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【採択者紹介】合同会社MARBLiNG(飯舘村)~世界からさまざまな人々が創作に来る巨大な秘密基地「図図倉庫」

全国・世界・地元から、福島県12市町村に、芸術家が集まり、滞在制作をするハマカルアートプロジェクト(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業))。
採択者とその活動を紹介しています。
どのような人々が、どのようなアートを福島県東部でつくろうとしているのでしょうか?
今回は、飯館村の「図図倉庫」を拠点として、アーテイスト・イン・レジデンスのプログラムを展開する合同会社MARBLiNGの紹介です。

被災で居抜になったホームセンターに世界中からアーティストや科学者が集まっている!?

福島県道12号原町川俣線。いいたて村の道の駅までい館の少し東に、気になる建物があります。
2011年の震災後に営業ができなくなったホームセンター跡を利活用した「環境づくりの秘密基地 図図倉庫(ズットソーコ)」

環境づくりの秘密基地 図図倉庫

運営しているのは合同会社MARBLiNG。

飯舘村内の空き施設利活用プロデュースを主な事業として、

  • 村民や村民や科学者が集う実験・研究テナント企業や様々な活動団体が集うシェアオフィス

  • シェアアトリエ・村で活動する人と外部から訪れる人が行き交うイベントスペースや、カフェ、ショップ

  • 飯舘村の環境を知り、環境づくりに参加するツアー

などなど、飯舘村の「秘密基地 図図倉庫」から、これからの地域環境づくりに取組んでいます。

飯舘村でなにかをしたい 
ふたりの熱量が産んだほかにはないアートとサイエンスの場を起業する

合同会社MARBLiNG、矢野淳さん、松本奈々さん
矢野さんは、父親が飯舘村でNPO法人を設立され、ご自身も高校時代から飯舘村へ通うようになり、大学で建築を学んだあと、卒業を機に飯舘村へ。松本さんは福島市生まれ。復興支援活動から飯舘村とつながりを持ち、飯舘村の地域おこし協力隊として飯舘村へ移住。2021年に共同代表として、合同会社MARBLiNGを設立されました。

この2人が結びついたのは、松本さんが協力隊の後、村で起業をする際の拠点となる場をつくることができる若い建築家を探しに東京のさまざまな場所に顔を出す中、偶然、飯舘村を題材に未来へ向けた建築提案を藝大で発表していたものをみつけ「飯舘村!」かつ、思っていたものに近い提案があったことに感激したら、それをつくっていたのが矢野さんだったという、偶然かつ熱度の高い出会いからによるものでした。

(画像前列左:矢野淳さん / 前列右:松本奈々さん)

そこで一緒に村で起業をはじめたふたりですが、その会社名は、さまざまな色が広がり、混じり合い複雑な模様や図柄をつくり出す絵画技法「マーブリング」から、色と色が完全に混ざり合ってしまうのではなく、いろいろな色が、その色らしさを保ったままつながっていけるようにとの思いを込め「MARBLiNG」に。

その旗をあげた拠点の名は、物事を図る。物の姿や形をあらわす。目的のために工夫する。といった意味のある”図”という字。
村の人々や、科学者、研究者、アーティスト、企業や様々な活動団体、学生など、課題を共有、協働しながら、調査と実験を重ね、地域環境づくりをつないでいく。
そんな思いを「ずっと持ち続けていけるように」と、「環境づくりの秘密基地 図図倉庫」の名称に込めたとのこと。

図図倉庫ロゴ

ふたりは、1,000平米を超える、借り受けたホームセンター跡地を、掃除や床材はがしからはじめ、こどもを含めた飯舘村の人たちや訪れる方々とともに、廃材などを再活用して図図倉庫をつくり始め、令和4(2022)年11月よりオープン、今もなお、さまざまな科学者や専門家、地域の人々、そしてアーティストが、何かをするごとに、機能が増え続けています。

(図図倉庫webより)

合同会社MARBLiNG(図図倉庫)、本「ハマカルアートプロジェクト」では、さまざまな事業に取り組みます。

飯舘村に住む方々やツアーで村を訪れる方に、建築家、植物学者などが加わり、飯舘村の草花で植物標本を制作し、図図倉庫の大扉を飾ります。
また、滞在芸術家たちが、飯舘村の環境を表現する空間インスタレーションを表現し、飯舘村の創作洋食レストランシェフがつくる料理を楽しみながらの体験型演劇作品(シアターレストラン)を開催します。

(アーティストつくる秘密基地のパワーアップ、開催の模様へと、記事は続きます。)


制作された図図倉庫大扉

図図倉庫 WEBサイト https://www.zuttosoko.com/