J2のチームを応援すること
僕は今住んでる地元のJ2サッカーチーム、ジェフ・ユナイテッドの試合を2014年から基本的には全試合見ている。だいたいはDAZN観戦で、現地観戦は年5,6試合程度、ホームのみ。それまではどちらかといえば特定のクラブを応援するでもなく、なんとなく海外サッカーの面白そうな試合やハイライトなんかを見てる程度だった。ジェフは見はじめた2014年から強いチームではなく、目標であるJ1昇格は見えてこないが、そんなチームのサポーター、あるいはファンを10年近く続けている理由を考えてみる。
まず一番の魅力はジェフのホームスタジアムである、フクアリことフクダ電子アリーナ。2万人規模のサッカー専用スタジアムはちょうどよい大きさでプレイが見やすく迫力があり、応援のお祭り感も楽しめる。スタジアムがサッカー専用かどうかで迫力は全く違ってくるので、初めてサッカー観戦する人なんかはフクアリにくるとピッチを見下ろす傾斜の景色だけで感動できる。フクアリのようなサッカー専用の良い設計のスタジアムは日本には数えるほどしかない。太鼓にあわせたサポーターの歌もスタジアムに反響して、毎試合がフェス感覚である。しかもジェフの試合が売り切れになることはまずないので、今日は観戦日和だなと思ったら当日券で入れる。欧州リーグチームのサポーターと比べれば現地観戦に散歩気分で行けるのは、ものすごい利点だ。フィールドのすべての選手の動きを見られるというのはサッカー観戦歴が長くなるほど重要な要素なので、現地観戦は楽しい。
欧州リーグの試合をライブで観戦しようとすると、基本的には深夜か早朝になり、日曜の早朝なんかの試合だと月曜の仕事にがっつりと響いてくる。しかも試合は毎週末あるのだ。Jリーグはもちろん昼か夕方開催なので圧倒的に睡眠リズムの正常化に有利である。これは実は日本のサッカーファンがどこかのチームのサポーターとなる際、Jリーグか欧州リーグかによる影響の大きなポイントだと思う。規則正しい睡眠にはJリーグ。
J2の試合はプレミアやリーガに比べれば明らかにパススピードがもっさりしているし、ミスも多い。だがもはやチャンピオンズリーグの決勝トーナメントなんかは、筋肉超人オールスターによる超技びっくりボールショウのレベルなので、身体的にはプレイ感覚を共感しにくい。J2はまだ同じ人間の延長線上の身体レベルを感じられる。高校野球がプロ野球より下手だからといって見るのが面白くないわけではないように、J2も欧州リーグもそれぞれの面白さがある。
J2にはJ1昇格という明確な目標と、昇格すれば次の一年はJ1で試合ができるというご褒美がある。ジェフはJ2歴14年目なので、ずっとためている状態である。もしも、もしも、なにかの間違いでJ1昇格が決まった場合の爆発的な歓喜にむけて、ためている状態なのである。ジェフには当然ながら僕より長くJ1昇格を夢見て裏切られ続けている我慢中のサポーターがたくさんいるので、J1昇格の可能性が少しでもチラつくとたちまちフクアリに集まってくる。2017年エスナイデル体制でのシーズン最後の7連勝によりプレーオフ進出を決めた試合。フクアリは突如満員になり、逆転ゴールを決めたときにはスタジアム全体が一体となり歓喜につつまれた。その後プレーオフであっさり負けてJ1昇格は夢と散ったわけだが、ああいう場面を体験すると、J1昇格がもしも本当に決まったらどんなことになるのか、夢はふくらんでいく。いつかその日がやってくると信じて、来週からまた今シーズンの開幕を迎えるのである。
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