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新63期司法修習の集合修習中、司法研修所の自販機にあった「とされていた」ドライバーDについて

かねがね、私は国際私法や外国法についてnoteに投稿してきましたが、今回は全く異なります。

今回のテーマは、新63期司法修習生(司法修習とは、司法試験に合格すると、現在は1年(昔はもっと長かった)、国家公務員に準じた身分で、弁護士会、検察庁、裁判所、そして司法研修所でおこなう研修のことです。その後、弁護士、検察官、裁判官となります。)で、かつ、埼玉県和光市にある司法研修所で修習していた際に、「同研修所で自販機を利用していた方」のみを対象にしています。

これは、もう希少種もいいところです。お元気ですか?検察起案大地獄の二回試験から10年余り、皆様いかがお過ごしでしょうか。修習修了10周年の熱海宴会はいつやるのですか?やらないなら浜松でやりますか?


話を元に戻します。

今回のテーマは、栄養ドリンク「ドライバーD」をめぐる話です。少なくともツイッターをはじめとするSNSにおいては、この研修当時(2カ月強だけでしたが…)、自販機にドライバーDという栄養ドリンクがあったという記憶をもつ新63期司法修習を受けた法曹が複数名おりました。当然、私もその一人です(なお、あまりにも昔のことなので、当初この話題がでたときに、その栄養ドリンクの名前が思い出せず、他の同期からドライバーDといわれ「ああ!!!そうだった!!」と思い出した次第です。)。

しかし、おもしろいことに、このドライバーD、新63期司法修習以前の元修習生(62期以前)や以降の元修習生(64期以降)の方にきいても、
「見たことない」「しらない」
ということでした。

つまり、私の狭い観測範囲では、この(新)63期の複数名(私含め)だけが「そういえばあったよね」という記憶だったのです。したがって「勘違いしてるのでは?」「幻ではないのか」という意見も、過去多々聞いておりました。しかしながら、確かに私はドライバーDを飲んでいたのです。

例えばこれ。やはりドライバーDは私だけの幻ではないのです。

このドライバーDなのですが、ネットで検索しても全く出ないのです。まず、ドライバーという文字の影響で、ゴルフ系の検索結果しか出ないという最初のハードルがあるのですが、そこを超えてどれだけ探してもないという…いやでも飲んだことあったと思うんだけど…(これを何十回も繰り返すのです…ポリリズム未満で…)


そんなこんなで、毎度毎度、東京スポーツのツチノコ、又は過払いバブル以降の業界バブルのように、ないものねだりの幻想扱いにして、月日が流れていたところ、私は、ひょんなことから「清涼飲料水研究家」という肩書の久須美雅士様というお方を発見したのです。何せ発見した経緯を全く覚えていないのですが…ともかく、その研究家の方は自前で清涼飲料水研究のサイトを持っており、またツイッターのアカウントもお持ちでした。当該サイトには、問い合わせフォームがあったことから、「これは…ひょっとしたら分かるのではないか」という希望が生じました。まれなのぞみと書いて希望、その希望にすがりたかったのです。ありもしない上に恩恵にもあやかれなかった過払いバブルの亡霊をみるように…


早速、司法研修所のある時期にドライバーDという清涼飲料水(栄養ドリンク)があったこと、しかしながら検索しても出ず、他の時期に司法研修所で見た人がいないということ等を含め、不躾ながら問合せをさせていただきました。突然の問い合わせにもかかわらず、久須美様は、懇切丁寧に様々な可能性を示唆していただき(大変勉強になりました、国際私法以外にも世の中には面白いことにあふれています。もともと私もタブクリアメローイエローアンバサネーポンといった飲み物は認知していましたし、小さいころジュースを家で禁じられていたので、反動で清涼飲料水は好きでした。)、かつ、ご自身のツイッターアカウントで情報提供求めてくださいました。

情報提供をもとめる当該ツイートは、私をはじめとする数少ない「ドライバーD」の記憶のある法曹をはじめ、そのような記憶ない方も含め、多く拡散されることになりました。流石専門家です。

そうしたところ、当該ツイートにふれた、匿名の法曹の方(私は存じ上げており、大変尊敬申し上げており、是非私が先行する分野でもご指導願いたい素晴らしい先生です。)から、ドライバーで飲料の商標登録がなされていること、ちょうど私が研修中の時期と被って、当該登録会社が自動販売機事業から撤退しているという情報を得ることができました。これは!!!!というかその着想が全く私にはありませんでした。まだまだ不勉強ですね。

という感動を覚えたのもつかのま(くどいのですが)数少ないドライバーDの記憶を有する同期(この方も匿名ですが、私は存じております。)が、ならば自分が当該会社に問い合わせる、と、この面倒な訳を買ってくださいました。今般、その結果、やはりドライバーDは、当該会社にて当時製造されており、その後製品の生産が終了していること等を知るに至りました。ここでは割愛させていただきますが、背景事情等も知ることができました。

こうして
①清涼飲料水研究家である久須美様の専門知及び情報拡散力
②先輩法曹の着想、調査力
③同期の熱いパッション
④真摯にご回答いただいた元製造者の事業者様

これらが集結し、上記ヘッダーのドライバーDが存在したこと、その製造元等が判明するに至りました。これはインターネット時代でなければ不可能なことではないかと思います。なお、私は、過去司法研修所にこの件について郵送で問い合わせを行ったことがありますが、司法研修所には無視されています…

以上取り留めのない話題でしたが(携帯から移動中に作成しています。)司法研修所にあった、幻のドリンク、ドライバーDをめぐる、8年以上かかったお話でした。このことがなければ、探偵ナイトスクープに頼もうと思っていた点は比較的本気(マジ)です。

(special thanks: 久須美雅士様 Y's office先生 でさのよ先生 浜木綿弁右衛門君 ドライバーDの存在を今日まで信じて下さった全ての司法修習新63期の法曹の皆様 日東製薬株式会社様)




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