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トルコで引っ越しのために家探し・5・強引なおじさんとの出会い


*シリーズで書いています。1はこちら ↓

ある日、どこかでお昼ご飯でも食べようと歩いていたとき、一棟のアパートの最上階の4階に「KİRALIK(賃貸)」の紙が貼ってあるのが見えた。

その日は特に家探しをしていたわけではなかったのだが、歩いているときはどこででも「KİRALIK(賃貸)」がないか探す癖がすっかりついてしまっていたのだ。(今でもついつい探していることがある)

また後で電話してみようと思い、電話番号をメモ代わりに写真に撮っていたら、3階の家のベランダに出ていたおじさんに声を掛けられる。

「家を探しているのか?君たちは日本人か?4階の家を見せてあげるから、君たちの後ろにある店からカギを借りて上がっておいで。」

急に言われて、考える暇もなく、よくわからないまま言われた通りに私たちの後ろにあったお店の人から鍵を借りてアパートに入って行く。

アパートの階段を上がって行くとおじさんが自分の家の戸口で待っており、

「いらっしゃい。ここのアパートの管理人をしているんだ。私は日本人が好きだから君たちに声を掛けたんだよ。」

と言う。

日本人が好きだという人は乱暴な言い方になるが、大きく分けると「純粋に日本人が好きな人」と、「日本人を利用したい人」に分かれる。この人はどちらなのか・・・。

管理人だと言うおじさんに案内され、とりあえず4階の家の中を見せてもらう。


建物としては古く、家は縦長の作りで廊下が長かった。今まで見た家に比べるとサロンが広く、キッチンも小綺麗な感じで見た目は問題はない。他に、大小合わせて部屋が3つ。ベランダは椅子を一つ置いて座ったらいっぱいになる小さなものが一つと、ちょっと小さなテーブルを置いて二人分の椅子を置いたらちょうど位の小振りのベランダがもう一つ。

気になったのはバスルーム。外からの光がなく換気窓だけ。アパートの一階から上の階までズドンと換気用に抜けているらしかったが、これで本当に換気できてるのか?だが、トルコでは一般的な作りだと言われる。バスルームにはシャワーのみのお風呂と洋式トイレ。他に個室でトルコ式トイレがあった。

管理人のおじさんに、「どうだ?気に入ったか?どうする?ここの貸主さんに連絡しようか?」と言われ、「家の感じは良いですが、家賃でちょっと考えています。予定より高めなので。」と答える。するといきなり、「貸主さんに電話してもう少し安くできないか聞いてあげよう!」と言って、頼んでもいないのに電話を掛け始める。

まだ借りるかどうするかも決まっていない。多分、家の中を見て5分?10分もたっていない。それなのにいきなり家賃交渉?!

管理人のおじさんが貸主さんと話していると、貸主さんが家賃を下げることに抵抗があったのか「この人たちはいい人たちだ。家賃を下げて貸すべきだ!!」的なことを言って説得している。『いや、私たち初対面でまだそんなに話してないですよ??』と思いながら電話が終わるのを待っていると、なかなか強引に話を進める人で、最後には「家賃は下げることができるそうだ。」と言って電話を切った。

あっさり、交渉成立。それでよいのか?!

管理人のおじさんペースで強引に話が進んでいたが、さらにこんな事を言い始める。

「実は、この家の下の階がもうすぐ引っ越しをするんだ。そこの家はもっといいよ。見てみるかい?」

私たちは、とりあえず管理人のおじさんに言われるがままに下の階に降りて行った。

そこは管理人のおじさんの向かいの家だ。

下の家に行くと、引っ越し準備をしていた。まだしばらく居るので半分ほど荷物を残している状態とのこと。家の作りは上の階と同じだが、こちらは赤い色がメインのキッチンとバスルームはシャワーだけのところが多い中、お湯がためられるバスタブ式。バスルームにあるトイレも個室にあるトイレも洋式だった。

この家は貸主さんが自分で住もうとリフォームしたが、実際住むには年配なので階段が大変だったため、別の所に住むことにし、この家は賃貸にしているそうだ。

アパートは古く、エレベーターがない。上の階まで年配の人が上がってくるのは確かに大変。(エレベーターがあっても、トルコのアパートのエレベーターは私は怖いのであまり使わない)

実際にその家に住んでいる人から話を聞けるのは良かった。夏はクーラーがいらないくらい風の通りが良いだとか、バスルームはカビが生えないとか。

私たちは管理人のおじさんに、「こちらの家の方が気に入りました。もともと最上階(4階)ではなく、間の階の家を探していましたから。」と言う。

基本的に一番上の階は、夏は暑く、冬は寒くなりやすい。できれば避けたい。

「気に入ったのなら、こっちの貸主さんにも家賃交渉してみよう!」とまたまた勝手に電話をし始める管理人のおじさん。

電話では上の階のときのように強引に話を進め、家賃交渉成功。すっかり管理人のおじさんペースで話が進んでいく。


次回へ続く。


*続きはこちらです ↓









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