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ちくわちゃん誕生秘話、そして今

「本当に努力し続けているところ。そうして柔軟性もあるしね。」
「どんなことも無駄じゃない。いろんな可能性があって、これからどんな中身が入るのか楽しみでもある。」
「そういうところがちくわちゃんのいいところよね。」

 ある日、夢の中で一方的に告げられた言葉。あまりにもパンチがあった。

 告げられた言葉そのものではなく、僕の名前のことだ。

 僕の命名者である一方的に告げてきた主。

 ちくわちゃんの誕生だ。

 ちくわちゃんという言葉を耳にした瞬間、どこか納得感と、これから始まる物語の広がりを感じずにはいられなかった。しっくり度合いにびっくりした。

 非常に的確で、的を得ている主の感性。
 
 こんがりと表面を焼いてみたちくわちゃん。

 中身には、何を入れようかな。定番はある。だけど、どれもこれもしっくりこない。

 いろいろと試してみてはいるのだけど、どれもこれもしっくりとはきていない。

 定番はもう一通り試したし、今度は変化球も投げている。

 「君はちくわちゃんだろ。君がかたちを変えたらいいんじゃないか。」
 「生まれ変われと言っているのと同義だよ、それは。僕は僕そのものであって、いくらかたちを変えたってね。見た目であって、見かけを誤魔化しているだけになってしまうじゃないか。」
 「見た目がどうこうではなく、中身をどうにかしたいんだね。それはわかるよ。でもさ、見た目だって重要だよ。無視できないけどな。方向性の違いとも言えるかね。本当に君は真面目だね。もっと気楽にいこうぜ。肩の力を抜いてさ。」
 「お気楽でいいな君は。僕にとっては、とっても重要なことなんだ。とっても深刻なんだ。こうして現れ出てきてしまったからには、もうないことはにできない。無視できるようなことではないんだよ。僕にとってはね。薄々気づいてはいた。それを主に突きつけられたという感じかな。」
 「遅かれ早かれこうなっていたんだね。」

 いつものお決まりなやりとりなのだ。

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