最新の理論と言われている事が本当に最新なのか?

私が2016年オーストリアで再び監督としてヨーロッパに戻った時に感じたのが『ヨーロッパは自分が思っているより5〜10年進んだ、そして進化のスピードが毎週アップデートされるような感覚』という事でした。様々なアップデートを重ね、正直決して遅れているという感覚がなかった結果です・・

今、帰国して2年経ちますが、日本にいると努力していてもヨーロッパに住んでいる時よりも、情報の入り方が遅いと感じます。

UEFA加盟国内でのUEFAライセンスのおかげで情報が共有され、近年ウェビナーでは様々なセミナーが遠隔で受けれる様になり、またSNSでの発信のお陰もあり、最新の情報の共有が早くなりました。SVホルンではスロヴェニアから来た同僚たちとのディスカッショは自分のアップデートには大きな役割を果たし、改めて彼らの『情報の共有』の速さに驚きさえ感じました。

例えば近年日本でもようやく「プレイモデル 」という言葉が知られ始めました、1999年帰国した時、その言葉自体日本では一般的ではありませんでした。『型にはめるの?』という様な空気さえ感じました旧ユーゴやヨーロッパでは50年くらい前から使われていました。

「戦術的ピリオダイゼーション」の理論を知ったのが、2003年頃モウリーニョがFCポルトでチャンピオンズリーグで優勝した頃にでした。ここ15年くらい自分なりに試行錯誤して『プレイモデル に従ったトレーニング理論」「戦術的ピリオダイゼーション」「サッカーのピリオダイゼーション」の理論を参考に自分のトレーニングメソッドを構築しています。

ヨーロッパ内では「プレイモデル に従ったトレーニングの構築」は古くから取り組まれていた事であり、
実際ヨーロッパ内ではフェルハイエンの「サッカーのピリオダイゼーション」と『戦術的ピリオダイゼーション』のトレーニングの考え方は、モウリーニョやペップ、ヒディング成功の影響もありや大なり小なりヨーロッパ内の指導者たちには『一般化しています』

と言っても、旧来のメソッドを行っている様に監督は多くいます。イタリアではやはり旧来のイタリア式のメソッドはあります。ドイツもオーストリアでも・・

「これは最新の・・」と言われた時点で既に古くなっているという事が多い事があります。例えば一時期流行ったフランスのコメッティーが提唱したフィジカルトレーニング「コメッティー理論」は今では全くという聞かれなくなりました。

アーセン・ベンゲル氏は「トレンドに従いながら相手より1歩2歩先に行く事がヨーロッパの舞台で勝って行くためには大切だ』と語っていました。

勿論、全ての分野において日進月歩研究が進めれれており、最新の理論触れ取り入れる事は大切な事であり「疎くなってはいけない」

約30年くらい近代サッカーに従い学んできました。私は幸いにも18歳の時に当時大学1年生で幸いもアリゴサッキのゾーンプレスに触れ、大学3年生のときに単身で1ヶ月ヨーロッパ回り全くアポなしでAJAXの練習を見学しに行ったところ、体当たりが成功しファン・ハールとコー・アドリアンセから当時最新のメソッドと言われたAJAXメソッドを学ぶことができた、その後もリッピ、ウリエ、オランダ式、ヴェンゲル、旧ユーゴ式・・様々の当時の最新のメソッドに触れることができたのは私の財産です。

そうして近代サッカーを追いながらそれを自分のメソッドに取り入れてきました。そうして学ぶ中で近代サッカーの変遷やその流れを見ると普遍的な物の重要性を感じます。そこには論理的な体系が存在します。戦術を見ても「以前あったトレンドがスパイラルの様に新たな形で現れてくる」「戦術のモードは以前流行ったネクタイの流行と同じだ」ということです。
なのでメソッドやトレンドのつまみぐいになってはいけないと最近感じます。特に日本『最新の・・』と言って入ってきた時点で彼らは次のことを考え始めています・・残念ながら・・流れを見ながら普遍的なものを理解し、その時のトレンドを取り入れることが大切だと思います

最も大切なのはトレーニングやチームをマネジメントする事は、ある意味メソッド以上に大切であり、もしくは一体化したものでなければならない!

次に続く


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