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進学か就職か、大学院進学問題。結論編。

大学院に進学するのかしないのか、結果的に進学したことが良いことなのか悪いことなのか、それは個人の未来に依存します。ただ言えることは、研究者(大学の教員)として就職するという条件は年々悪くなってきており、採用人数も狭き門です。その代わりに非常勤や任期制のポストがありますが民間の会社よりは平均的に給与が低いです。また、民間に就職したとしてもブラック企業やブラックプロジェクトに当たってしまうと心身が病んでしまうというリスクもあります。
進学することのメリットは就職先の選択肢が増えることだと言えます。たとえば民間の研究職でも修士卒、あるいは専門分野を専攻していたことを採用条件にあげる場合もあります。特に最近は即戦力が欲しい会社が多いので専門分野は重要になります。

私が大学院の時に、民間の会社を辞めて、大学院に入学してきた方がいましたが、理由は、会社で研究をやらせてもらえないから、もう一度大学院で研究して、その研究結果を持って就職するということでした。英語で論文を書いて普通の学生よりもはるか先を走っていましたが、結果的に再就職時の年齢等で、希望した就職先に入ることはできませんでした。これは第2新卒の年齢を超えていたことも影響していたかもしれません。また、企業側としても自分の希望配属を通すために会社を辞める人材というのは長期的に会社の命令に従って働いて欲しいという古い体質の日本企業にとっては採用しにくいという事情もあります。

以上のことを踏まえると、自分の専門性を突き詰めたいという人は、大学3年くらいの時点で大学院の先まで考えた上で進学するのが理想的です。しかし、現実は進学でいいのか、就職の方がいいのかと悩んでしまう人が多いです。それは当たり前のことです。迷わずに進学して勢いで博士課程まで行ってしまったら後戻りできません。一昔前は、研究職を目指して多くの学生が博士課程まで進んだ時代もありましたが、就職倍率100倍という世界でした。ギリギリまで悩んで自分で最後の選択をするということが一番大事なことです。

借金をしてまで大学院に行って取り返せるのか、それを計算せずに突き進んでもなんとかなる時代は終わりました。少しでも就職実績のいい大学、研究室、論文発表などの実績のある研究室を選ばないと、大学の教官は就職の面倒を見てくれません。相談には乗れても最後に会社に入りたいという意思表示をするのは自分です。面接官も何人もいるので全員を騙すことは困難です。その現実と将来、向き合う覚悟があるのであれば大学院進学は就職への通り道という位置付けで進学するのは良いことだと思います。

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