【資金調達】事業計画の内容は相手によって使い分けが必要という話

 失敗しない事業計画のツボとコツ相談室です。事業計画、と一言でいいますが、読み手によって重視するポイントが変わってくるので、事業計画の作り方も変わってきます。

 1.銀行からの借入

 まず、銀行からの借入であれば、返済計画の妥当性が重要です。銀行としては、貸倒れ、つまり、貸した金がかえってこないことが最も避けたいことです。そのため、ちゃんと返済できるか、を見られます。

 あまり、背伸びした計画を作らず、確実に実行できることを中心にしましょう。野球に例えれば、ホームランよりヒット。確実にバットに当てていく姿勢が重要です。

 創業時には経営者自らが経営計画を説明することが求められますが、企業が成長して安定してくると、経理部長などが代理で交渉することも可能です。
 これは、返済可能性を主に過去の実績、数値面からみるからで、将来の夢や展望よりも、過去の数値の増減要因から将来の持続可能性を見られるからです。

2.ベンチャーキャピタルからの出資

  ベンチャーキャピタルからの出資では、成長性が重要です。ベンチャーキャピタルからは、出資先が大きく成長して上場やM&Aによる売却など、キャピタルゲインを狙っています。一発当たると大きいので、全出資先が成長する必要がありません。野球に例えると、確実なヒットではなく、三振するかもしれないが、特大ホームランを打つことが求められます。

 そのために、そもそも成長市場を狙うことが求められます。市場全体が成長しない成熟市場に新規参入しても成長は見込めず、急成長には市場全体の追い風が必須だから、です。

 また、経営者の資質も見られます。事業計画も大切ですが、そもそもベンチャー企業の事業計画は、不確定要素が多すぎて、なかなか当たらないもの。そのため、経営者の本気・やる気・能力が重要です。
 そのため、他社に代行させず、社長自らが熱く事業について語ることが求められます。

 事業計画も確実にできるもの、というよりも、可能性を信じた上場を狙える成長計画を立てなければなりません。

3.補助金

 最後に、補助金です。補助金での事業計画は、審査基準に合致させること。これだけです。

 補助金には、公募要領という資料があり、公募要領に審査基準が明記されています。この審査基準に合致する計画が必須です。経常利益率〇%アップ以上と記載があれば、必ずその通りになる計画とします。

 また、審査基準に合致していることを「見せる」ことも重要です。小規模事業者ならではの工夫が盛り込まれているか、という審査基準であれば、「××という点が小規模事業者としての工夫である」というように明確に記載します。
 これは、審査員が「短時間で、大量の事業計画を、書面のみで」判断するため、です。「読めばわかる、ではなく、見た瞬間に審査ポイントが目に飛び込んでくる」ことが大切です。

 

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