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僕を怖がらせるもの

怖がらせるものと聞いて、一番に思い浮かんだのは昔住んでいた家の天井の木目です。寝る時にいつも目の前にあった天井。眠れないと、天井にある木目がなんだか動き出すようなそんな想像が広がっていきました。

目を閉じても、その木目が脳裏に浮かぶのです。忘れよう忘れようと意識すればするほど、そのイメージは鮮明になっていきました。そんな時には、再び目を開けます。

目を閉じて広がるイメージよりは、目の前の木目の方がただそこにあるという感じで平気でした。目を閉じても眠れないので、目を開けたまま羊を数えて、いつの間にか眠りに着いたことを思い出しました。

もう一つは、おばあちゃん家の広間にあった鬼の面です。和室の大きな部屋で、そこを通らないとトイレに行けませんでした。昼間は問題ないけど、夜になると僕を怖がらせる存在としての存在感が増します。

通るとつい目を向けたくなるため、覚悟を決めて真っ暗な部屋を走り抜けていました。怖いもの見たさもあったのかもしれませんが、怖いので上を向かないように、視界に入らないように全力疾走でした。

まだ小学生より前のことだと記憶しています。今もその時の感じが残っています。鬼の面の下には、長い槍も一緒に飾られていました。いつからあったものなのか聞いたことはありません。当たり前にそこに存在していました。

今も真夜中にふと窓を見て、人の気配を感じたら嫌だなと思いながらも、その窓をしばらく見て、影が映るのではと思ったりすることがあります。実際に映ったらそれはもう恐怖でしかありません。

真っ暗な場所でイメージがはじまった時、そんな場面に出くわすと、その場から立ち去りたいと急足に今でもなります。どうも1人でいる時に、そんなことをふと思い浮かべるのです。

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