カードゲームのデッキ構築とネーム切るのは似てる

私は決闘者だ。

何を隠そう、私はネタデッキをこよなく愛するデュエリストなのだが、最近二次創作の漫画を描くことが多くネームに頭を悩ませることも多い。
そして、デッキ構築(デッキデザイン)とネーム作業の共通点について気づいたのでまとめていきたい。

ネームとは

漫画の設計図であるが、これが難しい。初心者の頃は、どこが面白いのか、どうやって始めるのか、コマとコマの連結が上手く行ってない気がする、など悩みが多いものだ。
これのどこがデッキ構築と似てるのかと、これを読んでる方もお思いだろうが、決定的な共通点がある。それは「無駄を削ぐ」というところだ。

ネームとデッキ構築の共通点「無駄を削ぐ」

初心者の頃、よくありがちなうまくいかない脚本の特徴は、「要素が多すぎて結局何の話か分からない」ということだろう。これは、漫画で言えば、話の軸が振れている。そしてカードゲームで言えば、デッキにノイズが多すぎる。という状態だろう。

ここで一つメモとして記しておくが、漫画に詰められる情報量は少な過ぎはしないが、決してたくさん詰められるものでもない、と言うことだ。キラリと光るワンアイデアを描き切る。それだけで必要十分なのだと考えている。

要素が多すぎる問題

無駄を削ぐといっても、じゃあどうすればいいのか。これはデッキ構築の方から説明しようと思う。デッキ構築で失敗した場合の最初の手札5枚を想像していただきたい。

3テーマくらいを混ぜ込んだオリジナルの面白デッキをあなたは組んだ。しかし、手に引き入れたのは、それぞれの3テーマの初動ではない上振れ用カードと手札誘発、汎用まくり札。困ったあなたは裏守備表示でごまかしターンを渡す。あなたのやりたいことは何も出来なかった──

と、いわゆる手札事故の状態である。これを解決する場合、(もちろん確率の問題ではあるが)初動札を増やす。まくることを前提に後攻特化にするなど色々な対応が思いつくだろう。その場合に大切なことは、今ある強みを残す改良であると私は考える。

ネームにおけるシナジー

この現象は漫画のネームでもよくあると思ってるし、私もよくやってしまう。あれもこれもやりたいとなった結果、最初の勢いのあるアイデアが、他のアイデアの中に埋もれていくという現象だ。
ここで、ネームを切る人は「シナジー」を意識すると良いだろう。シナジーとは、互いに力が発揮できる相乗効果のようなものと考えて良い。
ネームにおけるシナジーとは、核となるエピソードとその準備段階のエピソードが響き合うような関係になっているかを考えることだ。極論、シナジーのない話は全てカットしてもいいと私は考えている。(あくまで最小単位で作る場合。不条理ギャグや、シリアス過ぎる空気に対してボケを入れたいなど目的のあるものは、それもまたシナジーがあると言える)

シナジーのないエピソードとは、自戒を込めて言うが、「物語の流れ云々はおいておいて作者がただやりたかったこと」だったりすることも多いので注意が必要だ。

ネームにおける初動札

初動は多いほうがイイ。これは決闘者ならばおそらく同意を得られることだと思う。初動札とは、その1枚もしくは2枚くらいが最初の手札に揃えば、デッキパワーを発揮できるようなカードたちだ。これが引き込めているか、たくさんあるかでカードゲームは全く異なる展開を見せる。まさに初めから動けるカードなのだ。
これは物語の推進力と似てる。優れた漫画というものは次から次へとページをめくらせる力がある。初動がきちんと用意されているか?これはネームを切る上でとても重要であると思う。

初動=どこから面白くなるのか


筆者の昔描いてた漫画で、人から頂いたコメントは「なんか後半から面白くなるね」というものだった。これには、その後半から出てくる推進力を最初にぶち込んでおくべきだったという学びを得た。
漫画は映像的な演出もできることは、藤本タツキ大先生(以前からもあると思うが)が証明済みなので、とことん編集して前後を入れ替えたり時系列を入れ替えたりしてみよう。見せられた場面から読者の脳内で想像や補完が起こり、それが「引き」になることだろう。

最後にエッセンス

じゃあカードゲームと同じように、漫画にも環境デッキが存在し、「これやっとけばいいんじゃないの?」というデッキレシピがあるのではないか?という疑問があるだろう。

実際そう。漫画における環境デッキとはいわゆる王道展開だろう。 

可愛いヒロイン。カッコいいヒーロー。熱いストーリー。ループ、転生などなどもう見飽きたよ、という展開は皆さんも知ってるだろう。それはあくまで環境デッキであって、デュエリストは自分のデッキセンス、オリジナリティで楽しんでこそのカードゲームだ。(持論)

同じデッキテーマでも、違うルートからの違う着地点。誰も使ってなかったカードの発掘。組み合わせの妙。まだまだカードゲームも漫画ネームも楽しいことだらけだと思う。

だからみんな………

王(ジェネレイド)デッキにスノーマンエフェクトを入れて、トークン処理に来た相手を逆にワンキルする地雷デッキを作ろう!!!!!!!!



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