加公演をしました(どこだったっけか)。ベンヤミンの演奏の凄さは当時のセットリストを見るだけでも伝わってきます。「Sanzui」や「Etude Op.4」から「FFX」の「決戦」から、とんでもない難曲を何十曲も演奏してくれました。今回第三回のセットリスト検討のために当時の音源を聴いていたのですが、テクニック、情感、パワー、理解度、何をとっても規格外といった感じで、改めて驚愕していました。

第二回(2014年)は、東京の音楽の友ホールで二回公演、兵庫県尼崎市のクライネルザールで開催しました。このときはベンヤミンはもちろん、ヴァイオリンの桑野聖さんとチェロの結城貴弘さんにも参加していただいたき、また「貧乏神が!」や「ポレットのイス」などアニメ音楽も選曲して、非常にパワフル且つカラフルなコンサートになりました。ライブ音源のCDも発売しましたが、これは我がモノムジークのロングセラー商品になっています。

その後もドイツ・ケルン、フランス・パリなどでは私のユニットIMERUAT(イメルア)とベンヤミンの合同ライブを開催したりしましたが、日本では長らくやっておりませんでした。…と、今回のステージで「ベニーと日本でやるのは9年ぶり」的なことを話しておりましたが、よく考えましたら2015年にも劇場用アニメ「台風のノルダ音楽集」の投げ銭ライブをやっていたのを思い出しました。会場は田園調布で、無料配信もやっていたと思います。それでも今回の第三回は8年ぶりということになります。ちなみにベニーはノルダも好きらしく、度々演奏したいと話してくれていたので、次回機会があればセットリストに入れたいと思っています。

さて、今年なぜ第三回をやろうと思ったのかについて少し。ベニーとの「コンサートやろう!」の会話はもう何年もずっと続いていたのですが、ドイツやパリが先行してしまったり、遠方からということでタイミングが合わなかったり、コロナ禍が続いたり、新しいアイデアが思いつかなかったりでなかなか実現しませんでした。「新しいアイデアって、別に同じセットリストでもやればいいじゃん」という話でもあるのですが、そこがモノムジークの悪い癖というか、同じことやる恐怖症、告知以上の何かを用意しないといけない恐怖症のようなものがいつも邪魔していたわけです。今回突然ひらめいたのがアンコールの「天翔ける翼」でした。この曲をやりたがらない理由が色々あるというほどあるわけではないのですが、「そういえばピアノの楽譜はあったはず。そこに歌をのせたらどうか。ピアノコンサートのアンコールでなぜか歌手が登場。『…?』となったところで前奏。これなら?」そんなことを思いつくのに9年もかかってしまうほど遠い存在になっていたのは確かですが、オリジナルシンガーの柏原さんに連絡をとったところご快諾いただき、それで開催が決まったというわけです。とは言え「ピアノソロ」と「ピアノ伴奏つきの歌」はやはり違うもので、ピアノソロの楽譜の上に歌をのせただけでは、終始歌手とメロディをユニゾンし続けることになってしまいます。気づくと全編に渡って調整し直し、新規アレンジとも言えるくらいになっていました。またさらに「開催が決まったからには何かもうひとつくらい」となり、「神楽…あれは譜面を書くのも弾くのもキツイのでは。じゃああくまで耳コピ的に音を拾ったラフなスコアにして、ベニーにはインプロヴィゼーション的にやってもらうか。でもこの音はさすがに再現しないと。これも外せない。もっとこうあるべきちゃうか。そもそも何の神楽やっけ?間違えてへんよな?」などと色々と作業が進んでいって、「希望与えし『戌吠の神楽』」の楽譜が完成したわけです。MCでも少し話しましたが、ベニーにスコアを送信したところ「難しい!」「でもやってみる!」と返事が来て、その2日後には「弾けた!」と連絡が来ました。

演奏動画の一部はFacebook、Xで順次公開していますので、よろしければご覧下さい。
https://www.facebook.com/MasashiHamauzuOfficial
https://twitter.com/MONOMUSIK

ということで、この「Pianoschlacht III」を、2024年1月6日(土曜日)の21時(日本時間)より一週間、世界20の国と地域で配信します。是非「最後」までご覧下さい。他の曲についてもまたこのnoteの「事後投稿」で書こうと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。


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