メイクで上げる、自己肯定感
大学進学を前に、生まれて初めてコスメを買ってもらった。
ただ、母がファンデーションしかしない人だったのでファンデーションと下地のみ。
当時のメイクについての知識は「肌と目の周りに何かを塗る」というものしかなかった。
普通であれば、YouTubeや雑誌でメイクのやり方を研究するのだろうが、正直全く興味がなかった。
いや、メイクをする意味がよく分からなかった、と言うべきだろうか。
可愛くなるため?自分に自信を持つため?
大学に通い始めて衝撃を受けた。
みんな、ちゃんとメイクしている!!!
そんな中で中学生みたいな服を着て、メイクもイマイチな私。
必然的に、あまり見た目に頓着しない似たような友だちとつるむこととなり、ますますメイク離れは加速した。
大学の講義にすっぴんで登校したことなんて数知れずある。
ちゃんとメイクしようと思ったこともあった。でもちゃんと調べてやらないから、当時の彼氏に「目の上どうしたの、アザ?」とか言われたりしてその度に挫折していた。
そんな私の転機は、大学3年の誕生日だった。
バイトの先輩から、「いつもあんまりメイクしてないから、使ってみて」とアイシャドウをプレゼントされたのだ。しかも、オレンジとかピンクとか、キラキラしたラメの派手なやつ。(当時の感覚)
いったいこんなアイシャドウ、どうやって使いこなせばいいのか。
しかも、私メイクあんまりしてないって思われてたんだ…とショックだった。事実なんだけど。
なんとかして、できるようになりたい。
生まれて初めて、YouTubeでアイシャドウの塗り方を検索した。ぶわーっと動画がたくさん出てきて、何がなにやらわからなかったが、再生回数の多いものからとりあえず見まくった。
そこで、メイクの奥深い世界を知ることとなった。
数ミリ単位の世界で、自分の顔がどう見えるのかを計算している。
細い線ひとつで目が大きく見える。目尻に濃い色を置けばタレ目になる。ビューラーは根元から3回に分けてまつ毛をあげる。眉毛が1番大切なパーツだということ。キラキラしたラメはとてもかわいいということ。
メイクに興味を持ち始めた私は、暇さえあればドラッグストアに通いコスメを買い集めた。
色々研究してみた。
「なんか、気合い入れすぎじゃない?バブルみたい」
さて、そうしてメイクに目覚めた私だが、早くも心を折られることとなった。敵は思ったより身近にいたのだった。
私に、「目以外は美人なのにね」と言ってのけた友人。その時にも十分ダメージくらったのに、また「バブルみたい」とか言って心を折ってくれちゃうのか。しかし私はめげなかった、なんだかんだメイクが好きになってきていたし。
友人には気づかれないようにコスメを買い集め、練習を続けた。
そのうち、なにも言われなくなった。
メイクが上達したのか、それとも見慣れたのかは分からないが。
私にとってのメイクをする意味。
それは可愛くなるためでもあるけれど、第一には「戦うため」だと思う。
「バブルみたい」とか、「目以外美人」とか、大変失礼なことを言ってくる輩に対して。
上から下までじろーっと私を眺めて、なんやこのもさい奴って顔をする人。
もさい格好をしている時に限って、しつこく付きまとうナンパ男。
(しつこいナンパは垢抜けてない子を狙うらしい)
そして、メイクすることは今の自分からレベルアップすることに繋がる。
もし、今の自分に満足できずどうにかしたいと思っている人がいるのなら、まずはメイクを変えてみるのがおすすめ。
したことない人は、眉毛からでも挑戦!
見た目が変われば環境が変わるし、環境が変われば中身も変わっていくから。
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